土曜日は、ときどき、
ウィークエンド・サマリー。
1週間のおさらい。
私自身は、毎月、第4週は、
非常勤取締役を担う会社の役員会や、
顧問を務める会社のアドバイザー会議などで多忙。
今週は、全国的に株主総会ウィークだったし、
私自身も、それらに出席した。
私は、株式を持たない主義である。
これは、経済関連のジャーナリストとしての、
私の矜持。
どんなに儲かることがはっきりした株式でも、
自分自身の儲けのために株を持つことはしない。
会社の見方に、思い入れや偏りが出るから。
それが他の会社の見方に、曇りを生じさせるから。
私は、ジャーナリストであるし、
学者の端くれでもある。
文筆家でもあるし、
講演者でもあるし、
研究者でもある。
そして広い意味では、
ある種のコンサルタントでもある。
この「コンサルタント」という言葉は、
自分には適さないと考えていたが、
その考えは改めた。
ピーター・ドラッカー先生が、
確かにコンサルタントの側面を持っていたからだ。
ドラッカーは、
学者であり、
ジャーナリストであり、
コンサルタントであり、
何よりも哲学者だった。
私のライフワークは、
「知識商人を養成することによって、
商業の現代化を実現させること」
ここでいう商業には、広い意味で、
ホスピタリティ・ビジネスが含まれる。
「商人」とは、ビジネスする人を意味する。
キーワードは、
「知識商人」と「商業現代化」。
だから、会社の名前を「㈱商人舎」とした。
「知識商人が商業現代化を目指して集まる拠点」
商人舎ホームページやこのブログも、
コーネル大学リテールマネジメントプログラム・オブ・ジャパンも、
立教大学大学院のビジネスネスデザイン研究科も、
私のやっていることのすべては、
「知識商人」と「商業現代化」のためである。
そして私はそのために、
「無私と利他」を貫く。
昨年の4月17日、
「結城義晴君の独立を励まし商人舎発足を祝う会」でも、
そのことを決意表明させていただいた。
だから株式を、私は持たない。
さて、昨日は、
3月期決算上場企業1321社の株主総会が開かれた。
その意味での専門紙・日経新聞は、
「総会は対話の時代へ」と、
コラムを書いた。
総会屋の手を借りた「シャンシャン総会」から、
ファンドが主役となって経営陣を揺さぶる「波乱の総会」を経て、
経営者と株主が、個人株主を含めて意見を交わす「対話の総会」になった。
米国ウォルマートのような「パフォーマンス総会」は、
あまり見かけられないが。
先週をさかのぼれば、
月曜日の22日に、公正取引委員会が、
セブン-イレブン・ジャパンに排除措置命令。
23日にはセブン-イレブンが「15%の廃棄分本部負担」を発表。
このニュースが、日本中を駆け巡った。
この問題解決をケーススタディとして、
リーダーの思考法を磨く会社も現れた。
22日には、日本フランチャイズチェーン協会から、
5月のコンビニ売上速報が発表された。
コンビニ売上高は、
既存店ベースで前年同月比1%プラス。
売上高は13カ月連続で伸びているが、
6月、7月と昨年来のタスポ効果の反動が表れる。
その上で、「見切り」問題の風評被害は大きい。
コンビニに試練の夏となりそうだ。
一方、日本チェーンストア協会の発表。
総合スーパーを中心とした5月の成績は、
前年同月比の既存店でマイナス2%。
「下取りマーケティング」の効果も大きくはなく、
衣料品が特に足を引っ張った。
その結果、総務庁の26日の発表で、
5月の消費者物価指数は前年同月比で、
マイナス1.1%。
これは1971年以降で、最大の下げ幅。
「デフレ懸念」と表現されるが、
これも、この試練の夏の底流となりそう。
ただし、経済産業省が発表する5月の鉱工業生産指数予想にはちょっと異変。
工業は平均で前月比7%のプラス。
日本の工業力の底力を思い知らされて、
頼もしい。
トヨタもプリウスの生産のために、
休日出勤を再開したという。
(もう少し休みなさいよ、とも思うが)
工業生産が活発になると、
消費も活気づく。
ただし、工業にばかり負んぶされているわけにはいかない。
不況の時にこそ、
商業が社会貢献する、
経済活性化のカギを握る。
それが商業の現代化のひとつの条件。
試練の夏に向けて、
意気軒高でいかねばならない。
今月の標語。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
いまこそ、これだ。
今週のウィークエンド・サマリーの締めの言葉。
今週も、商人舎ホームページとBlog[毎日更新宣言]を、
訪れてくださったことに、
心から、感謝。
では、良い週末を。
<結城義晴>