ボクの名は、ジジです。
ボクの目のまえには、
ネコ草がありました。
ボクは、いつものように、
ネコ草を食べました。
ネコ草は、ボクたちにとって、
たいせつな食べもの。
ふと、気づくと、
ユウキヨシハルのおとうさんは、
写真をとりに行きました。
富士山と芦ノ湖。
「秋」
葉鶏頭の
繁みのかげで
子猫が二匹
遊んでいるよ
遊んでいるよ
夕暮れ色の
お部屋のすみで
こおろぎコロコロ
歌っているよ
歌っているよ
風にゆれてる
ススキの原を
トンボの群れが
わたってゆくよ
わたってゆくよ
(詩・鈴木順子)
ハコネの千石原のすすき野原。
ススキの山。
すすき野原。
ススキの段々。
すすきの波。
ゆれる。
ゆれる。
ボクは、じっと、
みていました。
日が暮れる。
光が当たる。
光の中のすすき。
秋が深まってきました。
美しいものは、
もっともっと、美しくなってゆきます。
ずいぶん寒くなってきました。
もっともっと、寒くなってゆきます。
皆さんも、秋を楽しんでください。
カゼなど、ひかないように、
気をつけてください。
ボクは、ボクなりに、
美しさや寒さを、
たのしんでいます。
<『ジジの気分』(未刊)より>