結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年02月13日(土曜日)

プラネット玉生弘昌社長との「知識商人」対談は至福の時間

カナダ・バンクーバーで、
冬のオリンピックが始まった。  

不況や天候異変の中で、
人間が、自分の英知と肉体の限界に挑戦する。

この17日間、世界も日本も、
のびやかな気分になる。

とてもいいことだ。

小売商業・サービス業は、
目いっぱい、オリンピック選手を応援し、
さらに応援する顧客を支援し、
それを仕事として、励みたいものだ。

何でもかんでもきっかけにして、
自分を元気づけ、お客を勇気づける。

それが私たちの仕事。
ある意味で軽いし、
節操もない。

しかし、誰かにそれが、
今、求められている。
だとすればそれを担うのは、
商業・サービス業だ。

一心太助のように、
「あいよっ」と、
元気に引き受けて、
人を喜ばせる仕事に打ち込みたい。

バンクーバーといえば、
カレン・マグヌセンという銀メダリストがいた。  
フィギアスケーター。
確か私と同い年で、応援していた。

1972年の札幌オリンピックで、
金メダルはオーストリアのシューバに奪われ、
人気は銅メダルの米国ジャネット・リンに遅れをとったが、
それに屈することなく、
さわやかで懸命な演技を見せた。

人気も実は、ジャネット・リンと二分していた。

もう57歳のおばさんになってしまっているだろうが、
懐かしいものがある。

今日の日経新聞経済コラム「大機小機」。  
日本の若者が、自動車離れを起こしていることが書かれている。

「厳しい経済情勢の下で、
若者はリスクを取らない堅実な志向をより強めている」

「クルマを買わない日本の若者は、
デフレの時代を生きていく知恵を身につけている」  

「インフレ時代の生活から抜け出せない団塊世代よりも、
よほど賢いといえるかもしれない」

コラムニストの枯山水氏は、
その団塊の世代に違いないが、
「若者の知恵」を評価する姿勢には、
同感したい。

昨年亡くなったロバート・鈴木氏が、
ツアーのバスの中で紹介した「Today」紙のエピソード。

消費大国のアメリカ人も「もったいない」のマインドを持ち始めた。
カッコイイことを「in」といい、
カッコ悪いことを「out」というが、
inとoutに逆転現象が起こり始めた。  

新車をもつことはout、
公共交通機関を利用することがin。

ペットボトルで飲むのがout、
水道水を飲むのがin。

ラスベガスでギャンブルするのはoutで、
家でブラックジャックを楽しむのがin。

環境も安全も、健康も命の大切さも、
21世紀的なinであって、
20世紀の消費はout。

私たちの難しさは、
その中から新しい必需の消費を導きだして、
購買を促し、経済を活性化させることにある。

安かろう悪かろうで、
無理やり既存の消費を先取りし、
目先の成績を上げることではない。

「質(たち)の良い売上げ」をつくることだ。

そんなときに、顧客のマインドを知ることは、
極めて大事になる。
それがマーケティングのスタートとなる。

さて昨日は、午後から、東京・芝浦へ。
㈱プラネット本社。

玉生弘昌社長と「知識商人登場」の対談。  
CDオーディオセミナーの第19回目。
玉生さんとの会話は、私にとって、
至福の時間。

プラネットは、1985年にVAN運営会社として出発し、
現在は、メーカーと卸売業の間を結ぶ情報インフラの役割を果たす。
さらにメーカー・卸と小売業、小売業と顧客を結ぶ機能を獲得しつつある。
称して「総合インフォメーション・オーガナイザー」。

メーカーと・卸、および小売業間はEDI。
小売業と顧客はPOS、それもFSPが可能なID‐POS。
この両者を連携させて、
サプライチェーン全体で、
顧客との間に情報を還流させる仕組みつくることをECR。  

私はそう理解している。

用語の意味は、プラネットホームページの「用語集」から。
まずEDI(イーディーアイ、Electronic Data Interchange)は、
企業間電子データ交換のこと。
受発注や決済などの商取引情報を、標準的書式(標準フォーマット)に統一し、
企業間でコンピュータネットワークを介して電子的に交換する仕組み。

POSは(ポス、Point Of Sales system)は、
店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、
集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いるシステムのこと。
「販売時点管理」などとも訳される。

ECR(イーシーアール、Effective Consumer Response)は、
効率的な消費者対応のこと。
消費者ニーズへの対応を目的として、メーカー、卸業者、小売業者が連携し、
流通システム全体を効率化しようとする取り組み。
消費者を基点とした製品補充、販売促進、
品揃え、新製品導入の効率化が取り組みの柱である。

プラネットは、ECRを目指して、
日用雑貨・化粧品・ペット用品・OTCの分野で、
圧倒的な業界インフラとなるEDIを構築した会社で、
POSでのフリークエントショッパーズプログラムをも視野に入れる。  

玉生さんは、そんなコンセプトやこれまでの経験を、
すらすらと、流れるように語る。

プラネットは、昨年7月末の決算で、
年商24億9000万円、経常利益4億5000万円。
経常利益率はなんと18%。  
総資産が24億5300万円だから、
総資本経常利益率ROAが18%。
ジャスダックに上場する超優良企業。

会社は、大きくなくてもよい。
産業界や社会にとって、唯一で、
しかもなくてはならない役割を果たすのがよい。

そのモデルが、プラネットという会社なのだ。

今回のCDオーディオセミナーも、絶品。
是非のお試しをお勧めしたい。

今回、私は、完全に聞き手にまわった。
ときどき合いの手を入れて、
専門的なことに対して質問したり、
私なりの解釈で用語の解説などするだけ。
だからIT分野の話だったが、本当に分かりやすくなったと思う。

商人ねっとのスタッフたちも、
目からウロコで、うなづいてばかり。

とくにバイヤーの人たち、商品に興味のある人たちには、
プラネットの「バイヤーズネット」の活用を勧めたい。
IDとパスワードが必要だが。

対談の最後は、情報システムの「レガシー問題」。
それから「インフレ・ターゲット論」にまで至った。

コンピュータシステムが「残滓的遺産」となっている企業がある。
そんな会社にはCIOの存在が必要だというのが、
玉生さんの持論。
OFCとはチーフ・インフォメーション・オフィサーのこと。
情報システム担当経営者。
経営者が情報システムを勉強してCIOになるか、
情報担当を経営陣に抜擢して経営を勉強させてCIOにするか、
それともスカウトしてくるか。
この三つしかない。

しかしCIOはどの会社にも必要。

インフレ・ターゲット論は、
ポール・クルーグマンが展開する大胆で激辛のデフレスパイラル対策。
玉生さんはそれに独自の見解を加えて、
鳩山政権に提案している。

最後に、玉生さんの座右の銘。
「堅忍不抜」  

ひょうひょうとした「堅忍不抜」を、私は堪能した。

対談が終わって、プラネットのオフィスから、
東京湾を望む。

3月初めにこの絶景のオフィスから移転する。
残念。

商人舎と商人ねっとの企画に、
プラネットが乗ってくれた。

しり取りみたいな対談だった。

多謝。

<結城義晴>  

追伸。
今週も商人舎ホームページと毎日更新宣言ブログを訪れてくださって、
心から感謝。

本ホームページの五十嵐ゆう子のWeb小説「Thank you~命をありがとう
ファン激増中。
ご愛読を。

よい週末をお過ごしください。

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