キリンとサントリーの世紀の経営統合は、
ならなかった。
朝日新聞は「破談」と言い、
日経新聞は「経営統合断念」と表現し、
読売新聞は「経営統合交渉決裂」と題した。
昨日午後から駆け巡ったニュース。
昨年の今頃から始まり、
7月に表面化し、
11月から正式に交渉に入り、
年明けの2月8日に決裂した。
ちなみに、この日は朝刊の休刊日。
通常ならば、日経新聞が前日にスクープし、
他の新聞が翌日後追いするという経緯を経るが、
それもなかった。
私には、用意周到の「決裂劇」と映った。
キリン・ホールディングスは、
年商2兆3035億円、経常利益1030億円。
日本の食品業界第1位。
サントリー・ホールディングスは、
非上場企業ながら年商1兆5129億円、経常利益792億円。
食品業界第2位。
ビールのキリン。
ウィスキーやソフトドリンクのサントリー。
明治屋のキリンビールからスタートし、
三菱グループの優良企業のキリン。
鳥居・佐治家のオーナーシップ経営で、
「利益三分主義」のユニークさを売り物にするサントリー。
両者が両者の良さを活かして、
世界ベスト5企業へのジャンプを試みた。
世界1位ネスレ、
2位ユニリーバ、
3位ペプシコ、
4位クラフト・フーズ。
これらに次ぐ世界第5位の食品企業が誕生するところだった。
うまくできれば、
まさに「世紀の統合」となった。
うまくいかなければ、
遺恨が残ることになる。
切り出したからには、成功させるべきだったと思う。
ただし、両社の社員たちは、
ホッと胸をなでおろしているに違いない。
企業文化を守ることができたとか、
やはり独立独歩がいいとか、
社内では、そんな声が出るに違いない。
産業界・証券界・マスコミでは、
残念がる声が相次いでいる。
キリンの株価は7%下がった。
私は、加藤・佐治両社長の最初の認識は、
正しかったと思う。
二人は、夢を持ったし、
21世紀のグローバリゼーションを、
肌で感じ取っていた。
そして実行に移そうとした。
しかし、現実がその壁となった。
現実や伝統とは、常に保守的なものだ。
私にもそれはよく、わかる。
「このままではだめだ」と思って改革を始めるが、
現実と伝統がそれを阻む。
プロイセンの鉄血宰相オットー・ビスマルクの言葉。
「賢者は歴史に学び、
愚者は経験にしか学ばない」
先日のコーネル大学RMPジャパンの講義で、
日本水産㈱垣添直也社長が使ったフレーズ。
歴史に学べば、今回の件はどうなったか。
しかし、そうなると、
どの歴史に学ぶかが問われることになる。
ユリウス・カエサルとローマ帝国の歴史に学ぶのか、
徳川家康と江戸300年の歴史に学ぶのか。
これからは、やや遺恨が残ったキリンとサントリーの、
社員たちの対抗意識のエネルギーに期待しよう。
ちなみにアサヒビールの連結決算は、
6年連続で過去最高の純利益を出した。
社長には泉谷直木専務の昇格が決まって、
こちらは若返りが図られる。
さて、昨日から始まったビッグサイトでの大イベント。
第44回スーパーマーケット・トレードショー。
今年は、私の交友録を中心にお届けしよう。
7万人が来場するとは言っても、
ここに参加できない人の方が圧倒的に多い。
だからブログ上で、少しでもご紹介。
明日は商人舎総出で取材。
昨日は私と松井康彦エグゼクティブ・プロデューサー、
亀谷しづえゼネラルマネジャー。
今日は、川勝利一エグゼクティブ・アドバイザーが加わるし、
明日はエディトリアル・スタッフの鈴木綾子が参加する。
昨日の開会式に引き続いて、
スピークスの筆頭は、
横山清(社)日本セルフ・サービス協会会長、
第44回スーパーマーケット・トレードショー実行委員長。
タイトルは「小売業の現状と展望」
戸籍のない産業スーパーマーケットが、
この不況の時代を乗り越え、
明日の日本の消費産業の中核となっていく決意が、
込められた「力強い講演」だった。
「変化が起きてからの対応では遅い。
一歩先、1ミリ先でもよいから、その変化を読みとる」
それが戸籍を持った産業への第一歩。
横山さんは、最後に語った。
「もう75歳ですが、この顔色を見てください、大丈夫です」
講演の後で、横山会長と話した。
「来年はもっと時間を取って、しっかり話したい」
まだまだ元気です。
会場中央のVIP席に、盟友鈴木國朗先生登場。
㈱アイダスグループ代表取締役。
松井&結城と、さまざまな情報交換&写真。
アイダスグループも、数名の研究員とともに、
この会場で猛勉強。
コンサルタントも勉強に次ぐ勉強が大切だ。
続いて、㈱プログレスデザイン代表取締役の西川隆さん
ブルーチップ㈱常務取締役 宮本洋一さんと。
西川さんにはTBSテレビの取材カメラが入っていた。
カンブリア宮殿に続いて、番組に出演する。
最近は、流通業やスーパーマーケットの番組が増えた。
とてもよいこと。
私も急きょ、即席コメンテーターで、
水越洋子ディレクターの質問に答えた。
この後も次々にブースから声がかかる。
松井・結城で歩いていると、知り合いばかり。
なかなか前に進まない。
㈱ヤマトのブースで。
事業開発本部営業開発部長代理小板橋良男さんらと。
エコストア研究会の有力メンバー。
㈱リブネットのブースでは、取締役の竹内憲太郎さんと。
コーネル大学RMPジャパン伝説の第1期生。
元気そうでなにより。
今回のトレードショーでも最大小間数を誇る寺岡精工の巨大ブースに到着。
システムレジチェッカーのデモンストレーションを展開していた。
レジチェッカーおよび部門チーフに扮した役者、
老婆、主婦、高校生、サラリーマン、OLなど顧客を演じる役者。
彼らが一斉にレジに殺到した時に、
このシステムでは、よどみなく顧客をさばく。
それがデモンストレーションとして、展開された。
㈱協立商会顧問の城倉孝三さん、
㈱寺岡精工営業企画室室長三木桂さんと。
長いお付き合いです。
城倉さんは、66歳で、悠々自適。
さらに寺岡精工の木場田征夫さん。
木場田さんとも、20数年のお付き合い。
今年1月に65歳になられて、
未だバリバリの現役。
そして、ブログ同志。
左が「ウォルナット」こと森川祐紀生さん。
右は「酒バイヤー」こと矢坂英司さん。
酒バイヤーさんとは、織姫と彦星。
毎年、ここでしか会うことができない。
ウォルさんは、「ほぼ毎日更新」のブログ仲間。
みんな元気でいてほしい。
㈱岡村製作所のブースで、
マーケティング部長 山本文雄さんらと。
日進工業のブースを歩いていたら、
㈱セイミヤの加藤勝正社長。
日本のスーパーマーケット業界で、
間違いなくナンバー1の勉強家。
「会長は商業界ゼミナールです」
加藤榮一セイミヤ会長は、商業界エルダーで、
このトレードショーと開催が重なってしまって商業界ゼミに参加中。
加藤社長は、トレードショーで熱心に勉強。
これも良し、それも良し。
開催が重なったのは、困るが。
㈱グリーンファクトリーのブースで。
同社代表取締役の田村弘一さん、
㈱スズキヤ代表取締役の中村洋子さんと。
田村さんはご存知、クイーンズ伊勢丹元社長。
現在、商品開発会社の社長。
相変わらず「いい仕事」してます。
洋子社長も、この協会には欠かせない重鎮。
私のブログの大ファンで、
感謝に堪えない。
「毎日、結城さんに会ってる気がする」などと、
言ってくださる。
ありがとうございます。
㈱美多加堂のブースで、いちやまマート社長の三科雅嗣さん、発見。
綺麗どころと写真撮影中。
ここでは、せんべいに自分でたれをつけて食べる提案。
私たちもいただいた。
杉田昌之社長自ら説明してくれた。
感謝。
ブース内には荻生徂徠や棟方志功がさりげなくかけられていて、
異質の空間をつくっていた。
江崎グリコ㈱のブース。
営業一課長渡邊武さんと握手。
コーネル大学RMPジャパン伝説の第1期生。
その中でも、さらなる伝説をつくった逸材。
三井食品㈱副社長執行役員の大橋幸多さんと。
コーネル・ジャパンではお世話になっています。
このブースの面白いコーナー。
愛犬と一緒に食べられるスィーツ。
同じケーキを愛犬とともに食べる。
これが人気を博しているとか。
私たちも試食。
スウィートポテトのケーキがおいしかった。
我が家の「ジジ」とは一緒に食べられないが。
日本アクセス北海道㈱販促本部長・大上宏之さん
販促第一部長 三島達也さんと。
昨年の商人舎アメリカ視察セミナーでご一緒した。
みなさん元気で、私もうれしい。
そして最後は、㈱キングストアー専務の臼井旬さん。
商業経営問題研究会のメンバー。
臼井さんもとても熱心な勉強家。
最後の最後に、コーネル大学RMPジャパンのブース。
美女二人。
FMIジャパン事務局長の中間徳子さんと、
コーネル大学RMPジャパン事務局の太田美和子さん。
私も、ここに居ることが多いでしょう。
たぶん。
いや、動き回っているか。
とにかくおいでください。
握手大会、しましょう。
<結城義晴>