現地時間10月1日は、
衝撃的な一日だった。
商人舎第4回USA視察研修会。
アリゾナ州フェニックスの一日。
これまでも商人舎研修会は、
お陰様でずっと成果を上げ続けてきた。
しかし、この日は、取材という面でも、
これまでにない収穫の大きさだった。
トレーダー・ジョーズとホールフーズは、
十二分に満足のいくインタビューができた。
(こちらは改めて掲載の予定)
しかしウォルマートの実験店に、次々に出くわしたのは、
これは、天からの恵みとしか言いようがない。
まず、スーパーメルカド・デ・ウォルマート。
アリゾナ州テキサス州は、メキシコ系アメリカ人が3割は生活している。
その人たちをターゲットに絞ったフォーマット。
これが、素晴らしい。
ターゲット顧客を鮮明にすると、
店は実によくなる。
その典型的な事例。
1200坪の食品スーパーマーケット。
これは、もしかしたらネイバーフッド・マーケットよりも良い。
そして400坪のマーケット・サイド。
私はこのフォーマットは、
ウォルマートが日本のセブン-イレブンの社会的機能を、
アメリカで展開しようという壮大な試みだと考えている。
だから野菜売り場にはサラダ材料しかない。
パンとサンドイッチとピザとデリ。
そしてコーヒーとワインとビール。
日本のセブン-イレブンそのものの中食狙い。
そして何より、まったくの新しい実験店。
「ハーフサイズ・スーパーセンター」
9月16日にオープンしたばかり。
全体に2500坪くらい。
フルラインのスーパーセンターだが、
売場と品揃えを半分に削減した。
第一に、カテゴリーをごっそりカットした。
第二に、SKUレベルでの絞り込みをした。
そして徹底した省力化を試みた。
さてどうなるか。
世紀の実験スタート。
私たちはその最初の日本人視察者となった。
最後に日暮れの中のネイバーフッド・マーケット。
1200坪のスーパーマーケット。
1998年から始めて今、150店。
内容が格段に良くなった。
まず生鮮食品の鮮度が高まり、回転してきた。
ファーマシーとコスメティックスがよくなった。
店舗両翼が改革され、
その結果、全体が改善された。
ウォルマートは、1945年に、
470㎡(140坪)のバラエティストアから始まった。
ベン・フランクリンのフランチャイズチェーン加盟店。
それが、1962年、
1480㎡(450坪)のディスカウントストアに転換し、
1988年、1万㎡(3000坪)の衣食住フルラインの
スーパーセンターへと飛躍を図って、
現在の小売業世界一の地位を築き上げてきた。
しかし、現在2612店舗展開されている、
そのスーパーセンターが、
このままの出店速度で成長を遂げると、
近く、全米の市場で飽和を迎えることが確実視されている。
そこで1998年、
4000㎡(1200坪)級の食品スーパーマーケット、
ネイバーフッド・マーケットの実験が始まった。
さらに10年後の2008年、
小型店のマーケット・サイドへと
ダウンサイジングが図られた。
ところが、それでも足りないと考えたウォルマート。
スーパーメルカドと
ハーフサイズ・スーパーセンターにチャレンジした。
全国のスーパーセンターでは、
「プロジェクト・インパクト」の全面展開に入っている。
今、ウォルマートは、激動している。
自ら、その激動をつくり出している。
それによって、アメリカ中の小売業・製造業が、
激動している。
<つづきます。結城義晴>