めっきり春らしくなったと表現したら、
もう、春真っただ中のような陽気。
このままいったら、どうなるのか。
どんな夏になるのか、心配なくらい。
昨日は、日本中、
バンクーバーに心が飛んだ。
女子フィギアスケート。
そのショートプログラム。
浅田真央、
キム・ヨナ。
誕生日も20日違いの同い年、
19歳。
不調続きだった浅田が、
もてるものをすべて表現した。
「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」
日本電産社長の永守重信さんの言葉。
浅田が身を削る練習をしてきたことが、
見る者によくわかった。
対するキム・ヨナの精神力にも、
恐れ入った。
「ライバル」といわれる存在。
率直に、自分にもほしくなるほど。
二人がとても、
うらやましく感じられた。
33年前、私は㈱商業界に入社した。
『販売革新』編集部に配属された。
そこには1年先輩がいた。
高浜則行といった。
長崎県大村市出身の一つ年上。
驚くほど文章がうまかった。
私たちはとても仲が良かったし、
競い合った。
毎号『販売革新』の雑誌が刷り上がると、
二人だけで合評会をした。
編集長の記事、先輩の記事、大御所の記事、
企業や店、人物の評価。
自分たちの記事も当然、
合評した。
毎月毎月、私は、
高浜則行に負けまいと記事を書いた。
締め切りになると、
何日も徹夜した。
いつも高浜則行の記事のページを開いて、
机の前に立てかけた。
そして、これに負けまいと、
自分を鼓舞した。
私にとって、
良きライバルだったと思う。
6年ほどして、
彼は、退社した。
その後、彼は、
『2020』誌の編集長などを務めた。
私は、会社に残って、
『食品商業』の編集長になった。
現在は、互いに連絡はない。
残念ながら。
しかし高浜則行というライバルの存在がなかったら、
今の私はない。
追いつけ追い越せの目標。
負けまいとするターゲット。
どんなときにも、
それが必要だと思う。
今のあなたに、
良きライバルはあるか。
あなたの会社に、
相手を尊敬できる企業はあるか。
あなたの店に、
学びつつ、自分を鼓舞する店はあるか。
翻って、今の私に、
良きライバルはあるか。
見当たらなければ、
今、高浜則行を探さねばならない。
終生のライバルというのは、
なかなか見つからないかもしれない。
それでも、その時その時、
心から尊敬できるライバルの存在は必要だろう。
浅田真央とキム・ヨナをうらやましく見つめながら、
ライバルのことを考えた。
高浜さん、
連絡ください。
だれか、このブログを読んでいる人で、
高浜則行を知っている人がいたら教えてください。
高浜さんに、
無性に会いたくなった。
<結城義晴>