結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年08月31日(月曜日)

投票率69%、二大政党議席率89%、「複占」の中の「本当の人気」

Everybody! Good Monday!  
2009年8月が終わり、9月が始まる週。
そして歴史的衆議院総選挙明けの月曜日。

投票率69.29%。  
「選挙に行こう・投票しよう」を言い続けてきて、
小売業・サービス業に従事する人々の投票率も、
上がったに違いない。
期日前投票率も、13.40%。  
これも成果があった。

もうひとつ大事なことは、
民主党と自民党の二大政党で、
89%の議席を占めたこと。  

私は、残りの11%の存在が、極めて重要だと思う。

私はビジネスやマーケティングの世界で、
「複占」の仮説を唱えている。  

「複占」とは、
ある限定されたマーケットのなかで、
二者がほとんどのシェアを獲得する現象。  

ここで重要なのは「ほとんど」であること。
「すべて」ではないこと。

生活の面で見れば、
二者はコモディティである。
その他がノンコモディティ。
そして「その他」が個性化、多様化、高度化を形作る。

日本の政治の世界でいえば、
民主党・自民党以外の党や政治家、
そして地方自治体の政治家たち。

これらは、嫌いも好きも激しい。
支持も不支持もはっきりしている。

しかしこれら少数派の声にも、
耳を傾けなければならない。

さて民主党、300小選挙区のうち221議席をとった。
「期待を裏切らず、予想を裏切る」。
圧勝。

しかし、政権の公約としてのマニフェストを、
いかに「実行するか」こそ、大切。

「実行」するためにこそ、「政権」をとったのだから。
「政権」をとるために「公約」したのではないはず。

政治は変わったが、仕事も商売も、
すぐには変わらない。

ただ、政権交代によって、
マーケットの環境は変わる。

だから商人は、この変化に、
敏感に、丁寧に、対応しなければならない。

それが顧客のために存在することになる。

最後に、結城義晴著『メッセージ』(㈱商業界刊)から。
「一番の人気」  

あなたの店が繁盛しているとする。
売上高の半分は実力なのだろう。
しかし、あとの半分は、人気によるものだ。
人気とは、一番の者に与えられる特権である。

あなたの店が不振だとしよう。
不振の半分は、店の実力による。
しかしあとの半分は、人気がないからだ。
二番手、三番手、四番手だからである。

では一番の人気は、なぜ獲得できたのか。
そして一番の人気は、どんなときに逆転するものなのか。

何も競争がない時代。
すばやく時流をとらえた者が、まず人気を博する。
人気は実力に決定的な影響を与え、実力はどんどん向上する。
追いかける者がいくら努力しても、この実力差は詰まらない。

どんなに消費が冷え込んだときにも
どんなに営業不振のときにも
一番人気の店は密かに客の支持を伸ばしている。
二番手以下は急激に落ち込む。

ただし、追う者の強みというものもある。
紙一重の差までは、努力しだいで到達することができる。
しかし、この紙一重の差が大きい。
だから、そこから先は運にめぐまれるしかないのかもしれない。

たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、ころがり込んでくるものなのだ。

民主党の勝利は、自分で勝ち取ったものではない。
敵の過失によって、ころがりこんできたものだ。

この謙虚さが、維持されるか否か。

顧客も有権者も、
謙虚さと真摯さをこそ、
評価するものだと思う。

それが「本当の人気」をつくる。

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年08月30日(日曜日)

ジジと選挙[日曜版]

おとうさん、
どこいくの?
1

「投票」

「トーヒョー?」
2
いっちゃいました。

なんだか、
うれしそう。
3

そして、小学校へ。
6

門のとなりにあるのは。
5
おおきなカンバン。
たくさんのシャシンがはってある。
4

日曜日なのに、
学校の体育館のとびらが、
あけられています。
7

おとうさん、
そこに、はいっていった。
14

「投票所」

そして、トーヒョーしてきました。
8

5回、紙をもらって、
3回は、人のなまえを、かいた。
1回は、政党のなまえ。
1回は、×をつける。
9
そして、でてきました。

おもしろそう。

ボクには、
できないけれど。
10

まだまだ、
つぎからつぎに、
トーヒョーする人が、
やってきます。
11

今日は、だいじな日。
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ボクにも、
それはわかります。

なにかが、
かわるような。
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そんな日であることは、
わかります。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年08月29日(土曜日)

ダイソー矢野博丈社長の消費税アップ反対とAJS商品展示会

いよいよ、明日に迫ってきました。
第45回衆議院総選挙。
今月、言い続けてきた。
「選挙に行こう・投票しよう」  

朝日新聞社会面、「私のマニフェスト」というコラム。

商人舎ファミリー矢野博丈さんがでている。  
ダイソーを展開する㈱大創産業社長。
「私は、ただひたすらに100円均一で物を売ってきただけですから、
正直、そんな政治には興味がありませんが、
100円ショップですから、消費税には関心があります」  

ダイソーは全国に2500店、国外に500店、
年商3500億円。  

「自民、民主、いずれも消費税への対応がはっきりしていません。
でもどちらの本音も消費税のアップだろうと思っています」

「私は絶対反対です。
増税する前に、もっと税金を大切に使うことを
考えてくれないとねえ」

矢野さんの、物言い、実に率直。
「10%で110円になったら、
さすがに100円ショップでは、
なくなってしまうでしょ」  

一方、私が住む横浜では、市長選挙も同時に行われる。
そしてあのダイエー会長だった林文子さんが民主党推薦で立候補。
中西健治さんは元JPモルガン商圏副社長で、無所属。
岡田政彦さんは、共産党公認。

はからずも、実務家候補が二人で、
林さんは、旧知の人だが、
市長としての力量をみきわめ、予測して選ぶつもり。

総選挙の陰で、新型インフルエンザ報道も喧しい。
28日に厚生労働省が、今後の患者数推計を発表したから。

「万端怠りない準備」は重要だ。
しかし、「不安の扇動」はいけない。

さて昨日は、
週刊『エコノミスト』からの取材。  
編集部の金山隆一さんと岡下貴寛さんが横浜の商人舎を訪れてくれた。
エコノミスト
「ニッポン業界大再編」という特集のインタビュー。
流通業に関する私の見解を、語った。
金山さんは、さすがに第一線記者だけあって、
ジャーナリストとしてのマナーはきちんとしているし、
問題意識や突っ込みも正しい。
私、気持ちよく、話した。
9月15日号をお楽しみに。

その後、みなとみらいのパシフィコ・ヨコハマへ。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の秋期商品・用度合同展示会へ。
1

「地域一番点を目指す」  
スローガンが掲げられている。
2

そして会場に入るとすぐに、
「生活良好全557品」の展示場。
3

冷蔵ケースに、ズラリ並んだプライべートブランド。
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一押しの新製品は「ヌードル」2品。
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しょうゆ味とシーフード。
日清食品の「カップヌードル」の対抗商品。
「カップヌードル」と呼んではいけません。

そして第3のビール。
サントリーとの共同企画。
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「トップバリュ」「セブンプレミアム」と同じコンセプト。

資料展示のコーナーには、
加盟企業のプライベートブランド販売ランキング。
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こちらは、部門別構成比ランキング。
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モリー、コノミヤは、一般食品で、
17%を超える販売シェア。
完全に、競争対策商品にしている。

重要な販売計画や販売方法の提案。
9
プライべートブランドは、商品開発が終われば、
それでいいわけではない。
ブランドとして確立させねばならない。
そのためには、
「いかに顧客にアピールするか」「いかに売るか」が大切。
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協会展示コーナーには、「環境対策」への取り組みもある。
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そして「知恵の共同仕入れ」を標榜するAJSならではのコーナー。
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「教育活動」のブース。

私の興味を引いたのは、「店舗トータルシステム」。
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「関西スーパー方式」と称賛されたシステムは、
水谷久三最高顧問がつくったもの。
私は、昭和52年からそれを必死で学んだ。

その現代版のプレゼンテーションがなされていた。
現在のスーパーマーケットのおいても、
最重要テーマの一つ。

AJS専務理事の松本光雄さんが、ずっと私について、
解説してくださった。

そしてメーカー、問屋、関連企業の展示ブースへ。
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380社、460小間を超える大展示。
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もちろんプライベートな展示会だから、
スーパーマーケットトレードショーのような巨大さはない。

しかし、ボランタリーチェーンと取引先が、
これほどに協力態勢を敷いていることは、
特筆される事象ではある。

そこでお会いした人々。
まず、㈱丸大食品会長の小森嘉之さん。
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松山のセブンスターからはグル―プで参加。
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田中文夫さんは、商人舎ファミリー。
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そして、POP指導コンサルタントの第1人者・中山政男先生。
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本当に久しぶりにお会いした。

松本専務理事は、ずっと私にお付き合いくださって、
心から感謝。
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「商品を制する者、市場を制す」  
これもまた真理。

9月が、やってこようとしている。

<結城義晴>  

2009年08月28日(金曜日)

日本セルフ・サービス協会臨時総会で語られた決意表明

朝刊全紙が二つの記事を取り上げた。

第一は、7月の全国消費者物価指数の下落。  
前年同月比で、2.2%マイナス。
1971年の統計以来最大の下落率。  
しかし2005年を100とした指標は100.1で、
そんなに悲観することはない。

8月もこの傾向は続く。

東京都区部の中旬の消費者物価指数速報値が出ていて、
これは、99.7で、1.9%下落。
下落率は1971年以降で最大。

7月の傾向が8月も続いている。

日経新聞は、さらに調査していて、
全国の総合スーパーと食品スーパーマーケット店頭価格は、
主要60品目の食品・日用品の値下がりが顕著。

「食用油、ミネラルウオーター、ティッシュなど6割弱の34品目が下落」。
「節約志向を背景に価格競争が進んでいる」と総括している。

これは明らかに、
コモディティの低価格化を意味している。  

だから「節約、倹約。もったいない」と、
「最良のベーシック」こそが、
競争対策となる。

もちろんノンコモディティによる利益確保が背景になければ、
この時期を乗り越えるのが難しい。

第二のニュースは、総務省発表の7月の完全失業率。  
5.7%で、6月比較で0.3ポイントの悪化。
これも、2003年4月の5.5%以来、過去最悪の更新。  

そして第一と第二のニュースは、深く関連している。
雇用不安定が消費低迷を呼び込み、
それがコモディティの購買に傾く。

7月、8月とこの傾向は強まった。

大阪では、中小企業の半分くらいから、
夏のボーナスがゼロという声が上がった。

すべては日常の消費に向けられる。
「節約、倹約。もったいない」と
「最良のベーシック」  

政治にも行政にも、この問題解決の意識は不可欠。

さて、昨日は、午後1時から東京・ホテルオークラで、
日本セルフ・サービス協会の平成21年臨時総会。  
総会1
特別の意味を持つ臨時総会。

8月3日付で、二つの社団法人が合併した。
1958年発足の日本セルフ・サービス協会と
1983年設立の全国スーパーマーケット協会。

新協会の名称は、「社団法人日本セルフ・サービス協会」
その「新生セル協」の最初の総会。

大きな注目を集めた。
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4つの議案が審議され、すべて問題なく、承認された。
第一号議案の「理事・監事選任の件」では、
定款通り36人の理事、2人の幹事が候補者として推薦され、
全員が選任された。

総会後の理事会では、会長・副会長、専務理事、常任理事が決定し、
さらに名誉会長、顧問が選任された。

会長は、横山清㈱アークス社長。
副会長は、増井徳太郎㈱紀ノ国屋取締役相談役。
専務理事は、三浦正樹旧日本セルフ・サービス協会専務理事。
そして名誉会長は、清水信次㈱ライフコーポレーション会長。  

清水さんは、日本スーパーマーケット協会名誉会長でもあり、
日本の食品スーパーマーケット産業全体のリーダーであることは、
衆目の一致するところ。

常任理事は、9人。
青木巌㈱あおき会長、
石田茂之ハローフーズ㈱会長、
遠藤須美夫㈱ベルプラス社長、
太田順康北辰商事㈱副社長、
千野和利㈱阪食社長、
中村洋子㈱スズキヤ社長、
三科雅嗣㈱いちやまマート社長、
村山紘一㈱九電工相談役。  

協会顧問は、歴代会長のお二人。
石戸孝行㈱京北スーパー相談役、
行光博志㈱いかりスーパーマーケット社長。  

私は、本当に皆さんと親しくさせていただいている。
よろしく、お願いしたい。

総会、理事会のあと、午後4時から記者会見。
会見前に、会長・副会長・名誉会長揃い踏み。
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壇上の揃い踏みを囲む記者団。
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そして会見。
横山さんの発言は、いつもの当意即妙。
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しかし、とても大事なことを語った。
「スーと出て、パーと消えるといわれたスーパーマーケット。
そのスーパーマーケットに戸籍をつくりたい」  

これは、日本標準産業分類のなかに、
「食品スーパーマーケット」が位置付られていないことを意味する。
コンビニエンスストアやドラッグストア、ホームセンターが、
その名称とともに「細分類」のなかにポジションを持っているのに、
「スーパーマーケット」はそれがない。
17兆円の市場規模をもつ最大の業態が、
正当に評価されていないのだ。

横山さんは、今回の協会の統合を機に、
それをやろうという意思を表明したことになる。

増井副会長も、力の入った話をした。
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「働く意欲、社会から認められる力、自己実現など、
働く人にとって目標になる仕事をしていけば、
どんな国策、どんな地方活性化策よりも、
日本セルフ・サービス協会の役割は力になる」  

私の持論「商業の現代化」そのものである。

4時半からは、懇親会。
横山新会長の挨拶。
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「何かが起こる。
何かを起こす。
日本国民の生活のために」  

力強い決意表明だった。

そして、冒頭の挨拶の最後に、
異例の万歳三唱。
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全員揃って、万歳三唱。
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お祝いの言葉は、経済産業省瀬戸比呂士審議官。
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「日本の経済発展のカギを握るのは、
流通であり、食品スーパーです。
その食品スーパーは、日々、
現場で小さなイノベーションをつくりだしている。
食品スーパーに日本経済をリードしてほしい」  

私がいつも言っていることと同じ。

良い発言です。

そのあと、会長・副会長・名誉会長の写真。
報道陣が集まった。
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後ろでは、靴を脱いで、椅子に上がって写真を撮る姿も。
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報道陣の輪のなかの3人の主役の固い握手。
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そして、最後のお礼。
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乾杯の音頭は、清水名誉会長。
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「日本の運命が変わる選挙が三日後に控える中、
食品流通業の大同団結がなった。
国民にとって一番大事なライフラインが食品。
今後は、消費者団体も一緒になって、
重厚長大の経団連の向こうを張った運動を展開したい」  

清水さんでなければ出来ないこと。
ありがたい決意表明。

そして乾杯。

その後、懇親。

常任理事となった中村洋子さんと㈱成城石井の大久保恒夫社長。
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さらにコーネル大学RMPジャパン第一期生の「ジャイアン」上野裕さん。
㈱京急ストア取締役店舗運営部長。
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やがてコーネル・ジャパンの卒業生が、
この協会や業界のトップになっていくに違いない。
今回、第一期生の「級長」太田さんは、新常任理事に就任。

皆さん、国民生活向上のために、
働きましょう。

最後に、増井副会長が中締め。
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三本締めが決まった。

新しい時代が始まろうとしている。
日曜日の衆議院総選挙だけではない。
実業の世界でこそ、新時代は強く認識されねばならない。

<結城義晴>  

2009年08月27日(木曜日)

マニュフェストは「お約束」、約束は守られねばならない。

「民主、320議席獲得も」  
朝日新聞一面トップ記事の見出し。
300から20増えた。

「政権交代」を主張し、先導するかのごとき、この新聞。
いま、有頂天。

民主党幹部は、楽勝ムードの蔓延に警戒感を高める。

マニュフェストは、「約束」。
約束においては、
どんな約束かも重要だが、
守ることが、何よりも大切。

選挙戦終盤、それが問われ始めている。

たとえ落選しても、
たとえ政権が交代しても、
「約束」を守る。

それが人間のあり方だ。

人間のあり方を貫く人や集団に、信頼が集まる。

だから、できない約束をすることが一番、
人間の信頼を損ねる。

しかし、人間は、出来そうもない約束まで、
してしまうことがある。

そこで、どうするか。

きっと、こんな時にこそ、
その人間の真価が問われるのだと思う。

ただし「君子」は、できない約束は、しない。
「君子、危うきに近寄らず」という。

会社やお店は、
できない約束を、
お客様や世間としてはならない。

その意味で、会社は「君子」でなけらばならない。
これが、絶対の原則である。

一方、日本経済新聞の一面トップ記事は、
「三越、正社員2割削減へ」  
会社と社員との「約束」。
これも守られねばならない。

さらにいえば、新しい局面においては、
話し合いのうえで、互いに納得した「約束」が、
交わされねばならない。

さて、昨日は朝から、東京・池袋の立教大学キャンパス。
1
夏休みは、空いていて、いい気分。

キャンパスでは、学生のサークルが、
まさにサークルになって、朝の元気な挨拶をしていた。
2

銀杏の葉も、ちょっとだけ色を変えつつある。
少しずつ色づいていく。
秋がそこまでやってきている。
3

大学院独立研究科の事務所で仕事を済ませて、
蔦の絡まる3号館へ。
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私の研究室がある。

夏休みだけに、研究室にやった来ているのは、私だけ。
「結城義晴」のところにランプをつける。
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落ち着く。
猛烈に勉強したくなる。

しかし時間は限られている。
日暮里へ。
そして夕方まで、
㈱ダイナムホールディングスの会議。

夕方、急ぎ、横浜の商人舎オフィスに戻って、
松本光雄さんと面談。  
オール日本スーパーマーケット協会の新任の専務理事。
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わざわざ、ご挨拶に見えた。
ご苦労様です。

松本さんは、
前㈱松坂屋ストア代表取締役社長。  

会社の立て直しに尽力され、
松坂屋ストアは、
基本のしっかりしたスーパーマーケットになった。

ちょうどその時、百貨店の大丸と松坂屋が統合され、
松坂屋ストアも大丸ピーコックの傘下に入った。

私は、松本さんに言った。
「水は高きから低きに流れる」  
これは経営技術のこと。

松坂屋ストアの幹部・社員にはメッセージを贈った。
「商人には本籍地と現住所がある。
本籍地を大切にする商人が、
現住所でも幸せに仕事できる」  

その松本さんが、今度は、
みんなのお役にたつ仕事に就かれた。
協会の専務理事の仕事。

オール日本スーパーマーケット協会は、
関西スーパーの北野祐次さん、
サミットの荒井伸也さんという傑出したリーダーのもと、
安田さん、油座栄さんという優れた専務理事がサポートして、
独特の「知恵の共同仕入れ」という概念を貫いてきた。

松本さんは、実にそれをよく理解されている。
「黒子に徹します」  
松本さんの言葉。素晴らしい。
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キチンとしたスーパーマーケット企業の社長経験者の専務理事。
この時期、とてもいいことだ。

日本スーパーマーケット協会の大塚明新専務理事に、
今回のオール日本スーパーマーケット協会の松本新専務理事。
そしてもうベテランの日本セルフ・サービス協会の三浦正樹専務理事。

陣容が整ってきた。

「スーパーマーケット応援団長」を自任する私としても、
本当に心強い限りだ。

<結城義晴>  

2009年08月26日(水曜日)

エスカレーターを歩けば、あなたもタイムマシンに乗れる

皆さんは、駅や建物のエスカレーター、
利用しますか?

私は、ほとんどの場合、
利用します。

そして、必ず、
エスカレーターの階段を、
歩きます。  

関東では、右側。
関西では、左側。

そしてできる限り、
スピードを上げて、登ります。

この写真の女性のように。

なぜか?

先日富士登山をご一緒させていただいた平富郎さん。
70歳にして、階段を二段跳びで歩くことで、
脚力を鍛えたといいます。

だから、階段を上るのは、良いことです。

しかし私は、エスカレーターで、歩く。

なぜか?

私は、エスカレーターは、
「タイムマシン」だと考えているからです。

エスカレーターがタイムマシンというのではなく、
エスカレーターを歩くことが、
タイムマシンの機能を果たす。

私たちには三つの選択肢があります。

①階段を歩く
②エスカレーターに乗って立っている
③エスカレーターで歩く  

どれも、上階に上がる、あるいは下がるという目的は一緒です。

しかし、③の方法で、
しかも階段と同じスピードで歩けば、
時間が短くなる。

それは、まるでタイムマシンに乗って、
未来に行くような気分を、
私に与えてくれます。  

だから必ず、私はエスカレーターで歩く。
急いでいなくても、エスカレーターで歩く。
混んでいても、空いていても、
エスカレーターで歩く。  

さて、日本チェーンストア協会から、
7月の売上高が発表されました。  

既存店ベースの前年対比売上高は、
マイナス4.8%。  

7月単月でみると、1999年以来の低水準。
10年ぶりの悪い傾向。

前年割れは、8カ月連続。

衣料品がマイナス13.7%、
住関連品がマイナス5.1%。
食品もマイナス2.3%。
サービスが、わずかにマイナス0.1%

現在の消費全体のトレンドをよく表現しています。

日本DIY協会発表の既存店売上前年比も、
マイナス8.8%。  

こちらは、電機カテゴリーがマイナス13.9%、
レジャー用品がマイナス14.5%。
全カテゴリーがマイナス。  

6月7月と消費の低迷は、とどまるところを知りません。

だからこそ、
「節約、倹約。もったいない」  
この顧客の気分に同期できなくてはいけない。

「最良のベーシック」に徹しなければいけない。  

安かろう悪かろうではありません。

いま、必要なことは、
お客さまの信頼を得ること。
お客様から頼りにされること。 

そのためにも、
あなたも、
タイムマシンに乗ってみませんか?  

ささやかなことだけれど。

<結城義晴>  

2009年08月25日(火曜日)

荒井伸也さんと対談し大久保恒夫さんと熱談した幸せな日

昨夜は大変でした。
紙の媒体と違って、インターネットは、
とても便利である反面、
おおもとのシステムが故障したり壊れたりすると、
いっぺんに全体がストップしてしまいます。
だから二重三重の防御態勢を敷いておかねばなりません。

商人舎のホームページもすぐに復旧しましたが、
まだまだ復旧途中です。
ご不便をおかけします。

さて、昨日は、午後から、
東京・新宿のローズガーデンホテル。

商人舎と商人ねっとの共同企画。
CDオーディオセミナー「知識商人登場」の収録。
1
これほど「知識商人」の言葉がふさわしい人はいない。
荒井伸也さん。  
ペンネームは、安土敏さん。
(もうおひとりあげるとしたら、故上野光平先生だろうか)

ご存知、サミット㈱の元社長・会長にして、
この会社の中興の祖。

住友商事からの出向社員時代から、
会社を立て直し、エクセレントカンパニーに育て上げた。

すごいのは、その荒井さんがサミットを去ってからも、
サミットは荒井イズムを貫いて、
エクセレントカンパニーの評価を続けていること。

現在の社長・田尻一さんももちろん荒井門下生。
田尻さんは、荒井イズムを進化させつつある。

このシリーズは12回終了して、
丸1年。

2年目に突入して、さらにパワーアップを願って、
ご登場いただいた。

テーマは、
「スーパーマーケットの社会的機能」  

2時過ぎに始まって、90分。
休憩も取らず、一気に語りきってくださった。

今回の「知識商人登場」は、これまで以上に、
聴きものです。

何事にも、ハタラキとカタチがある。
スーパーマーケットというビジネスにもハタラキがあって、
だからカタチがある。

そのハタラキから、ビジネスを組み立て、
見直し、検証していけば、
カタチもはっきりしてくる。

そしてこのハタラキとカタチがしっかりしたビジネスは、
社会的機能が明確だから、
成長を続けることができる。
スーパーマーケットの社会的機能は、
内食材料提供業である。  

荒井さんの話は、いつも筋が通っている。
2

日本人は、古くは中国から知識の体系として様々なことを学んだ。
明治維新以後は、欧米から学んだ。

だから知識を体系として取り入れ、
それをそっくり模倣することにたけている。

しかし、本来のハタラキからものを考えてみなければ、
日本の実情に合わないことが多い。

スーパーマーケットもその一つだった。

だから荒井さんはそれをした。

「知識商人」が「知識の体系」を否定するところが、
私にはとても面白かった。

全面否定ではない。
知識の体系といわれ、そう思い込まれているものをも、
疑ってかかれ、ということなのだ。

荒井さんは、小説家としても、評論家としても、
一流となった。

それはなぜか。

「いつも崖っぷちにいたから」
「良き誤解者に恵まれたから」  

それが、荒井伸也であるとともに、
安土敏であるこの人をつくった。

私は、㈱商業界入社直後にお会いして、
一度で意気投合。
それ以来の32年のお付き合い。

「小説・スーパーマーケット」の初出「他人の城」の、
覆面作家と編集者としての関係、
サミットという企業の経営者と取材者としての関係、
人生の師匠と弟子としての関係、
最近ではゴルフの好敵手としての関係、
さらにコーネル大学ジャパンの副学長と首席講師としての関係。

これほど、私の人生に影響を与えた人はいない。
私が、商業ジャ-ナリストを続けてきたのは、
荒井さんが、「この世界に骨をうずめよう」との固い意志を持っていたからだ。

だから商人舎発足の会では、主催者代表としてご挨拶を頂いた。

そんな荒井さんとの対談。
心から、私は楽しんだ。
3

最後に荒井さんが言った言葉。
「商売十訓は、素晴らしい」。
「損得より先に善悪を考えよう」こそ、
最も大切な考え方です。  

私は、本当にうれしかった。
荒井さんのスーパーマーケットに対する愛に溢れた対談だった。

心から感謝。

その後、急いで、品川へ。
㈱フランチャイズアドバンテージへ。
代表取締役社長の田嶋雅美さんはじめ幹部の皆さんと面談。

㈱成城石井社長の大久保恒夫さんのお引き合わせ。  

この会社は「作業システムの改善」をコンサルティングテーマとしている。

私は、この切り口は、極めて重要だと考えている。

成城石井におけるオペレーション改革の実態を、
プレゼンテーションしていただいて、大いに感心。

その後、銀座で食事。

NHK製作局の末次徹さんが加わって、
銀座ブルガリの最上階のイタリアンレストラン。
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大久保さんの行きつけのお店。

楽しいひと時。

大久保さんが、NHKの「プロフェッショナル」に出る。
10月下旬のこと。

末次さんはその取材。

私と田嶋さんは、取材のお手伝い。

おいしいシャンパン、おいしいワインが、
おいしい料理と相まって、
全員が饒舌。

楽しい夜だった。

大久保さんも、小売業の仕事を心から愛している。

私は、それが嬉しかった。

大久保さんは、コーネル・ジャパン第一期生。
だから「コーネリアン」と呼ばれる。

その大久保さんに、第二期の講師をお願いした。
もちろん快諾。
二講座を担当してくださる。

今日は、商業を愛する「知識商人」お二人と、
時間を楽しんだ。

「知識商人」が商業の現代化を成し遂げる。
私はますます、意を強くした。  

<結城義晴>

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