コーネル大学RMPジャパン3月の二日目。
情報とロジスティックスを学ぶ。
長い長い第二日目。
昨日は、グロッサリーセンターを見た。
今日はチルドセンター。
グロッサリーセンターが常温のセンターなら、
チルドセンターは低温センター。
ヤオコーの低温物流がいかに構成されているかを学ぶ。
その二日目は、3時起きの4時集合。
徹夜で飲み、議論したつわものもいたとか。
川越第一ホテルからバスに乗り込む。
真っ暗。
そして40分ほどで、昨日のヤオコー狭山物流センター到着。
今回のコーディネーター大塚明顧問はじめ物流関係者全員に迎えられる。
有難い。
そして朝のレクチャー。
大塚さんは、ヤオコーの「営業としての物流コンセプト」を強調。
チルドセンターを運営しているアサヒロジスティクス㈱のメンバー紹介。
そしてすぐにチルドセンターに降りてゆく。
このチルドセンターは生鮮三品、日配品、デリカの通過型センター。
青果、鮮魚、精肉、日配、惣菜、寿司、ベーカリーに関して、
店舗別、部門別に仕分けされ、自動検品される。
まず、チルド製品の入荷。
トラックから運び込まれると、
そのままベルトコンベアに載せられる。
そしてソーターへ。
チルドセンターでの仕分けは、
大きく二つに分かれている。
ソーター仕分けと手仕分け。
当然ソーター仕分けが早くて安い。
ソーター仕分け商品は、パレットに載せられている。
さらにこれらの商品にはバーコードで、
どの店に配送されるかの指示が書き込まれている。
つまり店からの発注データが一括管理され、
取引先に送られているため、
取引先で1箱ごとに、どの店に搬入するかのシールが貼り込まれて、
センターに到着する。
だから到着すると、そのままソーターにかけられるというわけ。
ソーターのそばにコンピュータ画面。
「伝票レス」はすべてのデータが、
1回入力されたら、
徹底してそれだけを使う。
だから間違いは起こりにくい。
ケースごとにベルトコンベアを流れるが、
それでもバーコードリーダーで間違いチェックをする。
そして仕分け場に到着。
ここでは店ごとに仕分けされ、
カートラックに積まれる。
一方、手仕分け。
商品入荷場。
これは作業員が、1ケースごとにカートラックに仕分けする。
その時、ハンドヘルドターミナルとハンドスキャナーを使って、
検品が行われる。
鮮魚、精肉、日配手仕分けエリア。
ここの温度は3℃。
花もカートラックごとフィルムでぐるぐる巻いて、
店別に仕分けされる。
手仕分けエリアは広い。
手仕分けが終わると、出荷待機エリアに運ばれる。
カート・コンベア方式。
すべてのカートにはシールが貼られている。
朝、5時15分。
手前が手仕分けエリア。
向こう側が出荷待機エリア。
その出荷待機エリア。
こちらの温度は0℃。
鮮魚の仕分け場の一角には、検質コーナーがある。
主にマグロの検質が行われる。
「品質や規格」の検品。
そしてすべてがチェックリストに記録され、データ化される。
チルドセンターの見学が終わると、
2階の研修室にもどって、レクチャーを受ける。
ヤオコーの検質について。
まず、精肉。
牛肉のすべてを検質する。
そのポイントはマニュアル化され、
取引先とセンター、店舗とが共有する。
もちろんこのマニュアルは、
改善が重ねられ、よりよいものとなってゆく。
鮮魚の検質は、マグロ。
実に丁寧な説明ではあるが、
徹夜組の中には船を漕ぐ者が散見される。
検質結果はデータベース化され、
商品ごと、取引先ごとに、検討が加えられる。
そのうえで、取引先工場を訪れ、
互いに改善の検討が繰り返される。
ヤオコーのセンター検質は、
店舗に届けられる商品のチェックとともに、
取引先のオペレーション改革を成し遂げることに役立っている。
店舗からクレームが上がっても、
それを取引先まで届けるには何段階もの障害がある。
ヤオコーはそれをチルドセンターが一括して行う。
ここに通過型センターの意味の一つがある。
レクチャーが終わると、
やっと朝食。
熱々のご飯とみそ汁、焼き魚に漬物。
みんなの空気が和む。
食事が終わると、狭山センターに別れを告げ、
次の目的地へ。
そこは、ヤオコー南古谷店。
年商40億円を超える超繁盛店。
ここで、グロッサリーセンターとチルドセンターからの商品が、
売場とどう連動していくかをみる。
レジ前に集合して、大塚さんから説明を受ける。
朝、9時ごろ。
店内には慌ただしさはない。
淡々と仕事が進められている。
それも、センターでの部門別仕分けの前工程があるから。
青果部門では、社員、パートタイマー、
相談しながら陳列に工夫を加えている。
イチゴの陳列。
和日配部門前。
パン売り場には、ベンダーから直送された商品が積み上げられている。
洋日配でも高く積まれたカートラックの前で、
陳列作業中。
この日は、1週間で一番物量が少なかった。
花売り場には、センターでフィルム巻きされたカートラック。
スーパーマーケット売場の隣のフードコート。
ここはテーブルの上に椅子が乗せられ、床の清掃中。
清掃機。
最後に神田恵則店長からレクチャー。
そして大塚さんの締めの説明。
センターと店舗。
両者は固く、強く、連動していなければならない。
店舗でしかできない仕事は店舗で行う。
まとめてする方がいい仕事はセンターで行う。
考え方はシンプルだ。
それが理論通りに行えるか否か。
「すぐやる・かならずやる・できるまでやる」
ヤオコーのセンターを勉強して、
この言葉をかみしめていた。
南古谷店の後方にヤオコー施設がある。
「研修センター」
青果、鮮魚、精肉、惣菜、さらに店舗事務の現場研修施設。
皆で説明を受けつつ、見学。
2階には広い集合教育ルーム。
良くできた研修センターで、
稼働率も極めて高い。
ヤオコーの優れたオペレーションの理由が理解できる。
研修センターの一角に展示。
昨年、川野幸夫会長が渋沢栄一賞を受賞した。
その受賞記念品等の展示。
されに休憩スペースには本棚が。
いちばん多いのが、拙著『お客様のためにいちばん大切なこと』(中経出版)
ずっとコーディネーターを務めてくれた大塚さんと
ロジスティックス推進副部長兼カイゼン担当部長の野沢成芳さんと
最後の写真。
ヤオコーの皆さんに心から感謝。
コーネル・ジャパンは日本の食品産業の産業内大学。
ヤオコーは、間違いなく産業発展に貢献してくれた。
このことは、明記しておきたい。
コ―ネル・ジャパンの講義は、
ここで終わらない。
ロヂャースの岩槻センターと大宮店の視察、講義が待っている。
(長編のご愛読感謝しつつ、明日に続きます)
<結城義晴>