2009年度第3四半期までの連結決算。
イオンは赤字。
セブン&アイ・ホールディングスは32%の減益。
赤字と減益では、天地の差がある。
しかし売上高はイオンがマイナス4%、
セブン&アイがマイナス12%。
営業利益はイオンがマイナス15%、
セブン&アイがマイナス22%。
ただしどちらのグループでも、
総合スーパーは赤字。
イトーヨーカ堂が営業赤字、
イオンの総合小売り事業も営業赤字。
その一方で、昨日、
「eビジネス推進連合会」発足が発表された。
楽天とヤフー日本法人が中核となって、
マイクロソフト日本法人、ミクシィ、
さらにサイバーエージェントなどが参加し、
500社のネット系業界団体が立ち上がる。
時代の趨勢を、そのスピードを、
肌で感じ、読みとらねばならない。
そして、行動。
“Practice comes first!”
さて、昨日は湯河原で、コーネル大学ジャパン2日目の講義。
三井物産人材開発センター。
その2階研修室。
前夜は、したたか飲んだ。
そして早朝、温泉で復活。
8時30分から、今日の第一講義。
講師は成城石井の大久保恒夫社長。
テーマは「スーパーマーケットの経営数値と生産性」
この講義、とてもよかった。
大久保さんは、強調する。
「まず、お客様が最初にある。
そのお客様の満足を実現する売り場をつくる。
そのために行動する。
その結果として数字が出る。
この考え方がいちばん大切です」
したがって、はじめに予算数値があって、
それを達成するために行動計画をつくるのは、
本末転倒ということになる。
しかし現実には、そのほうが圧倒的に多い。
そのほか、大久保さんの講義は、
大切なことばかりだった。
第二期生には、ひとつ残らず、一言も漏らさず、
習得してほしいものだ。
ちなみに、3月9日(火曜日)に、
大久保さんと私とのセミナーが開催される。
商人舎3年目記念「二人のビッグセミナー」
詳細は近日中に発表。
乞う、ご期待。
大久保さんの講義を聴講し終わって、
学習院の上田隆穂先生、荒井伸也先生、
中間徳子さんと写真。
上田先生、ありがとうございました。
わざわざ湯河原まで来てくださって、
その上、1泊して交流会にまでご参加くださった。
第二講座・第三講座は、
USP研究所所長の當仲寛哲さんが講師。
當仲さんのテーマは、
「情報システムとデータ分析(基本と応用)」
この講座は、昨年も大好評だった。
これまでの情報システムやコンピュータ活用の考え方と、
まったく異なる。
しかし昨年、この講義を聞いた第一期生の大久保さんが、
すぐに成城石井にこの仕組みを導入して、
大きな成果を上げた。
アシスタントは、USP出版編集人の鹿野恵子さん。
當仲さんが講義し、
鹿野さんがデモンストレーションする。
そのコンビネーションで、
受講生からもたびたびため息が漏れた。
第二期生もまた、「目から鱗」を何度も経験した。
當仲さんはLINUXを活用して、
小売業が自分でプログラムをつくることを推奨し、
その教育・訓練をし、指導している。
もちろん専門家に外注する機能と、
自社制作して内製化する機能の仕分けが必要。
しかし何から何まで外注化して、
膨大なコストをかけることには、
問題がある。
最後に、特別公開で、
成城石井の情報システムの一端を、
デモンストレーションしてもらって、
講義を終了。
人間が知恵を活かしてやっていた仕事を、
コンピュータに置き換える。
知恵が進化したら、またそれをコンピュータに置き換えて、
スピードアップする。
この繰り返し。
それがイノベーションである。
當仲システムは、それを可能にしている。
さて1月最後の講義は、
「食肉の生産と流通」
講師は、昨年同様、
伊藤ハム・マーケティング研究所所長の大西徹男さん。
伊藤ハムの全社的な情報網を駆使した最新数値が、
次々に公開された。
90分はあっという間に終了。
その後、全員、急いでバスに乗り込んで、
熱海駅へ。
二日間のまとめは、
バスの中で。
まるでアメリカ・セミナーのよう。
しかし、よく学び、よく睦みの二日間だった。
私たちは、そのまま新幹線で、東京へ向かった。
富士がきれいだった。
もう暗くなってから着いたのが、
東京會館。
月刊『財界』が主催する「平成21年度 財界賞・経営者賞」授賞式。
壇上に、ズラリ、選考委員が並んで、
受賞者が一人ひとり登壇。
財界賞は、茂木友三郎さん。
キッコーマン会長兼CEO。
財界特別賞は柳井正さん。
ファーストリテイリング会長兼社長。
かつては重厚長大産業のトップが並んだこの壇上。
現在は、食品産業と小売業の代表。
私はそれが、心の底から嬉しかった。
そして受賞者のスピーチが、また、
素晴らしかった。
明日に続く。
<結城義晴>