ボクのなまえは、ジジ。
ヨコハマのユウキ家の、
カゾクのいちいんです。
ボクのシゴトは、
ねること。
今日も、シゴトしています。
そとのセカイは、春まっさかり。
サクラばかりがチューモクされますが、
うつくしい木は、たくさんあります。
木は、うごきませんが、
うつくしい。
ボクも、ねているときは、
うごきません。
シゴトしているときは、
あまりうごかないほうが、
いいそうです。
このブログにでてくるコーネルの講義でも、
そう、いわれていました。
木は、うごきません。
木のえだは、どこか、
うごいているようにみえますが。
木は、「ショクブツ」といいます。
ショクブツは、うごかない。
そして、うごかないけれど、
ショクブツもきっと、
シゴトしているんです。
ボクには、それが、
よく、りかいできます。
木も、えだも、
いきているからです。
木も、えだも、
おもしろいカオをしています。
みんな、ちがうカオを、
しています。
こちらは、
「コウブツ」でたてられたもの。
ヨコハマの慰霊塔。
「イレートー」は、
ぜんぜん、うごきません。
でも、やくわりはある。
つまり、シゴトしているのです。
ボクは「ドウブツ」ですが、
ねるのがシゴト。
ショクブツやコウブツと、
なんだか、にています。
慰霊塔のところに、
イヌくんが、いました。
ひもでひっぱられているのに、
うごかない。
「ずるずる、ズルズル」
いえネコは、ねるのがシゴト。
でも、イヌは、サンポがシゴト。
ボクは、そうおもいます。
「ずるずる、ズルズル」
「んー、なにしてんだろう」
ボクは、すこし、
イライラしてきました。
ボクたちは、ドウブツなんだから、
うごくときは、すばやくうごく。
うごくことができるものが、
あえて、うごかないことに、
カチがあるんです。
うごくときは、
すばやくうごく。
<『ジジの気分』(未刊)より>