10月1日です。
日本では秋の気配濃厚なこの時期。
ここアリゾナ州フェニックスは、
35度の真夏並みの暑さ。
体調不良のまま、アメリカン・エアーラインに乗り込み、
11時間でダラス。
さらに2時間半でフェニックス。
すぐにウォルマート・スーパーセンターに行ったら、
大変なことが起こっていた。
「プロジェクト・インパクト」の
全面展開が急ピッチなのだ。
ウォルマートが、この春から始めたイノベーション。
売り場も店も、
ピリピリして、
大改革にまい進中。
2006年3月22日、
テキサス州ダラスのプラノ店で始めたイノベーション。
それをレギュラー店舗全てに適用させる改革。
プラノは高級住宅地。
そこで展開した売り場イノベーションを、
全体化しようという試み。
しかしこれは全体の高級化ではない。
基準の高度化である。
アップグレードではなく、
アップスケール。
3年前、私はプラノ店のレジの後ろのベンチに座りこんで、
立ち上がれなかった。
ウォルマートの勇気の凄さを見せ付けられたからだった。
それを今、全面展開しはじめた。
詳細は、逐次、報告のつもり。
自己否定し、自己革新する世界最大の小売企業。
それを私達はリアルタイムで目のあたりにしている。
私は、いまこそ歴史的瞬間そのものだと、感じる。
さて10月の商人舎標語。
ウォルマート創業者サム・ウォルトンの基本中の基本の考え方。
「小さく考える」
これには六つのステップがある。
1.1度に1店ごとに検討せよ⇒ひとつずつ考えよ
<Think one store at a time!>
2.意思疎通せよ!意思疎通せよ!意思疎通せよ!
<Communicate!Communicate! Communicate!>
3.地に耳をつけよ⇒神は現場にあり
<Keep your ear to the ground!>
4.現場に責任を、そして権限を与えよ
<Push responsibility-and authority-down!>
5.アイデアを沸き立たせよ
<Force ideas to bubble up!>
6.組織の贅肉を落とせ、悪しき官僚化と闘え
<Stay lean! Fight bureaucracy!>
ローカルチェーン・ユークロップスのトライ&エラーの心得。
これは三つ。
1.小さく始める
2.ゆっくりと進める
3.常に改善する
そして結城義晴は、
『小さく、狭く、濃く、深く』
ウォルマートのプロジェクトインパクトも、
日本の商業・サービス業も、
10月には「小さく考える」に徹することになる。
これを貫徹できる者にしか、成果は与えられないに違いない。
Retail is Detailであることは、まちがいないのだから。
<結城義晴>