㈱成城石井社長・大久保恒夫さんとの「二人のビッグセミナー」が終わったら、
来週火曜日には、商人舎アメリカ研修会「Hot編」に出発します。
Hot編は、今、最も熱いテーマを追いかけ、
熱い企業や熱い店舗をめぐる内容。
暑いところに行くというコンセプトではありません。
もっとも、暑いアリゾナをいちばん先に訪れますが。
フェニックス・スコッツデールは全米で最もHotなエリアだからです。
さらに、5月23日から5月28日までの「Basic編」は、
原理原則と基礎基本を学ぶアメリカ研修会。
32年前、25歳の『販売革新』編集部員だった私は、
ペガサスクラブの米国視察セミナー「シニア・コース」に参加しました。
渥美俊一先生から直接、ご指導いただき、
必死の思いで勉強したものでした。
それがはじめての渡米で、しかも初めての小売り視察。
今でも鮮明に、その時のことを覚えていますし、
それが私の原点にもなっています。
基本と基礎をたたき込んでいただいたこと。
原理原則を学ばせていただいたこと。
アメリカ流通業に、心から感動したこと。
「帰ったらやってやるぞ」と、
帰国の機中で決意したこと。
あの時の決意が、今も続いています。
アメリカに負けない日本の小売商業にしたい。
その思いが、商人舎「Basic編」に引き継がれています。
昨日の「二人のビッグセミナー」で、
大久保さんが言いました。
教育には、金がかかる。
教育には、時間がかかる。
それでいて成果は上がりにくい。
すぐに効果の上がる教育などない。
しかし、私にとって、ペガサス「シニア・コース」は、
すぐにモティベーションを高めると同時に、
30年以上も続く効果をもたらしたのでした。
何しろ、私は、それ以来この仕事に一生を捧げてるのですから。
今回の5月の「商人舎Basic編」は、
そんな視察研修会にしたいと考えています。
アメリカ商業の全体の姿をわかりやすく、
くっきりと提示します。
「鳥の目・魚の目」を養成します。
アメリカ人の家庭訪問をして、実際の生活を見ます。
店舗やショッピングセンターを訪れて、
基幹となっている業態とフォーマットをしっかり理解してもらいます。
店の見方を教授します。
基礎調査の方法を指導し、実際に訓練します。
「虫の目」を養成します。
そのうえで、32年前に私が受けた感動を、
今、共有します。
だから全米の中で最も条件が揃っているラスベガスに、
腰を落ち着けて学びます。
ラスベガスは人口増加のエリアです。
ギャンブルの街ではありますが、
一方で、郊外には中産階級が移住してきて、
新興住宅地を形成しています。
「サバーブ」といいます。
30年前には、典型的な「サバーブ」は、
カリフォルニアのロサンゼルス郊外やアナハイム周辺などでした。
あるいはサンフランシスコの郊外でした。
現在は、違います。
ネバダ州ラスベガスなのです。
新しいショッピングセンター、
新しい店舗、新しいフォーマット。
原理原則や基礎基本を学ぶにふさわしいのが、
ラスベガス。
私はそう考えています。
ラスベガスで6日間。
原理原則を学び、
感動を味わい、
一生のモティベーションにつなげる。
ご一緒しましょう。
お申し込みは、こちら。
さて、昨日の「二人のビッグセミナー」での、
大久保恒夫さんの言葉。
「小売業は柔らかくて、軽い」
いい表現です。
反対は「硬くて、重い」
これはトヨタ自動車に代表される工業。
「重厚長大」と呼ばれました。
その反対を「軽薄短小」と言いますが、
私もこれは気に入らない。
「柔らかくて、軽い」は、いい。
大久保さんは、そんな小売業だから、
「商品を並べて、売ってみれば、すぐに、よくわかる」と言います。
「これが小売業の価値だ。
売れたら、どんどん発注して売り続ける。
売れなければ、発注を止めて、半額にすれば全部売れる」
まさに「柔らかくて、軽い」ビジネス。
まず、実行する。
結果はすぐに出る。
良かったら続ける。
悪かったらやめる。
それだけ。
しかし、結果に対するスピードを上げる。
次の行動のスピードを上げる。
それが小売業の大事なところ。
すなわち「速い」が大事。
柳井正さんの会社名は、
「ファースト・リテイリング」[Fast Retailing]。
「速い小売業」
アメリカの小売業は、
店舗運営だけでなく、
企業経営に対しても、
「柔らかくて、軽くて、速い」
さらにもう一つ。
チェーンストアのアナロジーとして、
私はよく「鎖のたとえ」を使います。
「強くて、軽い鎖」
鎖だから、このたとえからは、
柔らかいイメージは出てこない。
しかしあえて言うならば、
「柔らかくて、軽くて、速くて、強い」もの。
それが小売業です。
成城石井もユニクロも、
ウォルマートやコストコ、
ホールフーズやトレーダージョーズも、
「柔らかくて、軽くて、速くて、強い」
いかがでしょう。
私は、それを皆さんに、伝えたい。
教えたい。
共有したい。
さて最後に、昨日の商人舎への訪問者。
㈱寺岡精工・本部営業部長の髙橋直樹さんと、
キーアカウント営業グループ営業開発担当次長の橋本義博さん。
寺岡精工の「未踏領域」への挑戦部隊。
つまり「新しい領域」を開発するセクション。
様々な情報交換とアドバイス。
高橋さん、橋本さんに必要な姿勢も、
小売業の原理原則・基礎基本と全く同じ。
「柔らかくて、軽くて、速くて、強い」
これです。
今日も、長編ブログにつきあってくださって、
心から感謝。
<結城義晴>