Ladies and Gentlemen! Good Monday!
2009年最後の週。
「厳しさに学べ!」
これがこの最後の月の商人舎標語。
12月1日のブログで宣言した。
「この12月商戦は、厳しい」
ウォルマート副社長ジョン・フレミングの言葉を引いた。
「今12月商戦は厳しくて、本格化が遅い」
その本格化が、今週末。
今週前半は、その準備の期間。
厳しい消費。
厳しい経済。
厳しい商売。
厳しい経営。
しかし、だからこそ、
その「厳しさ」に「学びたい」。
「不況は商人を鍛える」
商業界創始者の故倉本長治先生は言った。
不況に学んだ者が、
「自己革新」を遂げ、
成長を果たした。
私は、先月の終わり、
11月30日の「Good Monday」で、
そのための条件を上げた。
「こんな時に、私たちがやらねばならないこと。
それは自分の城を守ることだ」
「なにかを守る時に必要なのは、
とにかくそこに存在することだ。
デンと居続けることである」
「この12月、私たちは、
現場に居続けねばならない」
その12月の心構えを、
故上野光平先生の『自己啓発のすすめ』から引用した。
「本当の勉強とは、
学んだものをすべて忘れてしまった後でも、
なお自分に残っているものをもつこと」である。
さらに私は書いた。
「激動の12月。
浮かれることなく、
現場に根を下ろした仕事をしたい。
それが、私たちに、
本当の『学び』を教えてくれる」
まさに、この1カ月の集大成が今週。
この1年の総決算が今週。
私たちは、デンと現場に居続け、
「商売は祭りだ」と胸を張ろう。
現場にいると、こんなエピソードも生まれる。
「大晦日のちょっと良い話」
<『お客様のために 一番大切なこと』(結城義晴著・中経出版)より>
2006年12月31日、大晦日。
東北のスーパーマーケットとして、
日本有数のクォリティとホスピタリティを誇るヨークベニマルの、
ある店の社員食堂でのこと。
ちょうどお昼を過ぎた時間帯。
パートタイマーさんが3人、遅い昼食休憩に入っていた。
ヨークベニマルでは、8割がたのパートタイマーが、
自分で弁当をこしらえて持ってくるという。
倹約のためだ。
忙しい年末の仕事の中の、ほっと一息つく瞬間。
突然、鉄腕アトムのテーマ音楽がかかった。
すると3人のパートさんが、誰言うとも無く、
静かに自分たちのお弁当箱にハンカチをかぶせて、
店に出て行った。
ヨークベニマルでは、お客さんがレジに並ぶと、
店内に、耳になじんだあの鉄腕アトムのテーマが流れる。
店員さんたちに知らせるためである。
大晦日だから、当然のことかもしれないが、
昼のピークタイムが終わったにもかかわらず、
このとき鉄腕アトムが鳴り響いたのだ。
パートさんたちは、レジに入るために昼食を中断したのである。
10分ほどしてから、彼女たちは帰ってきて、
またハンカチをとって、昼食の続きをとったというが、
このさりげない姿に、
偶然にもこの店に年末の激励に訪れていた同社大高善興社長は、
ひどく感動した。
もちろん心から感謝した。
小売業の店に、お客は、毎日のようにやってくる。
もちろん商品が確かだから、この店にやってくるのだろう。
良い品が安いから、やってくるのかもしれない。
しかし、こんなパートタイマーさんがレジで迎えてくれるからこそ、
この店が好きだと思ってくれる顧客は多い。
ヨークベニマルの高い支持率は、
こういった全従業員の日常の行動に支えられている。
私は、「弁当箱にハンカチをかぶせて店に出て行くパートさん」の姿を、
想像するだけで、心がジンとしてくる。
私も心から、感謝。
[結城義晴]
これは大高善興社長から直接、聞いた話。
現場に居続けるから、
こんな感動の場面に遭遇することができる。
現場に居続けるから、
真の学びをすることができる。
皆さん、現場に居るだけでいい。
そして熱血漢・佐藤勝人言うところの「商売は祭りだ」を、
本気になって実践するだけでいい。
今週は、それだけで、
学ぶことができる。
それだけで、
成長することができる。
ありがたい今週が、始まった。
Ladies and Gentlemen! Good Monday!
<結城義晴>