ユウキヨシハルのおとうさん、
とおいところにいってます。
アメリカ。
ボクは、
首をながくして、
まってます。
でも、いいところらしい。
池がある。
ひろい農場。
ドレイクさんというセンセイのうち。
ひろいし、
おおきい。
でも、ひろいところは、
それだけでなんだか、
ボクは、こわい。
ボクは、
せまいところが、
すき。
それに、
おおきなものが、
小屋のなかから、
でてきた。
なまえは、サンデー。
おおきくて、
りっぱ。
やっぱり、
おおきいものは、
こわい。
小屋のなかに、はいった。
そして、
こっちを、
みた。
顔は、
いがいに、
かわいい。
こっちにも、
ちがうのがいる。
なまえは、
ケーシー。
これでも、
おんなの子。
うごきまわってる。
ボクとは、
リズムが、
ちがうかんじ。
こちらは、
ボクのナカマらしい。
でも、こわい顔。
するどい目。
なまえは、ない。
小さいのも、
いる。
どちらも、
なまえはない。
おとうさんとこども。
そとに、すんでる。
ボクは、
ナカマが、
ちょっと、にがて。
こんなに、ちいさい。
うまれて、30日くらい。
これなら、
ナカマに、
なれるかもしれない。
でも、おかあさんがいた。
こちらも、なまえはない。
なまえがなくても、
そとにすんでいても、
こまらないらしい。
ボクは、いえのなかに、
すんでいて、
なまえは、ジジ。
そして、
ほんとうのナカマは、
ユウキヨシハルのおとうさん。
はやく、かえってこないかな。
まってます。
<『ジジの気分』(未刊)より>