Everybody! Good Monday!
2009年7月最終週。
今週末から、8月。
夏休みとお盆へ、突入。
日経新聞の記事。
全産業的に「蛻変」が起こっている。
すなわち主力事業の転換。
富士フイルムホールディングスはこの1年で、
医療、液晶分野を重点強化し、
この部門が、複写機・プリンターを上回る。
写真フィルムは、デジタルカメラの登場で、大幅販売減。
日清紡ホールディングスは、自動車部品事業が主力だが、
太陽電池関連が利益において、それを抜く。
いまの主力部門を、次の主力部門に転換させる時が来ている。
現在、私はニューヨーク。
こちらでも、ウォルマートが、
エコラベルで、企業姿勢を大転換させている。
7月16日に、取引先1500社を招待して、
サステナビリティ・マイルストーン会議が開催された。
その席で発表されたもの。
ウォルマートは、扱い商品全品にエコラベルを付ける。
1品ずつ製造から廃棄までの環境への負荷を評価測定する。
それを数値化して、顧客にお知らせする。
そのためにラベルに表示をする。
全取引先が、このエコラベルに協力する。
ウォルマートは、この環境へのサステナビリティにおいて、
全企業に対してリーダーシップをとる。
ウォルマートの環境対応の真剣さが分かるが、
同時に、低価格と利益に終始してきたウォルマートが、
大転換を示していることになる。
最後に利益は付いてくることも、明白だが。
さて、コーネル・ジャパンの一行、
ニューヨーク州北部のイサカに後ろ髪をひかれつつ、
マンハッタンへ向けて、一路、南下。
その車中が、「結城ゼミ」。
「2009米国スーパーマーケットTide of Time」
いつも商人舎のアメリカ視察研修会で講義している内容の、
超コンパクト版。
車中で、都合、4時間ほど。
2008年通年の米国小売業売上高は、4兆4783億ドル。
その中でウォルマートは4012億ドル。
1割近くを売上げ、アメリカ国民の3分の2が、
週末にウォルマートで買い物している。
ウォルマートを中心に回る米国小売業。
しかし「働きたい企業100社」には、
スーパーマーケットが5社、入っている。
今回訪れたウェグマンズ、そしてナゲットマーケット、
ホールフーズ、スチューレオナード、
それにパブリックス。
このコーネル・ジャパン旅行で、
私たちはこのうちの3社を訪れる。
講義は、世界企業順位、
米国チェーンストア・ランキング、
そしてコーネルの店舗バナー論、
ウォルマートのアンビータブル・プライスと、
ホールフーズのオーガニック・マーチャンダイジング、
そのコモディティ性とノンコモディティ。
そしてロイヤルカスタマー。
あっという間に、
ハナフォード・ブラザーズの店舗に到着。
このエリアで170店をドミナント展開するローカルチェーン。
5600平方フィートの店舗面積で1週間に60万ドル。
年商30億円。
左端が、ディストリクトマネジャーのミッシェル・シモーネさん。
その隣が、シェリル・ロンデネリさん。
そう、昨年10月来日して、
コーネル・ジャパン開校セミナーでパネルディスカッションしてくれた店長。
2008年度全米ベスト店長に輝いた。
ハナフォードが、この地区の全力を挙げて、
コーネル・ジャパン第一期生を迎えてくれた。
4つの班に分かれて、この店舗の全体のヒアリング&ウォッチング。
青果部門のデパートメント・マネジャーのエリカさん。
600品目で、オーガニックは105品目。
そのエリカさんがつくった売り場。
生鮮・デリ・ベーカリーを統括するアシスタントマネジャー(右)と、
ベーカリーの部門マネジャー。
ハナフォードは女性マネジャーが、実に多い。
アシスタントマネジャーは二人。
生鮮と非生鮮に一人ずつ。
第一期生はハナフォードのキャップをかぶって、視察。
ミート部門は、青果と並んで、店の看板。
マネジャーも自信満々。
その「カスタム・カット・ミート」の売り場。
牛肉は、チョイス・グレード。
その上の「アンガス」グレードも品ぞろえして、
品質と安さの両立を図る。
バックヤードでは、
セントラルストア(非生鮮)担当アシスタントマネジャーが、
質問に答えてくれた。
こちらのアシスタントマネジャーも女性。
週4回のグロサリーの配送で、
在庫は非生鮮で25万ドルと、しっかり抑えられている。
店頭ディスプレーも見事。
ミーティングルームに昼食が用意されていて、
皆で立食パーティ。
そして質問大会。
全部門のマネジャーが売り場で迎えてくれて、
質疑応答したうえで、
まとめて総括。
だから全体像がはっきりした。
コーネル・ジャパン一期生の収穫。
最後に、ファサードを背景に、
全員で記念写真。
優秀店長のロンデネリさん。
「店長の仕事は、次の時代の人を育てることです」
これはまさしくコーネル・ジャパンそのもの。
こんな歓待、受けたことがないほどのもてなしだった。
私はバスの中で、総括した。
「私たちへのおもてなしは、
そのまま地域のお客様へのホスピタリティとして、
習慣化されている」
その後、バスはさらに南へ。
途中、ウッドベリー・コモンのアウトレット・モールに寄ってから、
定番のスチューレオナードへ。
店頭のクレドの前で、写真。
Rule1 The Customer is Always Right!
Rule2 If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則1 顧客はいつも正しい。
原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、原則1を読み返せ。
最近は、写真撮影は許されていないが、
この石碑、移動した。
店舗入り口にあったものが、
駐車場のほうに寄った。
だから写真を撮ることができた。
店内は、あい変わらずの楽しさいっぱい。
しかし、土曜日だというのに駐車場も大混雑ではないし、
レジも大行列ではない。
不況の影響が、この店にも出ている。
客数は、そこそこ確保できているが、
買上げ点数が激減している。
スチューレオナードの、これからの底力が見ものだ。
そして、マンハッタン。
帯広のイサカから、東京・歌舞伎町へ、移動してきた感覚。
これは帯広の福原郁治さんも認める。
夕食は、タイムズスクェア。
人気のシーフードレストラン「ブルー・フィン」。
三井物産USA副社長・佐藤一夫さんが、
夜の食事会の主催者。
心から感謝。
食事が終った夜の11時。
タイムズスクェアは、ご覧の混雑状態。
不況を吹き飛ばす、勢いが感じられる。
わがコーネル・ジャパン一期生も、
この元気さ。
ホテルは、ノボテル。
清潔で、簡素で、私は好きだ。
私たちは、コーネル大学とニューヨークに、
卒業旅行に来た。
しかしこの旅は、1年間に自分がどれだけ変わったかを、
確かめるためのものだ。
同時に、この旅のなかで、
自らを変えることを目的としている。
ウォルマートは、変わろうとしている。
160万人のアソシエーツを雇用しながら。
富士フィルムも日清紡も、
ハナフォードもスチューレオナードも。
蛻変しようとしている。
今週も、少しでも、自分を変えたい。
変わった自分を確認したい。
Everybody! Good Monday!
<まだつづく、結城義晴>