結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年10月24日(土曜日)

ニラク「パンダ・プロジェクト」の小さなイノベーション

昨日の朝日新聞のコラム「経済気象台」。
管直人副総理の発言をとらえて、一言。
「私は理科系出身なので、イノベーションに理解がある」
これはおかしい。

私も、賛成。

イノベーションは科学的技術によるものとの思い込みが強い。
イノベーションはテクノロジーの世界のものとの誤解がある。

ピーター・ドラッカーは、語っている。
「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である」  

「それは、科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」  

「技術的イノベーションと同様に、
社会的イノベーションが重視される」

「イノベーションの必要性を最も強調すべきは、
技術変化が劇的でない事業においてである」  

さて、昨日は、福島県郡山へ。
㈱ニラクのストアマネジャー会議で、恒例の講演。
ニラクはパチンコホールのチェーンストア。

そのニラクで今年1月から四半期ごとに、計4回。

タイトルは、
ニラクパーソンのための
「商人魂」の檄  

第1回は「元気を出そう」
第2回は「自ら、変われ」
第3回は「店は客のためにある」  

そして最終回は「リーダーたれ」  
2
私の基本的な考え方を、
毎回、2時間ずつ丁寧に語る。

今回は、リーダーシップに関するメッセージ。

ドラッカーやデール・カーネギーの考え方を引用しつつ、
日本のチェーンストア業界にある前時代的考え方を正した。

ニラク人資部マネジャー末次秀行さんが、
上手に司会してくれた。
多謝。
1

そして4回にわたって、
熱心に聞いてくれた幹部、マネジャーのみなさんにも、
心から感謝。

私も、10カ月ほどの間、
本当に勉強になったし、成長した。

その後、「クォーター・アワード」と懇親会に参加。
四半期ごとに行われる表彰制度。
その表彰式を「クォーター・アワード」と称する。

冒頭にニラク社長の谷口久徳さんの挨拶。
3
はじめは、QSCの表彰。
モニターが全店を回り、
「クオリティ、サービス、クレンリネス」の評価をする。
そして上位3店を表彰する。
4
これは、現場の人たちが、本当に喜んでくれる。
全員の総力によって得られる賞だからだ。

次に「ザ・改善賞」の表彰。
「パンダ・プロジェクト」を推進した本間博晃さんが受賞。
5
店舗で使っているコピー用紙の使い方改善で、
全社で年間1075万円の節約ができる。
その実験と仮説と検証。
まさに商人舎今月の標語、
「小さく考える」の実践。  

私は、こういったことこそイノベーションであると思う。
イノベーションは、小さなところから起こる。
イノベーションは、現場から起こる。
「現場第一」Practice comes first!  
を貫くことによって。

本間さん、本当におめでとう。
あなたは立派な「イノベーター」だ。

その後、この4半期のクォーター4冠賞の表彰。
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そしてハイライトは、クォーター5冠賞。
7
おめでとう。
表彰式に出た人だけでなく、
お店にかかわった人たちすべてが褒められ、称えられた。
それがうれしい。

最後に、サプライズがあった。
私への感謝状。
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4回の講演に対するニラク社員・従業員からのメッセージ。
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そして谷口社長からの感謝状。

お礼の言葉は、心からの感謝のみ。
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「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

最後の最後に、トップ・幹部の皆さんと写真。
11

イノベーションの芽は、現場にある。
それに着目し、改善・改革を試み、
実行し、検証し、表彰する。

それが、良い社風をつくっていく。

イノベーションは、社風づくりにも、
大いに貢献するのだ。

<結城義晴>  

2009年10月23日(金曜日)

総合スーパー9月2.4%減だがプロ野球は日米ともに面白い!

百貨店、コンビニに続いて、
9月の総合スーパーの売上げも悪かった。  

日本チェーンストア協会の発表。

全体で、既存店前年同月比マイナス2.4%。
これは8月のマイナス3.4%と比較すると、
減少の幅は少なくなった。

しかしダウントレンドであることは、
変わらない。

日本チェーンストア協会に加盟する企業の、
食料品の実績は、マイナス1.8%。
住居関連が、マイナス1.3%。

衣料品がとりわけ悪くて、マイナスの6.8%。

しかし百貨店同様に、
サービスはプラスの0.2%。
サービス総額は36億円と少ないものの、
この分野は伸びている。

ちなみに9月の、
日本チェーンストア協会加盟社の既存店総売上高は、
1兆0080億円。

10月も、当然ながら厳しい環境にある。

日本銀行の「経済・物価情勢の展望」。  
消費者物価の上昇率を予測している。
正式にはこの30日に発表されるが、
今年2009年はマイナス1.3%、
来年2010年はマイナス1.0%。
そして再来年の2011年にも、まだ、マイナスだとの予測。
もちろん、マイナス幅は縮小されるが。

私は、2011年1月末まで、
「無呼吸泳法」をお勧めしているが、
日銀の予測では、
それが2011年末まで続きそう。

ただし、私は楽観的な見方をとる。

脅したり、すかしたりして、
激励するのは私の性に合わない。
「消費は伸びない、
競争は厳しくなる一方だ。
だから、自分の言うことを聞け」
これは悪質な宗教屋のやり口。

私はいつも、
楽観的で、積極的で、
伸びやかで、明るいのが、
好きだ。  

それが商業・サービス業に、
あっていると思っている。

日銭が入る小売業やサービス業という業(なりわい)は、
つぶれにくいし、生き残りやすい。

だから真の商人は、根本的に、
伸びやかで、明るい。  

そういう財務体質で出来上がっているビジネスだからこそ、
人々に夢と勇気を提供できるのだと思う。

日本郵政社長に斎藤次郎氏内定。
物議を醸しているが、
会社人事の善し悪しは結果で決まる。
ただし、国民は楽しくはない。

日本プロ野球のクライマックスシリーズは、
順当に、1年間で一番だったチームが制しそうだ。

米国メジャーリーグは、
ナショナル・リーグを2年連続でフィリーズが勝ち取り、
アメリカン・リーグはヤンキースがリード。

どれも面白いことになってきた。

スポーツは、
経済不況の時代でも消費不振のときでも、
人々に、伸びやかで明るくて、
熱狂的な喜びを提供する。

その意味で、異質のビジネスである。

商業・サービス業も、
プロスポーツのようにありたい。  

だから、景気が悪い、
物価が上昇しないなどと、
嘆いてはいられない。

自分のお客様を喜ばせること、
楽しませること。  

それに邁進する。

それが私たちの役目だし、
私たちの仕事である。

<結城義晴>  

2009年10月22日(木曜日)

伊藤忠&ユニー連携と21世紀の総合商社・小売業のカタチ

一日ごとに、ほんの少しずつ寒くなる。
このほんの少しずつが、いい。

それが日本の秋。

ほんの少しずつ、変わる。
そのほんの少し変わるのを、楽しむ。

季節の変化とは、そういうものだし、
ほんの少しずつ寒くなる秋と、
ほんの少しずつ暖かくなっていく春は、
この少しずつの変化が、日本らしくて、
日本人に好まれる。

さて今日は、
総合商社の話。  
商社は、広い意味では、商業に入るし、
さらにその本質は、卸売り業である。
輸出入の貿易と国内への物資の流通・販売を業務の中心にする。

業種を超えた幅広い商品・サービスを取り扱うのが「総合商社」。
一定の業種内に特化したのが「専門商社」で、
こちらは限りなく「卸売り業」に近い。

その総合商社が、小売業に出資し、
総合商社を主語にすれば、系列化が進んでいる。

2009年現在、一般的に「総合商社」に分類されているのは7社。

①三菱商事 通称「商事」
②三井物産 通称「物産」
③伊藤忠商事 通称「伊藤忠」
④住友商事 通称「住商」
⑤丸紅 通称「丸紅」  

それに⑥豊田通商。  
2006年トーメンを吸収合併。
そして⑦双日。
2004年、ニチメンと日商岩井の合併で誕生。  

1970年代まではこの7社関連に、
兼松江商、安宅産業が加わっていた。

安宅産業は破綻し、
兼松は、専門商社に商売替えした。

私は、もっともっと総合商社の淘汰と、
一方での専門化が進むと考えている。
寡占から複占へ。  

総合を名乗る者の数は、減っていく。

最後には、二者になる。
そのかわり、専門商社が、
専門の領域ごとに、確立され、機能していく。

さて、ユニーに伊藤忠が出資する。  
3%の出資で、金融関係を除く筆頭株主になる。

伊藤忠によるユニーの系列化。
あるいは、ユニーが伊藤忠の力を活用して、
大手小売業の系列化を進める。

ユニーには、コンビニのサークルKサンクス がある。
伊藤忠は、ファミリーマートの所有者。
まずこのコンビニ連携が進む。

さらにユニーは、プライべートブランド開発で、
関西のイズミヤ、四国のフジと連携している。
この三者に、伊藤忠が絡んでくる。

総合商社は、
こういったプロジェクトに絡むのが仕事。

絡んで何を得るかは、いまいち、
明確でないことも多いが。

一方、三菱商事は、小売業・卸売業に積極的に絡んでいる。
商事が小売業第一位イオンの筆頭株主になったのは昨年末。
コンビニ第二位のローソンのオーナー。
イオン参加のコンビニ、ミニストップは、
従ってローソンとの連携が視野に入っている。

食品スーパーマーケット第一位のライフコーポレーションも、
食品卸売り業の菱食、明治屋商事なども、
三菱商事の傘下に入っている。

三井物産とセブン&アイ・ホールディングスの提携は、
長くて、厚くて、濃い。

住友商事は、ご存知、サミットの100%親会社。
マミーマートも、そして関西スーパーマーケットも、
住友商事が株式を所有している。

ダイエーは、丸紅に約30%の資本を持たれ、
さらにイオンが20%を所有する。

こんな中、小売業間の接触が、
総合商社の繋がりを誘発することになる。  

イオンとダイエーとの統合は、
商事と丸紅を結びつける。

イオンの電子マネー「ワオン」は、
伊藤忠系のファミリーマートとの提携が進むから、
ここでは商事と伊藤忠。

さまざまな連携が進みつつ、
総合商社と小売業、その業態別に、
合従連衡は、確実に形を成していく。

私は、21世紀の最初の20年くらいに、
このあたりの姿が鮮明になると考えている。

今日、発表されるユニーと伊藤忠の提携は、
その歴史の一コマである。

<結城義晴>  

2009年10月21日(水曜日)

「商人よ、正人であれ!」

「商い人よ、正しき人であれ」

私たちは、
こと、仕事に関して、
いつも、
絶対に、
正しくなければならない。
私はそう考えている。

個人の生活は、
自由でよろしい。
もちろん、
法を犯すことは、
許されないけれど。

政治も、
宗教も、
趣味も、
哲学も、
生き方も、
いろいろあって、
よろしい。

私は無宗教であるし、
特別な支持政党も持たない。

趣味は、
なんにでも興味を示す、
「なまくら派」である。
生活態度は学生のころから、
坂口安吾に魅せられた「無頼派」である。
 
しかし、こと、
仕事に関しては、
「正義」を貫いてきた。

仕事は、
社会のためにあるからだ。
会社や店は、
世の中のため、
お客様のためにあるからだ。
 
人生の分岐点において、
必ず、
自分が、損をする道を選んできたという人がいる。
同じく、人生の分かれ道で、
常に、困難なほうを選択してきたという人がいる。

どちらも優れた人だ。
強い人だ。

自分にとって、損な道。
自分にとって、難しい道。
私には、そんな判断をする自信がない。
 
けれど、私は、
なんとしても、
仕事では正しい道を、
歩まねばならないと思う。
仕事においては、
正義を貫かねばならないと考える。
 
それが「商人よ、正人であれ」の意味である。
「商い人よ、正しき人であれ」の本質である。

倉本長治は言った。
「商人である前に、人間であれ」
倉本長治は、こうも言った。
「真の商人であることが即ち立派な人間ということだ」

仕事において、正しくある。
それがそのまま立派な人間ということなのだ。

<結城義晴『日々の詩集』(未完)より>  

長妻昭厚生労働相からの発表。
2007年の日本の「相対的貧困率」。
15.7%だった。

「貧困率」とは低所得者の占める割合。
国民生活基礎調査をもとに、
所得を世帯人数に振り分けて高い順に並べる。
そのときの真ん中の所得は228万円。
228万円に満たない人が占める割合を算出して、
「相対的貧困率」とする。

日本の貧困率の推移。
1998年時点では14.6%、
2001年は15.3%、
2004年は14.9%。

経済協力開発機構(OECD)2008年の報告書にある。
2004年のOECD加盟30カ国の平均値は10.6%で、
日本の貧困率14.9%は、
30カ国のうち4番目に高かった。
メキシコ、トルコ、米国の次。

日本フランチャイズチェーン協会の発表。
9月のコンビニエンスストア既存店売上高、
前年同月比5.6%マイナス。
前年割れは4カ月連続。

セブン-イレブン3.5%マイナス。
ローソン6.4%減、
ファミリーマート5.3%減、
サークルKサンクスが7.6%減。

貧困率は、消費に打撃を与えている。

だからこそ今、
「商い人は正しき人」でなければならない。

<結城義晴>  

2009年10月20日(火曜日)

総合スーパーと百貨店の「業態の盛衰」と「男は無印」

今朝の日経新聞の社説。
「総合スーパーは“売り物”探せ」  

社説に、業態への提言が載ることも珍しい。

「総合スーパーのビジネスモデルそのものが、
ここへきて壁に突き当たっている」  

そこで、社説は提案する。
「商品調達から店舗の再配置まで、
抜本的に経営を転換しないと再生は難しい」

社説の具体的な提案。
その一、「商品を絞り込み、独自商品を拡充する」
その二、「店舗の見直し」と「“売り物”」を探す。
その三、「小商圏型の生活スーパーへの転換」
その四、「出店場所も町なかが高齢者や子育て中の親らに喜ばれる」
その五、「アジア新興国にも目を向けたい」  

抜本的な経営転換は、私も不可欠だと思う。

しかし、ここで提案されている具体的な政策は、
抜本的ではない。

経済産業省の定める日本の「総合スーパー」は、国際的には、
「ハイパーマーケット」というフォーマットに分類される。
米国ウォルマートのスーパーセンターがその典型だし、
仏国カルフールのハイパーマーケットもこの分類の代表。

日本のセブン&アイの「イトーヨーカドー」やイオンの「ジャスコ」も、
国際的にみると「ハイパーマーケット」に属する。

アメリカやヨーロッパでは、
ハイパーマーケットは最強のフォーマットの一つ。

しかし日本では、百貨店と並んで、
最弱の業態となりつつある。

その根本原因を、突き詰めねばならない。
ウォルマートとイトーヨーカドーやジャスコとの決定的な違い。
アメリカ市場におけるウォルマート・スーパーセンターと、
日本市場におけるイトーヨーカドーやジャスコとの、
社会的役割や競争状況の違い。

そんな分析が必要だと思う。

そして、分析結果によっては、
「業態の盛衰」の観点から、
このフォーマットの立地を限定して整理し、
限定された立地以外の店舗は、
閉鎖することも、決断しなければならない。

小売業は、立地産業だ。
相対的な競争産業でもある。

だから「売り物を探す」だとか、
「プライベートブランドを拡充する」だとか、
専門スーパーやコンビニの要素を取り入れることでは、
抜本的な転換にはならない。

日経新聞の社説で取り上げられたこと自体、
異例の措置ではあるが、
び縫策では、この業態の革新とはならないことをこそ、
訴えてもらいたいものだ。

さて、総合スーパーとともに、
「業態の盛衰」の「衰」に入った観のある百貨店。
その9月の売上高統計が、日本百貨店協会から発表された。
前年同月比は、マイナス7.8%。  
前年割れは19カ月続く。
1年と7カ月。

紳士服・紳士用品 マイナス11.6%。
婦人服・婦人用品 マイナス10.3%。
その他衣料品   マイナス10.0%。
身の回り品    マイナス9.2%。
雑貨       マイナス9.0%。
家庭用品     マイナス7.6%。
食料品      マイナス2.5%。
サービス     マイナス2.3%。  

もう前年対比の売上高分析では、
にっちもさっちもいかないところにきている。

日本の百貨店として、社会的に必要な立地に限定して、
自らを戒めて、顧客満足を追求するしかない。

百貨店こそ、量を追いかけるビジネスモデルではないことを、
知らねばならない。

イギリス最高の百貨店ハロッズは、
ナイツブリッジのたった一店だからこそ価値があるし、
社会的機能を果たしているのだ。

さて、昨日は久しぶりに一日、
横浜市西区北幸の商人舎オフィス。  
朝から、来客5件。

出版社の㈱産学社の編集者・新垣宜樹さんは、
単行本の打ち合わせ。

社団法人日本印刷技術協会常務理事の小笠原治さんは、
印刷業界の「蛻変」に関して。

そして、㈱POP研究所代表取締役の中山政男先生。
もう、30年近いお付き合い。
小売業界の手書きPOP指導の草分けで、
現在も全国を飛び回って活躍中。

現在の店舗現場で、
POPの原則が著しく逸脱していることをご指摘くださった。
その上で、新しい手書きPOPのご提案。
黒いボードに、手書きの試演。
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見事なプロの腕前に、
商人舎スタッフ一同からため息が漏れた。
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現在のPOPの氾濫、POPマシンによる乱造、
そして無感覚のコストアップ。

中山先生の指摘は、鋭い。
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中山先生には、商人舎ホームページに、
連載をお願いした。

皆さん楽しみにして、待っていてください。
11月スタートの予定。

その後、㈱トッパントラベルの鈴木敏さん、来社。
商人舎チーフ・コーディネーター。
来年3月には、商人舎第6回USA視察研修会開催予定。
これもお楽しみに。

最後に、松井康彦さん、登場。
ご存知、㈱商業界取締役営業企画統括。
この8月まで。
目出度く商業界を卒業し、
すぐに㈱レイニー・ウッド取締役営業統括に着任。
同時に商人舎エグゼクティブ・ディレクターにも就任。
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「男は無印」  
心意気を込めて、無印良品の前で写真。

また、松井さんとコラボレーションができる。
私は本当に、嬉しかった。
m2
皆さん、よろしく。
最後に固い握手。

社会に貢献できる人間には、
極端なことを言えば、肩書きはいらない。

無印で仕事できる人間こそ、
脱グライダー・ビジネスマンなのだ。

<結城義晴>  

2009年10月19日(月曜日)

故加藤和彦のモットー「同じことは二度とやらない」を思う

Everybody! Good Monday!  

2009年10月第4週です。
横浜は、さわやかな秋真っただ中。

これから各地で紅葉のシーズン。
「日本人に生まれてよかった」  

今日の私の朝食は、マグロの漬け丼にシジミのみそ汁。
「日本人に生まれてよかった」  

食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋。
それぞれに楽しめて、
みんなが楽しめる。

これは、お店と似ている。

一人ひとりの顧客が、
それぞれに必要な商品やサービスを享受できて、
その上で、みんなが満足する。

これを称して、言う。
「マス・カスタマイゼーション」。  

だから今、店には、揃っていなければいけない。

それぞれの食欲の秋。
それぞれのスポーツの秋。
それぞれの読書の秋。

その商品とサービスが。

例えば、食品を扱う店は、
食欲の秋は、中核商品、中核サービスとなる。
しかし、スポーツの秋の食品、
読書の秋の食品も、
必須。

メタボリック・シンドロームの顧客は、
スポーツの秋向けの食品にこそ、
最大の関心を寄せるはずだからだ。

さて何度も書くが、
アメリカでは秋から冬にかけて、
三段階プロモーションで盛り上げる。
10月31日のハロウィン。  
11月第4土曜日のサンクスギビングデー、
12月25日のクリスマス。

日本でも、ハロウィンの風習が広がってきた。
だからいま、ハロウィン向け販促に取り組みたい。

収穫への感謝と悪魔払いのお祭り。
米国では子供たちが仮装して、
家々をまわって、
「Trick or Treat」と叫ぶ。

trickは「いたずら」
treatは「ごちそう」
だから「Trick or Treat」は、
「ごちそうしなけりゃ、いたずらするぞ」  
といったニュアンスとなる。
子供のごちそうは、お菓子。

日本では不況の中の今年、
メーカーによるハロウィン向け菓子商戦が盛んだ。

主力商品のパッケージが、
ハロウィン特別仕様に変えられて発売されている。
それがまた、売れている。

ロッテは9月15日から期間限定で、販売開始。
「コアラのマーチ」「トッポ」「クランキー」「チョコパイ」。
紫色とオレンジ色を基調にした統一パッケージには、
「ジャックランタン」というカボチャお化けなどが描かれている。

森永製菓のハロウィン仕様は、2009年9月9日スタート。
「チョコボール」「パックンチョ」「ハイチュウ」など11種類。
「チョコボール」はキョロちゃんがハロウィンの衣装で仮装。

江崎グリコは、「ポッキー」「プリッツ」など売れ筋定番4アイテムを、
ハロウィン仕様にして販売している。
「ポッキー」のハロウィン使用商品は2006年から。

アメリカ、カナダの菓子業界、流通業界では、
バレンタインデーやクリスマスに匹敵するイベントとして、
位置づけられている。

日本の菓子業界でも、ハロウィンの市場規模は、
この2年間で4倍に成長したとの予測がある。

秋真っ盛りの「収穫祭」イベント。
必ず、ここに顧客を楽しませる「テーマ資源」がある。
そして不況の今、顧客たちは、
ささやかな楽しみ、
子供を中心にした喜びを、
渇望している。

それに応えない小売業など、
考えられない、ありえない。

今日の最後は、お悔やみ。
加藤和彦さんが、鬱病で、自殺した。  
軽井沢の万平ホテル。

ザ・フォーク・クルセダーズ、
サディスティック・ミカ・バンドなどで、
新しい音楽の世界を切り開いた。

「あの素晴らしい愛をもう一度」、
「帰って来たヨッパライ」など、
きたやまおさむとのコンビで作った曲が有名だが、
私は「悲しくてやりきれない」が好きだ。
サトーハチロー作詞、加藤和彦作曲。
「イムジン河」という隠れた名曲が、
南北朝鮮分断に対する政治的配慮から発売中止になった。
加藤は、この措置に憤りを感じ、
「イムジン河」のコード進行を反対にして、
「悲しくてやりきれない」を作ったといわれている。

その加藤和彦のモットー。
「同じことは二度とやらない」  

この自己規制が、彼に死をもたらした。

盟友きたやまおさむが、朝日新聞に書いている。
「お前は目の前のものを適当に食べるけど、
ボクは世界で一番おいしいケーキがあるなら、
全財産はたいてもどこへだって飛んでいく」
加藤は、きたやまに、そう言っていた。

「加藤が日本の音楽界にもたらしたもの、
それは『革命』だった。
作品だけでなく、彼の生き方ややり方が新しかった」

「後ろは振り返らない、
そして同じことは絶対にやらない、
というモットーを貫き通した彼は、
おいしいケーキを食べるために全財産をはたいて、
また手の届かぬところに飛んで行った」

現在、精神科医の北山修は、
きたやまおさむにしか分からない世界を、
率直に語った。

ご冥福を祈りたい。

「同じことは二度とやらない」  

加藤和彦ほどではなくとも、
顧客の期待を超越するために、
少しでも、毎日、進化して、
同じことは二度とやらない。

私たちに、課せられた命題でもある。

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年10月18日(日曜日)

ジジと秋の気配[日曜版]

そとは、秋の気配が、
色濃くなってきました。

秋には、ネコも、
モノオモイにふける。
j1

ユウキヨシハルのおとうさん、
月曜日に、やっとかえってきました。
k1
アメリカ研修会は、こんども、
成功だったみたい。

みんなの顔が、
かがやいている。

でも、おとうさんは、いそがしい。
すぐにつぎのシゴトがまっている。
j2

トーキョー・アオヤマのコクレン大学。
k2
コーネル・ジャパンの第二期がはじまった。

名誉教授のジャーマン先生。
k3
むつかしいことを、
わかりやく、
はなしてくれた。

すごい。

学長のマクラフリン先生は、
2日目には、31名の学生に
「ウォルマート」の講義。
k4
マクラフリン先生は、
コーネル・ジャパンの学長。
おとうさんは副学長。

土曜日も、おとうさんはでかけた。
j3
池袋のリッキョー大学。

コーギを180分。
それから、年度アルバムの写真撮影。

合唱隊が、キャンパスに、
ならんでいた。

おくれてきた学生が、
あわてて、きがえた。
r1

赤いフクを、頭からかぶると、
大変身。
r2

そして、カメラのまえで、
ポーズ。
r3

つぎは、おとうさんの「ユーキ・ゼミ」のひとたち。
j4

今日は、ふたりが欠席。
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ナゴヤさん、
ユウキヨシハルさん、
ホシヤマさん、
タムラさん。

この写真が、
卒業アルバムに、
のります。
r6
欠席のタカハシさんとカキヌマさんは、
まあるいワッカの切り抜きのなかに、
のるのでしょうか。

写真撮影のあとは、
ユーキ・ゼミ。

おとうさんは、
リッキョー大学院で教えるシゴトを、
とてもタイセツにしています。

いまは、「おしえること」が、
ユウキヨシハルのシゴトです。

だから、今日の日曜日にも、
朝から、リッキョーにでかけた。

来年の入学者のメンセツ試験官。
イチニチ・シゴト。

ボクは、秋の気配を感じながら、
まっています。
j7
おとうさんは、
秋の気配、
味わっているのでしょうか。

みなさんは、
秋の気配、
楽しんでいますか。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

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結城義晴・著


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