日本列島、昨日と打って変って、
今日はポカポカ陽気。
毎日毎日、変化を楽しむことができる。
しかし地球は温暖化が進む。
ロシアの冬も超のつく暖冬。
なんとモスクワで気温8度という。
そんな暖冬の東京証券市場、
日経平均株価が1万円の大台を、
一瞬のことだが超えて、一安心。
それでもドバイショックのようなことが起こる。
すると地球規模で、一瞬の閃光とともに、
パニックが起こる。
ゆめゆめ油断がならない。
世界最大の労働組合のナショナルセンター「連合」が、
中央委員会を開催。
「5年ぶりに賃上げ改善要求を見送る」
これを正式決定。
連合幹部は、何ともやるせないだろうが、
「賃上げ水準の維持と雇用の維持を最優先」する方針。
古賀伸明会長は、賃上げに関しては、
「参加の業界別労組や個別組合に判断を任せる」とコメント。
しかしこれによって、従業員・労働者に対して、
不当に低い賞与やサービス残業が、
幅を利かすようなことがあってはならない。
モティベーションを上げるだけ上げておいて、
その上で働かせるだけ働かせておいて、
その見返りを払わない。
正当な権利をも侵害する。
そうしておいて企業の存続を果たすだけ。
こんな経営者には、経営者の資格がない。
連合の意思決定が、
こういった風潮を蔓延させないことを望むものだ。
さて、今日と明日は2回にわたって、
スーパーマーケットNISHIYAMAの売場と商品紹介。
先月6日に三田店を訪れた。
そのときにはダイジェストでお伝えしたが、
読者のためには、詳細を紹介した方が良いと考えていた。
何しろ、Retail is detailなのだから。
NISHIYAMAのsomething betterをご披露しよう。
前編は、生鮮食品と加工食品。
「よいものをどんどん安く」
中内功さんが言ったダイエーのスローガン。
いつでも、どこでも、
「よいものをどんどん安く」を実現できれば、
お客様は喜んでくださる。
「よいものをどんどん安く」提供しつつ、
適性の利益を確保できれば、
店は繁盛し、企業は繁栄する。
従業員も満足する。
その意味で「よいものをどんどん安く」という考え方は、
真理を突いている。
アメリカのトレーダージョーズは、
もうこのブログでもおなじみだが、
商人舎の2009米国チェーンストア・ランキングで55位。
年商72億ドル(1ドル100円換算で7200億円)。これは前年比10.7%プラス。
店数はもう326店で、こちらは11.6%プラス。
アメリカの小売業の好調組を私は「WWTC」と呼んだ。
ウォルマート、ウォルグリーン、トレーダージョーズ、コストコ。
彼らは皆、「よいものをどんどん安く」の企業ばかり。
食品専業は、トレーダージョーズだけ。
この会社とNISHIYAMAは、同じ考え方である。
まず、青果売場から。
カボチャ。
「落合さんの栗かぼちゃ」
北海道・美深産。100グラム38円。
これがうまい。
NISHIYAMAは自ら商品開発を積極的に展開している。
しかし残念ながら、素人がいくら努力して開発しても、
「よいものをどんどん安く」は実現できない。
プロの存在抜きには可能とならない。
そのプロフェッショナルとは、
専務取締役の古山勇起さん。
南高梅干898円。
しかし南高梅つぶれ梅は748円。
これが飛ぶように売れる。
「やまぶきたまご」は、
黄身に針を刺しても破れない。
強くて濃厚でおいしい卵。
テレビでも紹介された「サンマみりん干し」。
みりん干しは通常、生サンマとして出荷された残りでつくられる。
しかしNISHIYAMAでは、脂の乗った一番グレードの高いサンマで、
みりん干しをつくる。
だからとびきりうまくて、安い。
「新物時鮭」
これも開発商品。
北海道近海で水揚げされた時鮭。
商品が「よいものをどんどん安く」だから、
プレゼンテーションの力が生きてくる。
売り方や見せ方だけが特徴的でも、
商品がそこそこでは、顧客にすぐに見破られてしまう。
西山進社長も古山専務も口をそろえて強調する。
「サムシング・ベターは商品そのもの、そして人です」
刺身売り場。
「旬」「鮮度」「地域一番」
「生紅サケとほたて貝柱」の刺身。
「いいもん見つけてきました」のPOPが躍る。
エンドでは、スパゲッティの開発商品。
フィリッツスパゲティは、
イタリア産のデュラム・セモリナ100%使用で、
500グラム178円。
「安くてうまい」はまさに本当。
自社発見商品。
調味料にも開発商品は多い。
「なつみかんとだいだいのポン酢醤油」
300グラム398円。
「石橋ばあちゃんの手造り柚子こしょう」
これもバスケットに陳列するだけで、
確実の固定客がつく逸品。
ゴンドラエンドの開発商品群。
カレールー、そうめん、ちゃんこの素。
ワインも自社開発商品。
白ワインはシャルドネ、
赤ワインはカベルネソーヴィニオン&メルロー。
2アイテムだけ。
フランスから持ってきたワインを詰めかえて、
「TANBAWINE」と命名。
丹波篠山のワインというわけ。
これなどトレーダージョーズのチャールズ・ショーのよう。
今日の最後は精肉売り場。
「不況には低価格タンパク源が売れる」とは林廣美先生の名言。
ご存知、日本最高の惣菜マーチャンダイジングの指導者。
NISHIYAMAのそのひき肉売り場。
「トリプルミンチ100グラム100円」
これが飛ぶように売れる。
自家製の「とろとろ煮豚」も特製の製法で、とびきりうまい。
100グラム198円。
ナショナルブランドメーカーがコピー商品をつくるが、
NISHIYAMAの域には達しない。
日本のトレーダージョーズNISHIYAMA。
自分で開発し、自分でつくる。
巨大メーカーや従来の産地発想で、
見落とされていた商品の見落とされていた部分を、
プロフェッショナルが見つけ出し探し出して、
自社商品として開発する。
業界慣習や業界の常識の裏を行く。
だから「よいものをどんどん安く」になる。
それがNISHIYAMAのサムシング・ベター。(明日に続きます)
<結城義晴>