11月の新車販売ランキング。
日本自動車販売協会連合会の普通車と、
全国軽自動車協会連合会の軽自動車の統計を合わせたもの。
トヨタ自動車の「プリウス」が6カ月連続で第1位。
第2位は、ホンダのフィット。
第3位は、スズキのワゴンR
第4位、ダイハツのムーヴ。
第5位、トヨタのヴィッツ。
今や日本の車の代名詞のようなハイブリッド車。
エコカー減税と新車購入補助金、
つまり政府支援策が効果を発揮した。
その上、燃費性能が高く、環境対応。
11月の総販売台数に占めるハイブリッド車比率は、
全体の約1割に達する。
前年同月に比べ7ポイント増の9.7%。
ハイブリッド車比率は今年4月から急上昇。
それまではホンダのフィットが首位だったが、
9月までの半期平均で全体の8.9%。
それが11月は10%に近づいた。
トヨタは12月7日に、
新型ハイブリッド車「SAI(サイ)」を発売。
発表後1カ月で受注台数1万4000台。
これは月間販売目標の約4.7倍。
政府の支援策があったとはいえ、
異常なブームをつくりだした。
日本人は、金がないのではない。
使い道がないのだ。
もっと丁寧に言えば、
金を使わねばならない世代に金がなく、
金を使わなくてよい世代に金がある。
全体でならしてみると、金がないわけではない。
だから金がある人から金を引き出し、
経済を循環させ、
それが活性化するとやがて金のない世代に、
金が回るようになる。
小売業やサービス業は、
その役目の一端を担っている。
さて、スーパーマーケットNISHIYAMAスタディの後編。
寿司・惣菜・自家製ケーキなど。
すぐ食べられる商品がすごい。
すぐ食べられるものの出来が良いから、
顧客の反応が早い。
反応が早いから、
現場に結果がすぐにわかる。
すなわちやりがいがでる。
寿司売場は、間違いなく日本有数。
「日本一」と言いたいところだが、
私が日本中の店を見ているわけではないので、
「日本有数」と言っておこう。
売場中央に、デンと構えるのが、
三田店名物俊ちゃん亭の煮魚・焼き魚コーナー。
もちろん自家製。
担当者「俊ちゃん」のはっぴ姿と笑顔がいい。
大皿に旬の魚の焼き物、煮物が、
10種類以上おいしそうに並ぶ。
新潟産つばすの煮付け150円、同じくごまさば150円、
秋刀魚の塩焼き130円と驚くほど安い。
北海道産の日高浜炊き昆布は198円。
これが絶品。
売り込み商品には、これでもかと、
ショーカードを付けて、お客にアピール。
この鮮度とこのボリュームで低価格を実現しているのは、
北海道の指定工場で製造させている自社開発商品だからだ。
自慢の寿司コーナー「心鮮感」。
この日は「細巻バイキング」をテーマに
様々な細巻寿司を1本100円均一で販売。
あおりいか、ツナ、あなごなど、
旬の具材を巻いた巻き寿司が並ぶ。
オリジナルの寿司メニューが並ぶ圧巻の寿司売場。
握りとちらしの特選寿司は1000円。
かにのボリューム感がすごい。
本日のお勧め「香住かにづくし」ちらしは1パック850円。
寿司コーナーはそのボリューム、メニューの豊富さで圧巻。
太巻き500円、中巻380円。500円で大満足のPOPで訴求。
NISHIYAMAは、サンドイッチ寿司などのオリジナル商品開発に優れている。
全国のスーパーマーケットが実習を受けにくるくらいだ。
気節限定の「秋祭寿司」。
商品も売場でも季節訴求が本当に上手い。
とろっとろ煮豚弁当580円。
これは精肉売り場の「とろとろ煮豚」を、弁当に転用した商品。
大人気。
揚げ物コーナー。
「最高級の油を使っているから胸やけしません」と、
顧客に訴える。
こだわりの逸品には、その理由を表示して販売。
こだわりの逸品のケーキ菓子を通路の特設コーナーで販売。
京都菓子職人がつくったアップルケーキ150円、
チョコパイサンド120円、フルーツ姫タルトはホールで598円。
本当に安い。
150円なら思わず手にとりたくなる。
この味で、150円。
そしてこの量。
だから利益がでる。
NISHIYAMAの「こだわりの逸品」は300アイテムある。
すべて自社開発商品だ。
自社開発するから、「よいものをどんどん安く」が実現できる。
「良い品をどんどん安く」
<『メッセージ』より>
「良い品をどんどん安く」
この言葉のもつ本来の強靭さは、
生態系のごとく循環の構造を有するところにある。
良い品を売る。適切な品質を提供する。
すると、顧客は喜ぶ。
そんな顧客が増えると、品はどんどん売れる。
どんどん売れてゆけば、一品一品が安くなる。
売れれば売れるほど安くなる。
「利は売りにあり」で利益が生じる。
利益が、次の良い品をつくることに貢献する。
この新しい「良い品」によって顧客はもっと喜ぶ。
そしてますます、どんどん売れる。
ますますどんどん売れれば、さらに一品一品は安くなる。
安くなるから、いっそう大きな利益が生まれる。
それが、さらにさらに良い品をつくることに機能する。
こうして「良い品」のレベルは飛躍し、
「どんどん」の量は爆発し、
「安く」の水準は国際級になってゆく。
真理は、常に循環しつつ、構成要素そのものを高めていく。
真理は、この体系にこそ宿っている。
真理とは、自ら進化する構造を内包するものなのだ。
だから「良い品をどんどん安く」の一挙実現を図ると、失敗する。
三つの要素をいっぺんに果たそうとすると、挫折する。
仕事や商売の成長と発展に、短絡はない。
トヨタのプリウスもNISHIYAMAも、
「よいものをどんどん安く」の好循環に入っている。
<結城義晴>