結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年08月28日(金曜日)

日本セルフ・サービス協会臨時総会で語られた決意表明

朝刊全紙が二つの記事を取り上げた。

第一は、7月の全国消費者物価指数の下落。  
前年同月比で、2.2%マイナス。
1971年の統計以来最大の下落率。  
しかし2005年を100とした指標は100.1で、
そんなに悲観することはない。

8月もこの傾向は続く。

東京都区部の中旬の消費者物価指数速報値が出ていて、
これは、99.7で、1.9%下落。
下落率は1971年以降で最大。

7月の傾向が8月も続いている。

日経新聞は、さらに調査していて、
全国の総合スーパーと食品スーパーマーケット店頭価格は、
主要60品目の食品・日用品の値下がりが顕著。

「食用油、ミネラルウオーター、ティッシュなど6割弱の34品目が下落」。
「節約志向を背景に価格競争が進んでいる」と総括している。

これは明らかに、
コモディティの低価格化を意味している。  

だから「節約、倹約。もったいない」と、
「最良のベーシック」こそが、
競争対策となる。

もちろんノンコモディティによる利益確保が背景になければ、
この時期を乗り越えるのが難しい。

第二のニュースは、総務省発表の7月の完全失業率。  
5.7%で、6月比較で0.3ポイントの悪化。
これも、2003年4月の5.5%以来、過去最悪の更新。  

そして第一と第二のニュースは、深く関連している。
雇用不安定が消費低迷を呼び込み、
それがコモディティの購買に傾く。

7月、8月とこの傾向は強まった。

大阪では、中小企業の半分くらいから、
夏のボーナスがゼロという声が上がった。

すべては日常の消費に向けられる。
「節約、倹約。もったいない」と
「最良のベーシック」  

政治にも行政にも、この問題解決の意識は不可欠。

さて、昨日は、午後1時から東京・ホテルオークラで、
日本セルフ・サービス協会の平成21年臨時総会。  
総会1
特別の意味を持つ臨時総会。

8月3日付で、二つの社団法人が合併した。
1958年発足の日本セルフ・サービス協会と
1983年設立の全国スーパーマーケット協会。

新協会の名称は、「社団法人日本セルフ・サービス協会」
その「新生セル協」の最初の総会。

大きな注目を集めた。
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4つの議案が審議され、すべて問題なく、承認された。
第一号議案の「理事・監事選任の件」では、
定款通り36人の理事、2人の幹事が候補者として推薦され、
全員が選任された。

総会後の理事会では、会長・副会長、専務理事、常任理事が決定し、
さらに名誉会長、顧問が選任された。

会長は、横山清㈱アークス社長。
副会長は、増井徳太郎㈱紀ノ国屋取締役相談役。
専務理事は、三浦正樹旧日本セルフ・サービス協会専務理事。
そして名誉会長は、清水信次㈱ライフコーポレーション会長。  

清水さんは、日本スーパーマーケット協会名誉会長でもあり、
日本の食品スーパーマーケット産業全体のリーダーであることは、
衆目の一致するところ。

常任理事は、9人。
青木巌㈱あおき会長、
石田茂之ハローフーズ㈱会長、
遠藤須美夫㈱ベルプラス社長、
太田順康北辰商事㈱副社長、
千野和利㈱阪食社長、
中村洋子㈱スズキヤ社長、
三科雅嗣㈱いちやまマート社長、
村山紘一㈱九電工相談役。  

協会顧問は、歴代会長のお二人。
石戸孝行㈱京北スーパー相談役、
行光博志㈱いかりスーパーマーケット社長。  

私は、本当に皆さんと親しくさせていただいている。
よろしく、お願いしたい。

総会、理事会のあと、午後4時から記者会見。
会見前に、会長・副会長・名誉会長揃い踏み。
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壇上の揃い踏みを囲む記者団。
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そして会見。
横山さんの発言は、いつもの当意即妙。
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しかし、とても大事なことを語った。
「スーと出て、パーと消えるといわれたスーパーマーケット。
そのスーパーマーケットに戸籍をつくりたい」  

これは、日本標準産業分類のなかに、
「食品スーパーマーケット」が位置付られていないことを意味する。
コンビニエンスストアやドラッグストア、ホームセンターが、
その名称とともに「細分類」のなかにポジションを持っているのに、
「スーパーマーケット」はそれがない。
17兆円の市場規模をもつ最大の業態が、
正当に評価されていないのだ。

横山さんは、今回の協会の統合を機に、
それをやろうという意思を表明したことになる。

増井副会長も、力の入った話をした。
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「働く意欲、社会から認められる力、自己実現など、
働く人にとって目標になる仕事をしていけば、
どんな国策、どんな地方活性化策よりも、
日本セルフ・サービス協会の役割は力になる」  

私の持論「商業の現代化」そのものである。

4時半からは、懇親会。
横山新会長の挨拶。
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「何かが起こる。
何かを起こす。
日本国民の生活のために」  

力強い決意表明だった。

そして、冒頭の挨拶の最後に、
異例の万歳三唱。
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全員揃って、万歳三唱。
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お祝いの言葉は、経済産業省瀬戸比呂士審議官。
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「日本の経済発展のカギを握るのは、
流通であり、食品スーパーです。
その食品スーパーは、日々、
現場で小さなイノベーションをつくりだしている。
食品スーパーに日本経済をリードしてほしい」  

私がいつも言っていることと同じ。

良い発言です。

そのあと、会長・副会長・名誉会長の写真。
報道陣が集まった。
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後ろでは、靴を脱いで、椅子に上がって写真を撮る姿も。
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報道陣の輪のなかの3人の主役の固い握手。
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そして、最後のお礼。
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乾杯の音頭は、清水名誉会長。
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「日本の運命が変わる選挙が三日後に控える中、
食品流通業の大同団結がなった。
国民にとって一番大事なライフラインが食品。
今後は、消費者団体も一緒になって、
重厚長大の経団連の向こうを張った運動を展開したい」  

清水さんでなければ出来ないこと。
ありがたい決意表明。

そして乾杯。

その後、懇親。

常任理事となった中村洋子さんと㈱成城石井の大久保恒夫社長。
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さらにコーネル大学RMPジャパン第一期生の「ジャイアン」上野裕さん。
㈱京急ストア取締役店舗運営部長。
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やがてコーネル・ジャパンの卒業生が、
この協会や業界のトップになっていくに違いない。
今回、第一期生の「級長」太田さんは、新常任理事に就任。

皆さん、国民生活向上のために、
働きましょう。

最後に、増井副会長が中締め。
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三本締めが決まった。

新しい時代が始まろうとしている。
日曜日の衆議院総選挙だけではない。
実業の世界でこそ、新時代は強く認識されねばならない。

<結城義晴>  

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