国民の祝日は、1年間に15日ある。
そのうちの4日が、
このゴールデンウィークに集中している。
今日は、みどりの日。
憲法記念日は「この国のかたち」を、
骨格から形成することに関連している。
すなわち日本国憲法と深く関係している。
しかし、みどりの日は、
ゴールデンウィークそのものを、
維持するために制定された祝日だ。
ちょっとご都合主義の観は否めない。
1989年に制定された最初のみどりの日は、
4月29日だった。
昭和天皇の誕生日として祝日だった4月29日。
1989年1月、その崩御によって、
天皇誕生日は12月23日に移動。
そこで1989年から4月29日は、
「みどりの日」とされた。
その後、2007年、祝日法が改正され、
4月29日が「昭和の日」となり、
「みどりの日」は憲法記念日と子供の日の間、
5月4日と定められた。
まさにゴールデンウィークのために設定された祝日といえる。
しかし、「みどりの日」にも、定義がある。
「自然にしたしむとともに、
その恩恵に感謝し、、
豊かな心をはぐくむ」
今日のコンセプト。
まず、「自然に親しむ」
次に「その恩恵に感謝する」
結果として「豊かな心をはぐくむ」
「国のかたち」の骨格を形成する日ではないが、
考えてみると、
きわめて大切な21世紀的なコンセプトである。
その考え方を、かみしめたい。
さて、日本のゴールデンウィークと関係ないアメリカでは、
航空業界で大きな合併が進んだ。
世界第3位のユナイテッド航空を運営するUAL。
世界第5位のコンチネンタル航空。
両者が合併に関して「合意した」と発表。
このことによって、
世界第1位に君臨するデルタ航空を抜いて、
世界最大の旅客航空会社となる。
デルタは先行して、2008年10月に、
ノースウェスト航空を買収してトップとなった。
年内に統合の手続きを完了させる予定だが、
新会社名は「ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス」。
運航名は「ユナイテッド・エアーライン」に統一される。
航空旅客サービスは、
典型的な「コモディティ・サービス」である。
私の持論。
従って、「コモディティは寡占化される」という仮説の通り、
こういった合併は進む。
アメリカ合衆国の範囲の経済の中で、
「寡占から複占へ」と進行し、
それはやがて世界規模での寡占や複占へと進む。
もちろん複占までの比較的長い期間に、
「三占」の状況が継続される。
「複占」とはあるマーケットのほとんどを、
二者が占有すること。
「三占」とはあるマーケットのほとんどを、
三者が占有すること。
<(注)「三占」は結城義晴の造語>
新ユナイテッド航空は、規模拡大が果たされるが、
これはむしろ「マーケットシェア最大化による効果」といえよう。
同時に、大幅なコスト削減を実現させて、
コモディティ化が進んだ結果、低価格となったサービス分野で、
収益力の確保に邁進する。
具体的には、不採算路線の見直しや組織のリストラ、
そのうえで効率的な燃料・資材調達など断行する。
これはいわば、常套手段。
デルタ航空が実行した方法の踏襲である。
アメリカの航空業界は、価格競争に苦しんでいる。
これは小売業界と同じ構造。
コモディティの商品とサービスを生産・流通・販売していると、
必然的に低価格競争に陥る。
そこに、航空業界には、
リーマンショック以降の景気後退が、
客離れや利用客の減少を起こし、
さらに原油の乱高下によって燃料コストが高騰し、
経営が圧迫され、赤字会社が続出している。
これは、完全な「コモディティ化現象」である。
いわば「必然・当然」の結果。
しかし航空旅客業界には世界連合がある。
①スターアライアンス
②ワンワールド
③スカイチーム。
ユナイテッドはスターアライアンスに属する。
ここには全日空が加わっている。
ワンワールドにはアメリカン航空と日本航空。
スカイチームにはデルタ航空。
まさに世界の航空業界は「三占」のグループ化の中にある。
今回のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス誕生は、
その中の一つの出来事と捉えられる。
コモディティ・サービスの今後は、
どんな方向に進むのだろうか。
しかし、顧客の立場に立つと、
「安全で快適で低価格のサービス」は大いに歓迎される。
その意味で、コモディティ化は、
社会にとって有益な現象ではある。
寡占、三占、複占が進んで、
競争局面が限定され、
価格上昇することを、
顧客は望まない。
適正の価格体系が保守されることをこそ、
マーケットは望んでいる。
自然に親しみつつ、
心豊かに育み、
モノを考える日にしたい。
<結城義晴>