ニューヨーク市場で円高が進み、1ドル92円。
そして日経平均株価は6日連続で、9500円を割った。
さらにガソリン価格は、14週連続で上昇。
6月時点のレギュラーガソリンは1リットル124円。
日本の経済も、日本人の消費生活も、
晴れ間は見えない梅雨空のようだ。
こんがらがったこの彫刻のようだ。
日経新聞が試算した世界の自動車メーカーの数字。
「時価総額シェア」と「販売台数シェア」。
トヨタ、ホンダ、日産自動車、
それにスズキ、三菱自動車、マツダ、富士重工。
日本勢7社で、時価総額は全体の54.3%。
トヨタは30.1%でトップ。
第二位は、フォルクスワーゲンの23.3%。
ホンダが第三位で、11.3%。
ダイムラーが第四位で、8.5%。
第五位は日産の6.3%。
販売台数のシェアは、日本勢が全体の45.5%。
こちらは第一位、トヨタで19.1%、
第二位フォルクスワーゲン13.2%、
第三位、フォード11.5%、
第四位、現代自動車8.8%、
第五位、ホンダの8.0%。
第六位に、日産が7.9%で入っている。
日産・ルノーは合わせると、
時価総額で8.6%の第四位、
販売台数で、13.0%の第三位に上がる。
つまり、日本の経済は全体として見るとまだまだだが、
自動車産業は、世界中の業界が縮んでいて、
日本の7社は、その分、
シェアを増しているということだ。
これは、あらゆる分野で、起こっている現象。
例えば小売業。
ある限定された商圏内で、
同業種・同業態の全体は縮んでいる。
しかし、
1店だけが売場と商品とサービスのレベルを、
維持・向上させていれば、
結果として、その店の客数は上昇し、
売上高や営業利益はアップする。
これが、現在の競争。
日経新聞の取材記事が示す。
「ボーナス商戦出足鈍く」の見出し。
百貨店とファッションビル。
東急百貨店東横店。
ボーナスセール対象品は昨年比マイナス7%でスタート。
高島屋は、バーゲンを前倒しで仕掛けた。
しかし、6月27日から7月7日段階で、
前年比マイナス10%。
阪急百貨店梅田本店も、
7月1日から5日までの売上げは前年比マイナス1割。
パルコは7月に入ってから8~9%の落ち込み。
しかしその分、減ったとはいえ、
ボーナス分の消費は、どこかに行っている。
第一が「貯蓄」。
第二が「最良のベーシック」に。
ユニクロのファーストリテイリングが、
「プラスジェイ」という新ブランドを仕掛ける。
この秋から冬にかけて。
ドイツ人の著名なデザイナーのジル・サンダーの商品。
3月からサンダーと契約し、
マーチャンダイジング全体の監修を任せていた。
いよいよサンダー・ブランドを出す。
男性用40アイテム、女性用100アイテム。
しかもユニクロの価格帯より1000円から2000円だけ高い。
商品は、実際にそれにあたってみなければ、
決してその価値を判断してはならない。
しかし、このところのファーストリテイリングの仕事ぶりを鑑みると、
これは、ヒットするだろうと予測できる。
そしてまた、この冬、シュリンクの中の一人勝ちが展開される。
何度も言うが、
日本全体のファッションの世界だけのことではない。
世界の自動車製造・販売の世界のことだけではない。
小売業の場合、サービス業の場合、
小さな商圏の中で、この集中化現象が起こる。
だから、日本中に、
トヨタやユニクロが、登場する。
あなたが、トヨタやユニクロになれるか否かだけである。
もちろんトヨタやユニクロの規模を言うのではない。
「最良のベーシック」と「イノベーション」において、
トヨタやユニクロになれるかと、言いたいのだ。
今月の標語。
「答は現場にあり」
そして、このホームページ右サイドのボタン「過去の標語」から、
2月の標語で、今年いっぱい通用する概念。
「最良のベーシック」
週末に向かって、ピッチを上げよう。
<結城義晴>