桜シリーズ第3弾。
近所の桜。
横浜・妙蓮寺付近。
日本全国どこでも桜は美しい。
だからよい。
対比的に、こんなのも、いい。
なんでも対比させる。
私の趣味みたいなもの。
いや習性みたいなものになっている。
古くは、三越とダイエー。
ダイエーと西友。
イトーヨーカ堂とイオン。
(『販売革新』編集長時代、古淵の競合に「イイ戦争」というタイトルを付けた)
ユニクロとしまむら。
関西スーパーとニッショー。
サミットとヨークベニマル。
ヤオコーとアークス。
ウォルマートとカルフール。
クローガーとセーフウェイ。
ホーム・デポとロウズ。
ウォルグリーンとCVSファーマシー。
それにホールフーズとトレーダー・ジョーズ。
最近ではマーケットサイドとフレッシュ&イージー。
ひとつの事例を記事にすることを「報告」といい、
二つの事例を記事にすることを「比較」と呼び、
三つ以上の事例を記事にして考えるとはじめて「分析」となる。
「分析記事を書け」
㈱商業界での編集長、編集統括、社長時代には、
記者たちにこんなことを言っていた。
しかし、私自身は、「対比と比較」が大好きだった。
あまりに対比が好きで、
「寡占から複占へ」などといった概念を打ち出してしまった。
「寡占は進み、複占に至る」
1
最後にお客は、
二つのものから一つを選ぶ。
だからこそ、その二つのものに価値が実在する。
マーケットは、二つのものをつくり、運び、お客の前に提示する、
二つの異なる機能を選択する。
2
かくして、さまざまなジャンルごとに二強時代、
あるいは二良時代がやってくる。
きわだった対極をなす二者が、無個性の三番手を振り落とす。
巴戦の中から、中途半端な一極が自滅していく。
これが「寡占」から「複占」への移行である。
3
ただし、
不思議なことに、
「独占」は許されない。
独占の禁止・禁欲は経済の公平原則ではなく、
人類の生存原理なのである。
4
アメリカのGMSはシアーズとペニーだけになった。
DSはウォルマートとターゲットがKマートをふるいにかけている。
イギリスの消費者はテスコ派とセインズベリー派に二分されていたが、
外資ウォルマート&アズダが世界レベルの二強として、
イギリスをローカルと見立てた場合のセインズベリーを抜きつつある。
5
日本の「総合」と呼ばれる分類はイトーヨーカ堂とイオンに。
だからダイエーも西友も、変身を迫られている。
すなわち商売変えである。
あらゆる製造業、卸売業において、
寡占が進み、複占が現れる。
6
ボランタリーチェーンにもフランチャイズチェーンにも、
それぞれの業種・業態ごとに寡占から複占への推移が見られる。
さらにすべての商圏、すべての商勢圏で、
二者による複占化が進捗する。
ここでは、チェーンのサイズや企業の売上げ規模は影響しない。
7
お客たちはその分かりやすい豊かさを喜んでいる。
マーケットもそのシンプルな構造改革を望んでいる。
二神教時代の神の手が、それを導いていく。
全体最適への引力が、
多くの産業分類のなかで「複占への淘汰」を促している。
8
耐久性のあるフォーマットでは、しばし、
二者による「競争と協調」の調和が生まれる。
しかし複占の次にはやがて、周期的に、
「小売りの輪」のごとき、
業態自体のビッグバンがやって来る。
9
二十一世紀の今、
私たちはこの歴史的転換の主体者になろうとしている。
私たちはこの歴史的現象の証人になろうとしている。
『メッセージ』(結城義晴著・㈱商業界刊)より
さて、4月に入って、初日の昨日、
東京株式市場は、今年最高値を記録。
日経平均株価は1万1244円の終値。
ニューヨーク株式市場でも、
1ドル94円で、
7カ月ぶりの円安ドル高。
昨2009年の国内新車販売台数は、
約488万台で、前年比3.8%のプラス。
4年ぶりと、オリンピックのように前年を上回った。
朝日新聞の「経済気象台」。
コラムニストの深呼吸氏が書いている。
「新たに生まれる欲が充足されない状況に、
不満を漏らす人は少なくない」
その結果、「過剰な機能の商品であふれる状況に慣らされるうちに、
本質的な機能だけでは満たされず、
過剰な機能がないと不安や不満を抱く消費者体質が形作られていった」
だから「トレード・オフ」は有効だった。
「地球環境保護につながる機能が、
新たな本質的機能として注目されている」
深呼吸氏は、「新たな本質的機能」を語る。
そして「本質的な機能」が、
「過剰な機能を過剰な機能として認識させる」
「新たな本質的機能」が認められる状況こそ、
「パラダイムの転換」を意味する。
「満足しないマインドを育て、消費に結びつけてきた産業界は、
今度は皮肉にも環境保護に満足しないマインドを相手にすることになる」
いかにも朝日新聞のコラムらしい終わり方だが、
これは当たっている。
そして小売業や商業に携わっていると、
このことがよく実感できる。
製造業の、それも商品開発に携わっていると、
このことへの反論とともに、一抹の反省の念も生まれようか。
そして一消費者の立場でものをみると、
まさしく妥当な論述と認識することができよう。
私たちは常に「本質的な機能」を、
見つめていなければならない。
さて、最後に昨日のこと。
夜は、東京・池袋の立教大学キャンパス。
3号館の研究室にくっついている打ち合わせ室で、
新年度結城ゼミのキックオフ・ミーティング。
その後、キックオフ懇親会。
左から、西脇紀男さん、佐藤大輔さん、
山本克己さん、渋木克久さん。
全員参加で始まったが、
猪股信吾さん、児玉桜代里さんのお二人が、
仕事に戻ったので、
写真では私を入れて5人。
第二期生は6人の結城ゼミとなる。
立教大学院ビジネスデザイン研究科では、
比較的高齢のメンバーが集まった。
なんとなく、かつての編集長会議のような気分。
そういえば、商業界には6人の編集長がいた。
毎月、その6人と編集長会議で議論をしていた。
この夜も、とても、活発な論議が展開され、
私、またしても、飲みすぎた。
しかし、心身共に、若返った気がする。
有難いことだ。
1年間よろしく。
今月の標語。
「知恵・力」合わせて動け!
そして、「分析論文を書け!」
<結城義晴>