西端春枝先生から、
お電話をいただいた。
私の携帯電話とは、ホットラインで繋がっている。
商人舎が3年目に入ったことへの、
励ましと祝福。
心から感謝申し上げたい。
西端先生は、旧ニチイ創業者の西端行雄さんの奥様。
大阪のセルフ衣料店ハトヤの創業に携わって、
その後のニチイ、マイカルへの成長に貢献された。
現在、商業界エルダーにして全国女性同友会名誉会長。
いわば日本中の女性商業者・女性サービス業者のトップリーダー。
倉本長治先生に心酔し、故西端行雄さんの遺志を継承し、
日本の商業のあるべき方向性に火を灯す。
そんな西端春枝先生。
一昨年には、浄真寺で、
商人舎主催の「寺子屋塾」を開催させていただいた。
今年は、必ず実現させたいと思っている。
西端先生にも、お元気でいてほしい。
さて、今日は、節分。
明日の「立春」の前日で、
一年で一番寒い「大寒」からの節目の日。
「春が立つ」
いい言葉だ。
その節分の今朝、
「恵方巻き」を届けていただいた。
横浜市西区北幸の隣組。
相鉄ローゼンの春日徹夫社長から。
運んでくださったのは、総務人事部秘書担当の込山敦志さん。
相鉄ローゼンで、本日、販売している。
右が、「福巻(田舎巻)」
中には干瓢・穴子・ごぼう・玉子焼き・人参・おぼろ・油揚げ・高野豆腐・椎茸・ほうれん草が油揚げがぎっしりつまっている。
左が、「幸巻(海鮮巻)」
玉子焼き・まぐろたたき・たこ・サーモン・えび・きゅうり・いかが入っている。
これを一本頬張って、
恵方(今年は西南西)を向いて食べつくすと、
幸せが訪れる。
私は「良い春が立つ」と表現したい。
だからこそ、恵方巻きは節分に食べる。
コンビニエンスストアのプロモーションとして顕在化し、
日本中のスーパーマーケットや百貨店に広まった。
大変な需要を掘り起こした。
そういえば、2月14日のバレンタインデーに、
今年は、「友チョコ」が流行している。
女性から男性への愛の意思表示だけではなく、
友人同士の親愛の情をチョコレートに込めるのだそうだ。
それも良し。
商業は、どんなことでも、
顧客が喜ぶのならば、
その顧客の要請に応じる。
一歩前、半歩先、0.3歩前(『dancyu』町田成一編集長の言葉)で提案する。
その意味で、軽くなければならない。
その軽さを仕組みにしなければならない。
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。
恵方巻きも友チョコも、
どんどん提案したい。
店頭プロモーションの徹底ぶりと言えば、
アメリカのウォルマートが群を抜く。
ウォルマートの店頭には大衆のための、
「小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望」が、
満載されている。
ウォルマートは、エブリデーロープライスを標榜しているが、
価格の操作に血道をあげているわけでは、断じてない。
店頭ではむしろ、
価格以外の顧客の満足創出に躍起になっている。
ヨークベニマルやヤオコーが、
ポイントカードをやらないことと、
これは一致している。
「ポイントカードを導入すると、
店頭で知恵を出さなくなる」
ヨークベニマル大高善興社長の言葉。
商人の知識と知恵。
それが、商人存在価値。
さて、今週の『週刊ダイヤモンド』の大特集。
「安さプラスαで売れる店」
パート1では、高収益を実現するプラスαの秘密。
ABCマート、ヤオコー、ダイソー、ニトリのケーススタディ。
一般誌のライターや記者のレベルが本当に高くなった。
だから専門誌紙の編集者たちもうかうかしていられない。
その上、よく取材して、重要な企業事例を集めている。
パート2は、ファストファッションで市場激変。
ユニクロを中心にH&Mからアバクロまでのダイジェスト。
パート3は、独自の販売方法で高い顧客満足。
阪急キッチンエール、オーケー、コメリ、あさひの事例。
そしてパート4、住民から長く支持される地方企業として、
ハローデイ、ユニバース、マキオ・AZあくねが出てくる。
まさに全面展開。
いい特集だし、いい記事。
専門誌はこれに、どう対抗するか。
ちょうど㈱商業界の『販売革新』で、特集を組んでいる。
「ユニクロ・ニトリ・ダイソーは、なぜ支持されるのか」
今週月曜日の日経MJには、両者の広告が出ていた。
商業界が1面。
ダイヤモンドが2面。
こういった競争が、
どんどん生まれ、さらに激化していく。
読者にとっては、面白いことだし、有難いこと。
週刊ダイヤモンドや週刊エコノミストが、
こういった特集を組むことは、商業にとっては有難いことだ。
業界内だけでなく、他産業のビジネスマンや消費者、
アカデミズムやジャーナリズムに対して、
理解が深まるから。
「競争はあなたの仕事です」
『メッセージ』(㈱商業界刊)より。
「むしろ、はじめから競争に参画しない者、
すなわち競争を楽しめない者には進歩も革新も与えられず、
能力開発の余地もないことをこそ認識すべきでしょう」
<結城義晴>