イオンが、この10日(木曜日)から14日(日曜日)まで、
「ボーナスセール」を展開する。
全国の総合スーパー・ジャスコ、
スーパーマーケット・マックスバリュ、
そしてイオンモールのテナント専門店2万2500店。
「ボーナス減少割合と同じ」1~2割引きセール。
「減額ボーナス応援セール」の趣旨。
日経新聞の今年の「ボーナス使い道調査」。
支給予想額が前年減と答えた人が45%。
使い道の第一は「貯金」35%、
第二は「月々の赤字補填」22%、
第三は「ローン返済」20%。
イオンのセールは、この傾向への対策。
「ボーナスもらって今夜はご馳走」
こんな特売コピーよりも、
よほどリアリティがある。
一方、セブン&アイ・ホールディングスは、
今日、「セブンネットショッピング」を立ち上げる。
社長は、鈴木敏文会長子息の鈴木康弘氏。
こちらはすでに展開しているセブン&ワイの書籍インターネット販売に、
食品から玩具・文具・化粧品まで500万品目。
もちろんプライベートブランドのセブン・プレミアムも扱う。
本腰を入れて、ネットショッピングに取り組む姿勢。
2010年から10年、20年先への対策。
ちょっと古い言い回しとなったが、
私は「クリック&モルタル」こそ、
最強のネット販売だと考えている。
すなわち有店舗と無店舗の組み合わせ。
ただしリアル店舗で品質を確認してから、
無店舗で買うのではない。
リアル店舗のロイヤルティが、
ネット販売の信用となるから、
「クリック&モルタル」こそ、
顧客の信頼を勝ち取ると考えるものだ。
これも日経の記事。
ネット通販は好調。
前年比1~2割の伸び。
先週の「ボーナスサンデー」の12月6日、
楽天市場の売上高は30億円を超えた。
ネット通販は2008年度売上高推定額は8兆円を超えた。
これは日本全体の百貨店やコンビニエンスストアを上回る金額。
「セブンネットショッピング」の立ち上げは、
このトレンドをとらえたもの。
しかし大手小売コングロマリットといわれる企業グループ、
やはり態勢が決まってから動く。
すなわち、遅い。
セブン&ワイは遅くはなかったが、
楽天と比べると、遅い。
イオンにしてもセブン&アイにしても、
「大企業病」の臭いがしないでもない。
さて昨日は、朝から埼玉県川越市。
ヤオコー本部を訪問。
川野幸夫さんにインタビュー。
ヤオコー会長にして日本スーパーマーケット協会会長。
商人舎と商人ねっとの共同企画CDオーディオセミナーの収録。
タイトルは「知識商人登場!」
川野さんは、まさに知識商人。
最初は、日本スーパーマーケット協会会長としてのビジョン。
小売業、商業の地位は、
その社会的な機能や貢献度に比べて、
不当に低い。
正当な評価をいただいて、
その上で、多くの人材に商業の世界に入ってきてほしい。
協会会長としての川野さんの仕事は、
この一点に絞られている。
私も、川野さんの持論には100%賛成。
だから気持ちよくインタビューをすることができた。
スーパーマーケットとしての戦略に関しても、
私の考えはなぜか、川野さんと一致している。
川野さんは言う。
「まず理念が大切です」
「お陰様」の気持ちで仕事すること。
「お陰様」が理念そのものとなる。
次に「商売のコンセプト」。
「何屋になるか」
「何屋なのか」
それがライフスタイルアソートメントストアという概念になった。
このライフスタイルアソートメントに関して、
商品やサービスを、
コモディティとノンコモディティに分類して考える。
これも私は同感。
同感、同感ばかりで、
2時間はあっという間に過ぎて行った。
是非、CDオーディオセミナー、
聞いてください。
発売は、来年1月15日。
予約受付中。
最後に川野さんの言った言葉。
「私の経営は情9割、理1割」
「しかしこれからは情の比率が下がり、
理の割合が上がってこなければならない。
しかし情が半分以下になることはない。
スーパーマーケットや小売業はそういう仕事です」
そして、「ブルーオーシャン」の絵。
その前で写真。
川野さんは「ブルーオーシャン戦略」を最初に口にした経営者。
そしてその実践に努めてきた。
ヤオコーという20期連続増収増益の企業と店と人が、
それを如実に示している。
「まだまだです」
川野さんは言う。
この志の高さが、ヤオコーを支えている。
そしてこの志は、日本スーパーマーケット協会全体に、
波及されることとなる。
心から感謝。
<結城義晴>