昨日から兵庫県三田市。
こちらも快晴。
昼前に、スーパーマーケットNISHIYAMAへ。
三田フラワータウン店。
三田市は、大阪・神戸地域の生活都市として成長中。
NISHIYAMA三田店は、2002年10月にオープンして、
この地で『エンターテイメントストア』を志向する。
この店がすごい。
スーパーマーケットNISHIYAMAは、
京都府福知山市に本部をおく5店舗の企業。
福知山市に2店舗、
さらに篠山市、神戸市、
そしてこの三田市に1店舗ずつ。
しかし5店舗の企業ながら、
全国から視察者、見学者が押し寄せる。
NHK大阪「ルソンの壷」という番組で紹介された。
独自の商品開発をし、売り方の工夫をする。
そして安くておいしい食材を提供。
「田舎のスーパーだが日本一の技術をたくさんもっている」
社長の西山進さんはこう語る。
NISHIYAMAは実演販売を、強化している。
店頭で鮭や豚肉の切り身をカットして販売する。
鮮魚売り場で調理をするお二人。
こだわりの鮭で、シチューを試食販売するコック姿の店員さん。
とろっとろ煮豚の売り場。
ここでも実演販売。
煮魚・焼魚の俊ちゃん亭。
そして、圧巻の寿司売り場。
280種類の寿司メニュー。
サンドイッチ寿司やてまり寿司が大ヒット。
全国のスーパーマーケットから、
寿司メニューを学ぶために繰り返し、研修生がやってくる。
その寿司づくりのポイントは、
シャリと酢。
店内は、生き生きとしていて、
顧客が途切れることがない。
店を丁寧にご案内いただいて、
フードコートで昼食をとりながら、インタビュー。
西山寛商事㈱代表取締役社長の西山進さんと、
専務取締役の古山勇起さん。
古山さんは商品開発の専門家。
百貨店の大丸出身。
いわばスーパーマーケットNISHIYAMAの知恵袋。
西山進さんと古山さんのコンビで、
300品目の「こだわりの逸品」が誕生してきた。
この商品と、現場の人間力によって、
NISHIYAMAは競争力のあるスーパーマーケットとなった。
西山さんは言う。
「独自商品開発は、
中小スーパーマーケットが生き残るために、
身につけたノウハウです」
「大手はメーカーや問屋に丸投げして、商品をつくらせる。
私たちは、原材料から細かく積み上げて、つくる。
そうすれば中小でも利益が出る商品をつくることができる。
ただし、専門家がいなければだめ」
古山さんは言う。
「いつもお客様を見ていなければだめです」
これが、いわば、商品開発の極意。
現在、NISHIYAMAは、
19社に「こだわりの逸品」を供給している。
さて、スーパーマーケットNISHIYAMAから、
神戸三田阪急ホテルへ移動。
2009三井物産西日本地区食品流通セミナー。
15時から100分、私の基調講演。
そのあと、パネルディスカッション。
ゲストパネリストは㈱阪食代表取締役社長の千野和利さんと、
先ほどの西山進さん。
私がコーディネーター。
これも、約100分の濃密な討論とまとめ。
千野さんは、エイチ・ツー・オーリテイリングの戦略構想から、
阪食の店舗戦略、商品戦略、人材対策まで、
全面展開してくれた。
千野さんが強調した「構想力と実現力」、
そして「専門性、ライブ感、情報発信」の話は、
低価格とディスカウント一辺倒の観のある現在、
とても貴重な見解であった。
西山さんは、商品力と人間力を主張した。
そして西山さんも、独特の経営論を展開してくれた。
例えば、「現在は競争から戦争に入った。
だから、スーパーマーケットは縄張り争い業だ」
こんな具合。
私は、リーダーシップとイノベーション、
そして人間力経営でまとめた。
とても良いパネルディスカッションだったと思う。
千野さんと西山さんに、
心から感謝したい。
流通セミナーのあとは、情報交換会。
これも楽しい会合となった。
さらに二次会。
右から、三井物産㈱常務執行役の岡村眞彦さん、
同食品・リテール本部西日本食料部長の松本裕之さん、
阪食社長の千野さんと私、
そして㈱サンプラザ専務取締役の山口力さん。
基調講演とパネルディスカッション、
そして情報交換会。
長い一日だったが、私は充実していた。
今月の商人舎標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
深夜に、感謝して、一日を閉じた。
<結城義晴>