結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年11月26日(木曜日)

「エントロピーの法則」とユニクロと柳井正の「インテグリティ」

今日も、最初にこのホームページの使い方のお知らせ。
[商人舎ホームページ探索紹介シリーズ第2回]  
この商人舎ホームページの右段には、
まず最上段に、写真が二枚掲載されています。
これは、アットランダムに、回っていて、
誰にもどんな写真が載るのかわかりません。
写真自体をクリックしていただくと、
その写真の載った日のブログに飛びます。
関心のある写真がでてきたら、
是非クリックしてみてください。

その下には、「今月の標語
昨年6月から、もう18の標語を発信しています。
今月はあと1週間ですが、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」  

今月の標語の下には、
アメリカ研修会や各種セミナーのお知らせ。
現在はCDオーディオセミナー「知識商人登場」のお知らせと、
12月2日に迫った「有機質資源の利活用多様化がもたらすもの」のセミナー、
そしてアメリカ視察ブログの集大成コーナー[これは面白いですよ!]、
そして「アメリカ視察者の声」コーナーがあります。

そしてその下に「新着ブログ」のコーナーが出てきます。
ここでは、
Today! New!の文字が入ったものが新しい。

Today!は24時間以内の新着、
New!は72時間以内の新着。
そのボタンをクリックすると、ブログに飛びます。

今日は、RMLC(商業経営問題研究会)の10月報告が、
ふたつToday!となっています。

もちろんこのページを最下段までスクロールすると、
さまざまなボタンがでてきて、
それを押すとブログに飛ぶようになっています。

是非是非、お楽しみください。
皆、真剣に、まじめに、精魂傾けて、
ブログを書いています。

よろしくお願いします。

今日は、
その商業経営問題研究会11月例会。  
午後1時半から、芝の機械振興会館。
もちろん私は、出席します。

さて昨日は、一日、有意義な会議。
最後に私は、ピーター・ドラッカー先生の「エントロピーの法則」を語った。

「エントロピーの法則」とは、
「物質とエネルギーは混沌と荒廃に向かってのみ変化していく」というもの。  

これもアナロジーだが、ドラッカーは言う。
「人の手になるあらゆるものが、
このエントロピーの法則を逃れえない」

このエントロピーの法則に、
立ち向かうことこそが企業の役割であり、
それこそがイノベーションである。

昨日の日経新聞の「世界経営者フォーラム」再録版。
ファーストリテイリング会長兼社長柳井正さんの発言。  
日経はこれ、何度も何度も使うが、
その都度、読んでしまう。
これこそ、商売の常道。

その柳井発言は、
日本の1980年代以降を、
「経済的な第二の敗戦」と斬って捨てた。
80年代以降の20年以上、
GDPにほとんど成長が見られないからだ。

「頑張らない社会や個人に未来はない」  
柳井さんは、言いきる。

「日本の社会や企業はちょっとした成功で慢心」した。
「安全や安定を求めるのは停滞、衰退と同じだ」

ここで語られているのは、まさしく、
「エントロピーの法則」に立ち向かうイノベーションである。

先週11月21日の土曜日から、
ユニクロは60周年感謝セールを始めた。
10億円キャッシュバックのセール。
1万円ずつ10万人の顧客に還元する。

午前6時の暗いうちに店を開けた。
これは1984年に、広島でユニクロ1号店のオープン時と一緒。

朝食を食べずに開店を待って、
ならんでくれた顧客に、パンと牛乳を配った。

これも25年前と同じ。

写真は、敷島製パンの田中文夫さんからのご提供。
田中さんは、私と同期の昭和27年組で、
熱烈な商人舎ファミリー。

田中さんのメールは、以下のように報告してくれた。
「自宅近くのユニクロに5時半ごろ出陣。
見事に出遅れ、軽く500名以上は並んでいました。
既に先着限定整理券は無理とわかっていながら、
皆さん楽しそうに静かに並んで、
開店を待たれていました」

「ユニクロを認めるお客さんが、
まさに開店60周年を祝う為に、
集まっているように感じました。
激安スーパー、激安家電のオープンとは、
全く異質の雰囲気。
それはユニクロの感謝の心が表れた企画だからですね。
大変な企画だからこそ、当日の混乱を予測して、
周到準備をされていた。
ユニクロの社員さんが輝いていました。
混乱一切無し、見事でした」

「ユニクロ 19時からの先着限定販売整理券は、
見事にゲットしました。
朝・昼・夕と三回 店に行きましたから」

柳井さんは、語る。
「世の中には高くて良い服と、
安くて悪い服しかなかった」
この常識を破り、
「安くて良い服」をつくった。  

「我々ほどまじめに服をつくり、
販売している企業はない」
柳井さんの言葉は、言葉だけのものではない。
本当に、そう考えている。
これほど「まじめな企業」はない。

この「まじめさ」をインテグリティ(integrity)という。  

最後に柳井さんは、述懐する。
「商品を売る前に、店を売り、企業を売る」  
だから朝6時前から並んでくれたお客に、
パンと牛乳を配る。

「人の手になるあらゆるものは、
混沌と荒廃に向かって変化する」  

それに抗することこそ、
イノベーションであり、
それを支えるものは「徹底したまじめさ」である。

「integrity」という。  

<結城義晴>

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