昨日は、「土用の丑の日」。
その「二の丑」。
7月中に「土用丑」が二度来ることは、
極めて稀。
だから希少価値。
皆さんの商売は、いかがだっただろう。
国産ウナギは、品薄になっていて、
顧客はそれを望んだが、
なかなか食べられなかった。
私は、商人舎の目の前の「野田岩」。
河津司さんが商人舎をお尋ねくださって、
天然ウナギ。
河津さんは、前経済産業省流通課長で、
「街づくり三法」の政策立案・策定担当者。
いわば経産省きっての「流通通」。
現在、独立行政法人経済産業研究所総務ディレクターとして、活躍中。
昨年は、コーネル・ジャパン講師として、
「流通政策」を担当していただいた。
さらに特別受講生として、
第一期生とともに勉強もしていただいた。
第二期には、秋と春に二つの講座をお願いしている。
楽しくて有意義な丑の日。
さて、今日から8月。
その8月の商人舎標語。
「選挙に行こう・投票しよう」
私は、成人して選挙権を得てから、これまで、
一度も選挙を棄権したことはない。
いや、棄権する意思は一度もなかったという方が正しい。
というのも、28歳の時に引っ越しをして、
その移転届が役所で滞っていて、
選挙権が空白になったことが、一度、あって、
その時だけ、やむなく投票できなかったからだ。
この間の経緯は、当時の『販売革新』誌の編集後記に、
役所への怒りを爆発させ、
行政の無責任さを糾弾する口調で、
克明に描かれている。
周辺にも、息子や娘にも、
選挙権を行使することは、
国民の大事な権利であることを、
強調してきた。
だから、日本の商業・サービス業にかかわる人たちにも、
是非ともこの権利を行使していただきたいと考えている。
商業・サービス業は、土曜・日曜・祭日にも、
店を開けて、営業する。
お客様が、自由な時間を楽しむ時こそが、
商業・サービス業の仕事の時だからだ。
お客様に奉仕することが、
商業・サービス業の社会的役割である。
その意味では、警察官、消防士、
鉄道マン、病院・介護施設に働く人。
社会生活のインフラを形成する機能を担う人々に、
通常の土日祭日はない。
だが選挙は、特別のことがない限り、
わざわざこの日曜日に行われる。
だから一般に、
商業・サービス業に携わる人は、
選挙に行きにくい。
投票しにくい。
しかしだからこそ私は、
商業・サービス業の従事者には、
選挙に行こう・投票しよう
と呼び掛けたい。
どの政党のだれに投票するかは、
自分で決めるのがよい。
組織に属している人も、
最後の最後には、自分で判断して、
自分の責任と権利において、投票するのがよいと思う。
今月末の30日。
衆議院選挙がある。
平成19年調査の最新商業統計では、
小売業・卸売業従事者は、1260万人を超える。
日本の人口の1割、選挙権保有者の13%ほどになる。
商業に外食・サービス業を加えると、
2割を超えるか。サービス業の枠組みを広げて考えると、
3割になるか、4割、5割に広がるか。
「すべての事業はサービス業にならなければならない」
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さん流に考えると、
1億人になる。
セオドア・レビットは言う。
「サービス産業といったものは存在しない。
あるのはサービスの構成比が他の産業に比べて、
大きいか小さいかということだけである。
すべての産業は、サービス産業なのだ」
ラッセル・エイコフも語っている。
「サービス経済へのシフトは、農業の時代の終焉が、
農産物の生産や消費の終了を意味しないのと同様に、
物財の生産や消費が行われなくなることを意味しない。
このシフトが進むことは、
物財の生産に必要な人員が減少することを意味している」
サービス業従事人口は、いったい、
どのくらいになるのだろう。
それほどの人々が、
仕事を抜けて選挙に行くか、
事前に不在者投票をしなければならない。
私は、それでも今回、
選挙に行こう・投票しよう
と、呼び掛けたい。
それが「この国のかたち」を変えるからだ。
8月いっぱい、私は、言い続ける。
選挙に行こう・投票しよう
選挙に行けば、政治に関心が深まる。
馬券を買わずに競馬を見ても面白くない。
株をもたねば、株式市場も興味を引くものとならない。
選挙権をもっているのに、
それを行使しなければ、
政治的ノンポリになってしまう。
商業者は黙って仕事していればいいのでは、
断じてない。
仕事をして、
選挙権によって政治を動かす。
それが仕事をよりよくする。
だからこの夏は、
選挙に行こう・投票しよう
<結城義晴>