結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年02月21日(日曜日)

ジジとバンクーバー[2010日曜版⑧]

おとうさん。
聞こえてきませんか?
mimi1

耳をたててみる。
2
聞こえてきませんか?

ほら、おとうさん。
聞こえてくるでしょう。

おとうさんは、耳。
3
たてられないの?

日ざしも、あたたかくなってきた。

でも、あれが、いります。
4
どこにいったのでしょう。

こっちでしょうか。
2

あっちでしょうか。
6

ん~、これです。
7
テレビ、テレビ。

バンクーバー。
オリンピック。
8

ボクも、みたい。
10
オーエンしたい。

すごいジャンプ。
11

ナガモリさんというひとが、
いいました。

「すぐやる・かならずやる・できるまでやる」

そうしたら、ニホンの
ナガシマさんとカトーさんが、
メダルをもらったらしい。

オリンピックにでるひとは、
みんな、そうなんでしょう。

そうして、こんなに、
すごくなったんでしょう。

「すぐやる・かならずやる・できるまでやる」

ボクにも、できるかもしれません。

「すぐやる・かならずやる・できるまでやる」

ボクも、明日にむかって、
希望をもって生きてみましょう。
12
もうすぐ、春です。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年02月20日(土曜日)

関西スーパー50周年感謝の集いでの「100年の考察」と「祈り」

まず[お知らせとお詫び]。  
この商人舎公式ホームページ以外に、
もう一つの[結城義晴毎日更新宣言ブログ]があることを、
ご存知の方もいらっしゃると思います。

その「ロリポ・ブログ」が昨夜から、
サーバーの不具合でアクセスできなくなりました。

ご迷惑をおかけしております。

ロリポブログは、3年前の2007年9月9日9時9分からスタートし、
yuukiyosiharu.comのアドレスで、
私にとって愛着の深い存在です。

しかし、商人舎として、
商業・サービス業の新しい総合サイトを目指して、
昨2009年1月9日からこのサイトを創設し、
実質的な移転を試みました。

ところが当初は、新しいサイトには、
携帯電話からのアクセスができなかったために、
ロリポブログの「旧店」をそのままにして、支店とし、
「新店」を本店として、昨日までやってきました。

その旧店・支店に事故が発生したということです。
ご迷惑をおかけしております。

すぐに復旧する予定ですが、
この機会に、旧店の閉鎖をしようと思います。

リアル店舗では、お客様のアクセスの問題があります。
しかし、バーチャル店舗では、それはありません。
新しいアドレスを「お気に入り☆」に入れていただくだけでよいのですが、
それすら面倒な手続きのようで、
実際に、これまでの1年間、
旧店舗でお楽しみになった方々が、
半数近くもいらっしゃったわけです。

その意味では、バーチャル店舗でも
支店経営・チェーンストア経営は、
少しは効果があるのかとも考えたりします。  

もちろん多店経営の手間とコストは、
それなりにかかるわけで、
変なところでチェーンストア経営の問題を、
実感したりしてしまいました。

さて、昨日は、大阪・帝国ホテル。
㈱関西スーパーマーケット創業50周年感謝の集い。  
その記念式典と懇親会。
1

小売業界、製造業・卸売業、関連産業から、
約700名のトップマネジメントの方々が参集し、
関西スーパーの半世紀の軌跡に思いを馳せ、
次の半世紀を展望した。
2

まず冒頭に、50周年記念ビデオの上映。
次に関西スーパーマーケット第二代・井上保社長のご挨拶の後、
来賓を代表して、伊藤忠食品㈱の濱口泰三社長の祝辞。

そして記念講演は、結城義晴。
演題は、
「スーパーマーケットの『100年』を考える」  

3
㈱商業界の50周年の時にも、私は次の50年を展望した。
そして「五十年宣言」を起草した。

日本セルフ・サービス協会50周年の時にも、
次の50年を展望し、100年に向けて、
「人を残す」ことを提案した。
その結果、多くの方々のご尽力で、
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンが、
創設され、「産業内大学」として現在、第二期が進行中。

50周年は次の50年のためにある。

関西スーパーの50周年には、
紀ノ国屋の50周年に似た産業全体の意義がある。
関西スーパーは、産業化のためのプラットフォームを、
提供し続けてきたからだ。

したがって私の記念講演は、
そのことの意味を問う内容となった。
4
私にとっても、感慨深い内容だった。
なにしろ私のジャーナリスト、研究者としての原点は、
関西スーパーにあるからだ。

昭和53年の冬、私は、関西スーパー広田店と下坂部店で、
実習研修を受けた。

そこから現場の重要さ、オペレーションや店舗づくりの、
イノベーションを学んだ。

私にとって、どれだけの財産になったかわからない。

そして次の50年に向けて、
関西スーパーは、数限りない、小さなイノベーションを、
連続的に展開しなければならない。

これこそ日本中の小売業・商業の使命である。

それが全体として、「商業の現代化」を果たす。
私が描く50年後の商業世界は、大きくて豊かな「森」である。

大木がそびえていれば、雑木も生えている。
綺麗な花も咲いていれば、雑草も生い茂っている。

かつては大木がなかった。
それが近代化の中で登場した。
森の様相は一変したが、
大木だけの森は、豊かではない。

関西スーパーは、そんな大きくて豊かな森の中で、
どんな役目を果たすのか。

それが、関西スーパーのビジョンである。

この会合の最後に、井上保社長がその一端を明らかにした。
三つのビジョン。
「食を守る。食を育む。食を楽しむ」  

いいビジョンだと思う。

私自身、ジンとすることも多い講演だった。
ご清聴、感謝したい。

記念式典の後、北野祐次名誉会長、井上社長と写真。
5

そして、懇親会。
冒頭で北野名誉会長のご挨拶。
85歳になられる。
6
左目がお悪くて、完璧主義者の北野さんは、
歯がゆくてならないのだろうが、
スーパーマーケットの店に入った途端、
しゃきっとして50代のリーダーに戻る。

その元気な姿が、周辺をまた、元気づける。
7

来賓のご挨拶は、齋藤富雄兵庫県副知事。
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さらに地元の藤原保幸伊丹市長。
9

そして最後にこの人、荒井伸也さん。
作家として活躍し、同時にオール日本スーパーマーケット協会会長。
コーネル大学RMPジャパン首席講師。
10
荒井さんの祝辞の趣旨は、はっきりしていた。
「関西スーパー方式の価値は、これからますます高くなる。
世界中のスーパーマーケットが、
関西スーパー方式なしには成り立たなくなる」

その後、着席の懇親会。
参加した人々にゆっくり、しっかり、
食事してもらいたいという関西スーパーの配慮。

「食を守り、食を育み、食を楽しむ」  
井上イズムが、懇親会にも貫かれていた。

楽しむという面では、余興は夫婦漫才、大助花子。
11
「食と健康」をテーマに笑わせ、考えさせてくれた。
その上、大助さんは井上社長と兄弟のように瓜二つ。
最後に二人の握手で盛り上がった。

私は、昨年、この記念講演の講師を依頼されたときから、
ずっと緊張していた。
プレッシャーを感じ続けていた。

やっと、今年が明けたかのような、
すがすがしい気持ちだった。

講演の最後の言葉。

[祈り]
変わるものを変えられる勇気を、
変わらぬものを受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を、
お与えください。  

(ラインホールド・ニーバー)  

<結城義晴>  

2010年02月19日(金曜日)

商業経営問題研究会とライフコーポレーション新東京本社披露懇談会

ひと雨ごとにあたたかく。
まさにその通り。

ひと霙、ひと雪ごとに、
あたたかく。
こちらの方が当たっているかもしれないが。
来週はもう、春めいてくる。
待ち遠しい。

さて昨日は、午後から、
日本スーパーマーケット協会の会議室をお借りして、
商業経営問題研究会。  
リテール・マネジメント・ラーニング・サークル。
略して、RMLC。
1
RMLCメンバー大塚明さんから最初のご挨拶。
日本スーパーマーケット協会専務理事。

10年以上も前にスタートした「杉山ゼミ」。
ご存知、飯能の「流通仙人」杉山昭次郎先生が座長だった。
ごくごくまじめな研究会。
『ヤオコー・スタディ』(未刊)という大作が、
この研究会から生まれた。

杉山先生が隠遁生活に入られてから、
故磯見精祐さんがリーダーとして、
研究会は続いた。

磯見さんが突然逝ってしまってから、
先輩方を差し置いて若輩の私が、座長。
私が㈱商業界を退任したので、
何か肩書きをつけてやろうという諸先輩の温かいご配慮。

代表世話人は、
コンサルタントの高木和成さん。  
2

今年から、㈱商人舎に事務局が変わって、
そのキックオフ例会。

新たな世話人は、
リテック商業技術研究所代表の杉田幸夫さん、
食品流通研究会会長の井口征昭さん、
SJ流通戦略研究所代表の和田光誉さん
に決まった。

半年間は、「日本の百貨店と総合スーパーの戦略」を研究することになった。
そのための議論はもう、待ちきれないというくらいに、
活発に出始めた。

商業経営問題研究会。
材料を集め、議論を展開し、
新しい提案を生みだした上で、
秋には成果物を発表することになる。

大いに期待していただきたい。

RMLCは少し早く切り上げさせていただいて、
日本橋からタクシーで浅草橋まで。
大塚さん、高木さんとご一緒。

そして㈱ライフコーポレーション新東京本部。
l1

新東京本社披露懇談会。
l2
地下の会議室での懇談会の前に、
5階から順に社内を視察させてもらった。
新しい社屋は、新しい意気込みで充満していた。

変えなくてよいものは、変える必要はまったくない。
しかし変えねばならないものは、ためらいなく変える。
それがこの新東京本社に表れていた。

会場一番乗りで、
恐縮しつつも図々しく、
開会の前に、
壇上で岩崎高治社長と握手。

大塚さん、高木さんも加わって、
壇上で記念写真。

それから御大のお出まし。
㈱ライフコーポレーション代表取締役会長兼CEO。
日本スーパーマーケット協会名誉会長、
社団法人日本セルフ・サービス協会名誉会長。
その他に公職の肩書きが30近く。
清水信次さん。
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7月にはもう一つ公職が増えるはず。
清水信次の最後の命をかけた仕事。
参議院議員。
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私は、「商業の現代化」を標榜している。
そのために必ず必要となる要素の一つ。
政治・行政との正常な関係作り。
商業の社会革命のために、
政治・行政と正面から向き合って、
そのうえで実行していく商業でなければいけない。

あくまでも、「お客様のために」。

そのために、最後の命をかける清水さんを、
私は心から応援したいと考えている。

清水さんの、熱のこもった話。
「商業・流通業を代表し、
さらに高齢者を代表して国会に行く」
力強い意志がこもっていた。

続いて、岩崎高治社長の、
「本来の挨拶」。
i
新東京本部移転を契機に、三つの政策を断行していく。
①インフラの整備
②基本を徹底した営業政策
③年間10店近くの出店

どれもオーソドックスで、
言ってみれば身も蓋もない話。
しかし岩崎さんの戦略物語は、
それが最重要で、しかも早道であることを、
聞く者に納得させる。

不況・不振の今、オーソドックスがいちばんいい。

岩崎さんに続いて来賓挨拶は、参議院議員の蓮舫さん。
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例の事業仕分けのヒロイン。
蓮舫さんの父君は清水さんの同志であり親友であった。
しかし清水さんが立候補したら、
「民主党の後輩になる」と笑わせた。

乾杯の挨拶と音頭は、川野幸夫さん。
日本スーパーマーケット協会会長にして、㈱ヤオコー会長。
k
川野さんのスピーチ。
実によかった。
どんどんよくなる。

驚くべきこと。

協会会長になってから、
こういった機会が増えたことは確かだが、
皆さんも一度機会があれば、
聞いてみてほしい。

いつも必ず、スーパーマーケットとは何かが、
違った表現で川野さんのことばで語られる。

そして、乾杯。

そして懇親。

㈱平和堂社長の夏原平和さんと川野さん、大塚さん。
n

㈱エコス会長の平富郎さんとイオン㈱取締役会議長の原田昭彦さん。

CGCジャパン副会長の川一男さん。
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そして日本リテイリングセンター事務局長の宮本田鶴子さん。
ちなみに渥美俊一先生の奥様。

そして左からイトーヨーカ堂社長の亀井淳さん、
イオンの原田さん、
㈱大創産業社長の矢野博丈さん。
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そしてもう一人の御大。
イトーヨーカ堂創業者にして、
セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。
伊藤雅俊さん。
i
私たちの視点の先には……。

この懇談会第一の人気者・蓮舫さん。

蓮舫さんも、7月の参議院選挙では改選組。
民主党東京選挙区から立候補する。
蓮舫議員とスクラムを組んで、
清水信次さんが全国比例区から立候補の予定。

中締めは、ライフコーポレーション副社長の下吉博孝さん。

清水さんには元気に使命を全うしてもらいたいと思う。
岩崎さんにも、求められた仕事を果たしてもらわねばならない。

日本のスーパーマーケットの時代は、
まさに、これからだ。

  <結城義晴>

2010年02月18日(木曜日)

渡部恒三の「いい人」と青木功・中部銀次郎の「我慢と忍耐」

昨日のブログで、
日本電産社長・永守重信さんの言葉を紹介した。
「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」  

私の単行本の担当編集者・新垣宜樹君が電話してきた。
「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」で、
お願いします。

「でも、体にはくれぐれも気を付けてください」

うまい!

しかし、昨日のブログは金メダルを目指すことで、
この言葉を使った。
会社の再建のときにも、
この言葉は適用できる。

私の場合は、常にこのブログ命。
「すぐ書く・必ず書く・できるまで書く」  

何事もいちばん大切なことに関して、
「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」と、
永守さんは言っている。

何でもかんでも永守信条を当てはめていたら、
新垣君ではないが、身がもたない。

もちろん今の私にとって、
単行本はその最も大切な仕事の一つだが。

これは、みなさんにも、
言っておかねばと思った。

あなたのいちばん大切なことは何?
あなたが今、いちばん大切なことは何?  

売場をつくること?
お客様を喜ばせること?

店を運営すること?
会社を経営すること?

他人から押し付けられたことを、
「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」必要はない。

自分で考え、自分でやりきろうと考えたいちばん大切なこと。
それだけを、「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」

さて、国会。  
鳩山由紀夫総理、谷垣禎一自民党総裁。
両者による党首討論。

民主党の長老・渡部恒三氏が見ていて、
「とにかくどちらも人がいい」  

これもうまい!

しかし「人がいい」ことは、
リーダーとして「いいこと」ではない。
現代は難しい。

では「いい人」にはなってはいけないのか。
そんなことは断じてない。

「いい人」になりたかったら、
総理総裁にはなってはいけないということ。

ルネッサンスの政治哲学者マキアベッリは、
チェーザレ・ボルジアをみて『君主論』を書いた。

君主は「いい人」ではいけない。
渡部恒三氏は、それを言った。

株価市況。  
日経平均で272円高。
今年最大の高値。
欧米の株価が軒並み高。
資源・輸出関連が買い戻された。
しかしこれも他力本願。  

経済人。  
3月26日にアサヒビール社長就任予定の泉谷直木さん。
口癖は「時代は常に変化する」。  
テレビCMでは「ビールでナンバー1」を強調するが、
ビール系飲料全体では昨年、キリンに第一位の座を奪われた。

これも「時代の変化」の一つ。
現場の変化を見定めて、
「次の手を打ちたい」

商品。  
ファーストリテイリングのユニクロが、
「UJ」ブランドを立ち上げた。
1990円のジーンズを中心価格帯に、
2990円、3990円の3プライス。
54アイテム。

これこそ「最良のベーシック」  
昨年の3月の商人舎標語。

3年後には世界第1の販売数を誇るジーンズにすると、
柳井正会長兼社長の鼻息は荒い。

日経新聞の「私の履歴書」  
プロゴルファーの青木功の物語。
中部銀次郎さんが登場。
私が最も尊敬するアマチュアゴルファーの至宝。
2001年に59歳で早世。
中部、青木は同い年で親しかった。

1973年のとうきゅうオープンで青木は優勝。
しかし最後に50センチのパットを外して、
かろうじて1打差で勝った。

中部は、青木に言った。
「あそこで入れて2ストローク差で終われば、
お前のことを嫌がるようになる。  

一緒に回ったらまたやられるんじゃないかと思うだろう。
それを次に試合のステップにしなさい」

それ以来、青木は俄然、
勝負強くなった。
試合を投げなくなった。
「我慢」と「忍耐」を覚えた。

結果的にこれで「いい人」から脱却した。  

さて昨日は、横浜の商人舎オフィス。
一日中、来客への対応と単行本の校正。

その来客は㈱万代執行役員の黒田久徳さん(中央)、
㈱エクゼの前田仁さん(右)、
㈱JTB西日本の小阪裕介さん(左)。

皆さん、わざわざ大阪からやってきてくれた。

5月にアメリカに行く。
10月にはシアルに行かねばとも思っている。

これは「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」ではないが。

<結城義晴>  

2010年02月17日(水曜日)

銀銅メダルの後ろに「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の永守信条あり

バンクーバーの冬季オリンピック。
スピードスケート男子500mで二人のメダリストが出た。

銀メダルの長島圭一郎選手、
銅メダルの加藤条治選手。

二人は同じ会社・日本電産サンキョーに属する。
旧社名・三協精機製作所のほうが通りがいい。

日経新聞の一面巻頭コラム「春秋」が取り上げている。

2003年度まで3年連続赤字で、
日本電産に買収され、現在に至る。

その日本電産社長の永守重信さんの持論。
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」

日本電産は30坪の工場から始まった。
ハードディスク駆動装置のモーターで世界首位の企業となった。

その永守さんの信条こそが、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」

それが今回も、
長島、加藤両選手に貫かれていた。

旧三協精機買収後の再建の間も、
永守さんはスケート部を廃部にはしなかった。

そして永守さんは、
「金メダルをとってこいよ」と選手を送りだした。

だから、金メダルをとるまで、
スケート部は、あきらめないに違いない。

「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
いい話だ。

私の本『メッセージ』の第7章[経営と組織]
「ウォルマートになぜ、大企業病がないのか」から。

そのためにウォルマートは三つの原則をもつ。
知らせる。すぐやる。徹底する。
ウォルマートには三つの鉄則がある。
知らせる。すぐやる。徹底する。

朝日新聞経済欄のコラム「経済気象」
「民を貴しとなす」のタイトル。

トヨタの大量リコール問題。
「運転者の感覚や反応への気配り」を欠いた。

コンピューター制御による最新技術ブレーキシステムを、
「誰もが当たり前に操作できるはず」と思い込んだ。

バーナンキ米連邦準備制度理事会議長。
米議会で辛くも再任承認。

オバマ民主党。
マサチューセッツ州で連邦上院補選に敗北。

日本政界では自民党の拙攻。
国民が何を切実に求めているかの理解がない。

だから鳩山政権の支持率が下がっても、
自民党の支持率は上がらない。

「グローバル化を背景に広がる『ポピュリズム』を、
経営者も政治家も官僚も理解できていない」。

ポピュリズムとは「大衆迎合主義」と訳される。
しかし「民を貴しとなす」に改めるべきだ。

私たちの日本国憲法。
「主権が国民に存することを宣言」する。

そのうえで、基本的人権の尊重と平和主義。
この三つの考え方を謳う。

すべての小売業・サービス業も、
この三つの考え方を基盤としている。

「ポピュリズム」に対して、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」

「民を貴しとなす」に対して、
「知らせる・すぐやる・徹底する」

政治家や役人だけではない。
実務家にこそ「ポピュリズム」は不可欠だ。

<結城義晴>

2010年02月16日(火曜日)

恩藏直人早大教授の「五つの顧客価値増大」と結城義晴「利益を上げる五つの方法」

ひと雨ごとにあたたかく、
ひと雨ごとに春がくる。

今週の横浜は、
まさにそんな感じ。

一昨日は、
完全徹夜。

だから昨夜は、
泥のように眠った。

そして今日、
単行本の集中校正の日。

勘案の仕事が、
もうじき終わる。

さて、日経MJが連載を展開。
「食品スーパー逆風下の活路」

デスクの白鳥和生さんが、
見出しを付けた。

「PB脱『粗製乱造』に転換。
質と割安感の両立 重要に」

この中で、甲府のいちやまマートの「美味安心」と、
ベイシアのPBの事例が最後に出てくる。

美味安心は、添加物を使わないPB。
ベイシアは、イオン、セブン&アイより1~2割安いPB。

「単に低価格PBをつくれば売れる時代は終わった。
いかにこの店にしかない商品としてPB開発を進めるか」

日経MJは、
こう結論付ける。

「顧客のニーズと、
自社店舗の個性」

両者の見極めが重要と、
日経MJは結論付ける。

もちろんここでいう「顧客」は、
自社のカスタマー。

自社のカスタマーのニーズに対応することで、
自社店舗のオリジナリティが出てくる。

いちやまマートの立地にも、
ベイシアの政策を喜ぶ客はいる。

ベイシアの商勢圏にも、
いちやまマートの美味安心を渇望する客はいる。

どんな顧客を、
わが社のターゲットにするか。

そのこと自体が、
自社の個性となる。

これをマーケティングでは、
「ターゲティング」という。

そして自社の戦略をマーケットの中で明確にすることを、
「ポジショニング」という。

プライベートブランド開発においても、
ターゲティングとポジショニングが必須。

それを最も丁寧に組織的に展開しているのが、
イギリス第一位の小売業テスコ。

1000万人のクラブカード保持者から得られた情報をもとに、
多様なテスコ・ブランドを開発している。

この時、開発の考え方には、
五つの方法がある。

五つの方法しかない。
そう考えたほうがいい。

早稲田大学商学学術院・恩藏直人教授の指摘。
二つの概念による五つの方法。

まず、顧客の得るものを「顧客のベネフィット」と呼ぶ。
顧客の失うものを「顧客のコスト」とする。

「ベネフィット÷コスト」。
これが「顧客価値」。

顧客価値を増大させる方法。
考え方は五つある。

第一は、ベネフィットを上げ、
コストを下げる方法。

顧客価値は最大化される。
ブルーオーシャン戦略はこの考え方。

第二は、ベネフィットを変えずに、
コストを下げる方法。

第三は、コストを変えずに、
ベネフィットを上げる方法。

ここまでは、わかりやすい。
しかし、あと二つ考え方がある。

第四は、コストも上がるが、
ベネフィットをさらに大幅に上げる方法。

質の提供とは、
この方法を意味する。

美味安心は、
この第四の考え方によって生まれた商品。

そして第五は、ベネフィットをあえて下げる。
しかしコストはもっと大幅に下げる。

ベイシアのプライベートブランドは、
この第五の考え方によって出来上がっている。

恩藏直人教授の
「顧客価値」を拡大する五つの考え方。

これに私は、重ねて考える。
「利益を上げる五つの法」

第一は、「利は元にある」
仕入れ調達説。

第二は、「利は売りにあり」
薄利多売説。

第三は、「利は内にあり」
経費削減説。

第四は、「利はこの品にあり」
商品開発説。

そして第五は、「利は他の品にあり」
プロダクト・ミックス説。

顧客価値増大の五つの考え方と、
利益を上げる五つの法。

この考え方の組み合わせが、
イノベーションを実現させる。

<結城義晴>  

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商人舎からのセミナーのお知らせ

3月9日(火)開催の商人舎発足2周年記念セミナー
「成城石井・大久保恒夫社長と結城義晴の二人のビッグショー」では
成城石井の“商品開発”“経営効率と生産性”“人づくり”を
大久保社長にじっくりと語っていただきます。
そして二人が『2010年知識商人の経営の流儀』を、
半日にわたり詳細に、面白く、深く語り合います。

ぜひ、ふるってご参加ください。    詳細はコチラ

2010年02月15日(月曜日)

ひと雨ごとに暖かくなる今週の「五輪」と「オリンピック」の違いから学ぶ

Everybody! Good Monday![vol⑦]

2010年2月第3週。
今週まで寒さが続く。
雨が降ったり、
霙になったり、
雪が舞ったり。
しかし、もう一息。

曇り空の下、
ひと雨ごとに寒さが薄れ、
徐々に春へと近づく。

そして来週、2月最終週は、
春めいて来る。
ずいぶん暖かくなる。
しかし2月最終週には、
花粉が飛び始める。

その次の週はもう3月。
すっかり春らしくなる。

つまり今週は、
最後の寒さの7日間。
気を引き締めて、
「質(たち)の良い売上げ・質(しつ)の良い仕事」
商人舎今月の標語。

私は、昨夜、完全徹夜。
仕事山積。
何事すべてが一点に重なってくる。
しかしそうしておいて、
集中力を高めて、一挙解決するのが、
私の流儀。

流儀と言えば、
「2010知識商人の経営の流儀」
商人舎二周年記念二人のビッグセミナー。
㈱成城石井・大久保恒夫社長と私のデスマッチ。
3月9日(火曜日)
場所は東京・お台場、タイム24。

知識商人大集合の記念セミナー。
是非是非、お集まりください。

お申し込みは、こちらから。

もうひとつのお知らせ。
商人舎アメリカ視察研修会。
2010年の第二弾「Basic編」
5月23日から28日。

ラスベガスに居座って、
「虫の目・鳥の目・魚の目」で、
アメリカ商業の全体像を解説し、視察する。

「Basic」と銘打つからには、
原理原則・基礎編・入門編・初級編。
それでいて高度で複雑な米国流通業を、
わかりやすくて、丁寧に解説し、体験してもらう。

難しいことを易しく。
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。

私のモットー、
商人舎の信条。

その上、価格は298,000円。

私がずっとずっとやりたかった研修会。
老若男女、参加しやすい研修会。

現場第一線の若手社員から、
中堅社員、幹部候補生、
小売業以外のメーカー、卸売業の皆さん、
それ以外のサービス業の皆さん。

原理原則・基礎編だけに、
幅広いキャリアの人々に対応している。

いろんな人が集まるけれど、
たったひとつ共有してもらえば、それでうまくいく。
それは「知識商人」の志を持つこと。
是非是非、ご参加ください。

これもお申し込みは、こちらから。

さて、カナダ・バンクーバーでの、
冬季オリンピック。
私、「五輪」という字面や語感、
好きではない。

はっきり言って、嫌いだ。

なぜ、この言葉がよく使われるのか。

短いから。
便利だから。

しかし、「便利さ」はややもすると、間違いを起こす。

コーネル・ジャパンの講義の後、
首席講師の荒井伸也先生と話し合った。
元サミット㈱社長・会長にして、
オール日本スーパーマーケット協会会長。
そして作家・安土敏。

スーパーマーケットが、
なぜ誤解されているのか。

もちろんここでいうスーパーマーケットとは、
日本の商業統計で位置づけられている「食料品スーパー」のこと。

「スーパー」と短く便利に呼ばれたことに、
その一因があるのではないかという結論に落ち着いた。

1把ひとからげに「スーパー」と呼ばれたから、
「大手スーパー」「中堅スーパー」
「中小スーパー」と序列されてしまった。

大手スーパーは、総合品揃えの「総合スーパー」
その意味では、商業統計そのものも、
「スーパー」と略したことによって、
間違いを起こした。

最初にスーパーマーケットと呼ばれ始めた時、
頭を採って略された。
「スーパー」と。

一般の人はそれでもいい。
しかし専門家や学者、役人まで、
便利だから「スーパー、スーパー」と略した。
「スーッと出てパーッと消える」などと揶揄された。

私は何よりも「スーパーマーケット」を、
略すのが好きではない。
「スーパー」とか「SM」と呼ぶのが嫌いだ。

「スーパー」には意味があって、
それが独り歩きしてしまうからだ。

ここから先は荒井先生からの受け売り。

「スーパー」は、「超級」「特級」の意味。
「マーケット」は「市場(いちば)」

市場は、主に日常生活に必要な食品を扱う。

だから「スーパーマーケット」は、
近代的な特別のビジネスモデルの「市場」として、
この世に誕生した。

それを「スーパー」と略してしまったがために、
「超級」だけが独り歩きした。
そしてそれが当時、超級だった「セルフサービス」方式と結びついて、
規模の大きなセルフサービス店「総合スーパー」
中規模のセルフサービス企業「中堅スーパー」
零細小規模のセルフサービス店「中小スーパー」

こう呼ばれて、なおかつ位置づけられてしまった。

総合品揃えの機能を持つビジネスモデルと、
食生活を支える内食材料提供業のビジネスモデルが、
企業と店舗の規模の大小にすり替えられてしまった。

欧米人は「マーケット」と言えば、
「食品市場」と理解する。
生まれた時から、「あれがマーケットだよ」と、
教えられているからだ。

ウォルマート・スーパーセンターに行ってみると、
よくわかる。

7000坪の広大な店舗。
エントランスが二つ。
例えば左側の入り口の上には「ホーム&ファーマシー」
右側には「マーケット」と書いてある。

左が「家庭で使うものと薬屋さん」
右が「食品の市場」
「マーケット」だけで、顧客は食品売り場と分かる。

そして両方合わせて「スーパーセンター」と呼ぶ。

しかし「スーパーセンター」の名称はとてもいい。
「超級のセンター」

ただし、ここでも頭だけ切り取ってこのフォーマットを略すと、
「スーパー」となってしまう。
「SuC.」と言ったりするが、
これも私はあまり好きではない。

ウォルマートのあの店は、
面倒でも「スーパーセンター」でなければならない。

そんな間違いをたくさん起こしてきた。

「スーパーマーケット」は「超級の食品市場」。
そういい、そう理解すると、
業態として良いものになってくるから不思議。

コンビニエンスストアも、
最初のころは「深夜スーパー」と呼ばれた。

新聞の社会面では必ず、
「深夜スーパーに強盗」などと、
見出しがつけられた。

これでは、
「深夜に、スーパーに強盗が入った」のか、
「コンビニに、強盗が入った」のか、
まったくわからない。

そういえば、セブン-イレブンは最近、
「セブン」と略される。
はじめは7時から11時の開店時間だから、
「セブン-イレブン」と名付けられて、
それが店の特徴を端的に表わしていて、とてもよかったが、
「セブン」では、何が何だか分からない。

ファミリーマートの「ファミマ」は、
妙な意味がないから、むしろいい。

マクドナルドは、
関東で「マック」。
関西で「マクド」。
どちらも愛嬌があっていいけれど、
これは一般人の愛称だから許される。

意味のある二つの言葉でできた用語を、
頭の部分だけに略されると、ほんとうに困る。

長々と書いてしまったが、
「五輪」と「オリンピック」の語感に関して感じたこと。

商人舎のアメリカ視察研修会「Basic」編。
こういったことの誤解や偏見、
日米の違い、思い込みや矛盾を、
私の知る限りの知識と知恵と情報を考察したうえで、
お届する。

難しいことを易しく。
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。

そして「虫の目・鳥の目・魚の目」

これらは実は、
毎日の仕事にこそ、
役に立つ。

会議での発言、
顧客へのインフォーメーション。
POPの言葉。

それが「質の良い仕事」につながり、
「質の良い売上げ」という結果になる。

では、「ひと雨ごとに暖かく」なる今週も。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

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