アメリカ合衆国テキサス州ダラス。
ウォルマートの「プロジェクト・インパクト」は、
このダラスのプラノ地区2086店から始まった。
2006年3月22日のことだった。
「アクション・アレー」
ウォルマートの店内主通路で展開されるあの島陳列。
これを全面撤去した店。
2006年6月に訪れた私は、
ズラリと並んだチェックスタンドの後ろのベンチに座って、
しばらく立ち上がれなかった。
ウォルマートの勇気に感動した。
そのプラノ店の店長室を訪問。
マーカスEルーディング氏が出迎えてくれた。
左の美人は、この地区のスーパーバイザー。
そして固い握手。
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン副学長。
この名刺を受取って、マーカス氏、大切にしまい込んだ。
アシスタントマネジャーのアンナさんが、対応。
店舗スタッフを次々に紹介してくれた。
プロデュース部門マネジャーは手を休めずに、
挨拶してくれた。
ベーカリー部門マネジャーも、
スマイルで対応してくれた。
アンナさんは、ファーマシーのアシスタントマネジャーで、
三つの部門のデパートメントマネジャーを統括する。
37歳、独身、二人の子持ち。
私たちのインタビューに丁寧に答えてくれた。
スポーツ用品部門マネジャーにも、
アンナさんが声をかけると、
彼女は嬉しそうに私たちに笑顔を振りまいてくれた。
ウォルマートにはバックルームマネジャーがいる。
店頭の部門マネジャーは、
トランシーバーでバックルームマネジャーと連絡をとりつつ、
売場をつくり、売場を維持する。
バックルームマネジャーは、在庫の管理をしつつ、
後方を担当する。
その分業が、ウォルマートの基本。
バックルームで、ゾーンマネジャーと、
ツーショット。
そのアンナさんのデスク。
アシスタントマネジャーの部屋。
ウォルマート2086店には、474名のアソシエーツが働く。
ストアディレクターのルーカス氏。
コ・マネジャーが4人。
そしてアンナさんのようなアシスタントマネジャーが8人。
その下にゾーンマネジャーが5人。
18人のマネジャーで、このドラマティックな店を動かしている。
全員がフレンドリー。
そして分業のなかで、
人を育て、売り場を維持する。
そのコミュニケーション・システムを、
私たちは肌で実感し、学んだ。
本当に、充実した、2時間だった。
その後、ネイバーフッド・マーケットを訪問。
この1200坪のスーパーマーケットも、
見違えるように改革された。
そしてホテルへと向かう。
バスの中でも講義、講義。
夕方のセミナー。
結城義晴2時間コース。
ちょいとオーバーして、150分。
マーカス氏をはじめ、アンナさんたちに会っていた私は、
興奮して、最高潮。
みな、よく聞いてくれた。
夕食、そして私の部屋での懇談会。
みな、興奮していた。
たくさんの店を訪れた。
たくさんのアメリカの知識商人にあった。
だから皆、興奮していた。
アンナさんが言った言葉。
「マネジャーになった時に言われました。
80%はブレインズ(脳)を使え。
20%はハンズ(腕)を使え」
ウォルマートのマネジャーたちは、
まさしくナレッジ・マーチャントだったのだ。
<結城義晴>