結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年08月19日(水曜日)

衆院選「小選挙区比例代表並立制」と「自分をもつこと」

仕事や人間は、
どのように評価されるのだろうか。  

誰から、評価されるのだろうか。  

そしてその評価は、どのように報われるのだろうか。

昨日は、そんなことを考えた。

お陰様で、コーネル大学ジャパンは、
産業内大学として、第一期に大きな成果を収めた。
私は、そう思っているし、
米国コーネル大学の先生方も、そう評価してくださった。
何よりも第一期生諸君がそう考えて、
誇りをもってくれている。

だから第二期生も、続々と集まりつつある。
講師陣も、張り切っている。

仕事は顧客から、評価されるものなのだ。  

しかしこの評価というものは、顧客以外の人々には、
伝えなければ、分からない。

伝わらなければ、正しく評価はされない。

ときに、評価する基準を、
自分の中に持たない人がいる。

それが困る。

「自分がないひと」。  

私は、コーネル・ジャパンで、
自分を持てと、教育し続けた。

それが人間として、リーダーとして、
不可欠の条件だからだ。

荒井伸也首席講師も、最後に、
「自分で考えよ」と講義してくださった。

「自分」があるから、
「自分」を変えることができる。

自分がないものは、
自分を変えようがない。

いつも、他人に支配されているから、
「自ら変われ」ができない。

本当に怖いのは、
「自分」がないことである。  

さて昨日、
公示された衆議院議員総選挙。  

小選挙区比例代表並立制。  
小選挙区制と比例代表制が並行して実施される。
小選挙区と比例代表区、それぞれに議員が立候補し、
選出される。
日本の衆議院では重複立候補制によって、
双方が一部連動している。

有権者は、従って、2票をもっていて、
小選挙区では個人に、比例代表区では政党に投票する。

今回、300の小選挙区の300人と、
11の比例代表区の180人を選ぶ。  

衆議院議員は480人である。
この480人が一般に「代議士」と呼ばれるし、呼ばれた。
これは旧大日本帝国憲法下の名残。
参議院議員は「代議士」とは言わない。
国会議員ではあるけれど。

戦前は、衆議院と貴族院とで国会が成り立っていた。
衆議院議員は国民の選挙によって選出された。
だから民選議員。
貴族院議員は、華族、学識経験者など非民選議員。
そこで、民選議員の衆議院議員を「代議士」と呼んだ。
現在は、貴族院が参議院と変わり、議員は選挙で民選される。

さて、私の選挙区の顔ぶれを見ても、
小選挙区では、
自民党と民主党、そして幸福実現党からの立候補。

全国300小選挙区を見ても、
与党の自民党・公明党の両党と、
野党の民主党・社民党・国民新党・新党日本の共闘態勢との対立構図。

これを「政権選択型」という。
300小選挙区のうち、280が、この対立構造。
全体の9割を超える。

さらに自民党・民主党2党だけの「一騎打ち」が、
122小選挙区となる。

従って、衆議院総選挙全体を見ると、
実に面白い選挙戦となるが、
自分の投票する選挙区は、
はっきり言って、つまらない。
拍子抜けするほど、つまらない。

「面白い、つまらない」
この次元で語ってはいけないのかもしれないが、
私の選挙区は、つまらない。

私たちの小選挙区の「代議士」となるべき人物の個人的魅力が、
私たちに伝わらないからなのかもしれないが、
つまらない。

だから、きちんとマニフェストを読み切ったうえで、
選挙全体を楽しむことにしなければ、
面白くはならない。

そんな第45回総選挙である。

しかし、それが、国政を変える。
だから今月の商人舎標語。
「選挙に行こう・投票しよう」  
楽しみつつ、国政に参画したい。

この場合も、「自分」を確立して、
立候補者を評価すること。

「自分」がない者は、他者を評価しにくい。
投票することは、「自己の確立」につながる。
投票したからこそ、以後、
自分らしく生きることができる。

さて、昨日は、
浅野秀二先生が商人舎を訪ねてくださった。  
ご存じ、商人舎USA研修会の現地コーディネーター。
サンフランシスコ在住の島根県人の浅野先生だが、
現在、帰国中。

鈴木敏さんと吉野光一さんとともに「しゃしん忘るべからず」。
鈴木さんは㈱トッパントラベル部長にして商人舎ディレクター。
吉野さんは㈱ジェイ・エイ・シー・エンタープライズ東京営業部長。

今秋は、9月30日から10月12日まで、
ご一緒する。
第一陣は、アリゾナとテキサス。
第二陣は、テキサスとニューヨーク。
第一陣は、業態開発と小型店開発を中心とした特別セミナー。
第二陣は、競争の本質と商業の現代化を追求する定番セミナー。  

今回は、どちらもプライベートブランドの現状と近未来を、
強調して解説するつもり。
特別講師の元HEB副社長メリッサ・フレミングさんにも、
プライベートブランドの現状や開発手法を中心に、
米国の競争を解説してもらう。

新しいフォーマットの開発においても、
競争対策においても、
アメリカでは日本以上に、
プライベートブランドが鍵を握っている。

ACニールセンの調査だが、
このアメリカの食品におけるプライベートブランド比率は、
全体の19%。

世界のプライベートブランド構成比の平均は20%で、
驚くべきことにアメリカは世界平均より、低い。

ちなみに日本は4%。

日本のプライベートブランドも、
どの方向に進むのか。
それを見極める2009年秋の商人舎USA研修会となる。

浅野先生とは、そんなアメリカ研修会の打ち合わせ。

もうひとつ、浅野先生が、8月下旬に、
富士登山に挑むという。

即席の先輩として、ちょっとだけレクチャー。
楽しいひと時。

「自分」を持った人。
互いに評価しあう人との時間は、
充実しているし、楽しい。

選挙も、楽しめるところまで、
「自分」を高めねばならない。

<結城義晴>  

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