ボクのなまえは、ジジ。
ヨコハマのユウキ家のカゾク。
それにしても、いいキセツです。
ユウキヨシハルのおとうさん、
ナラに、いってきた。
ナラには、
ダイブツさんが、
います。
そのダイブツさんがいるところ。
ダイブツ殿。
すごく、おおきい。
門のところに、こわいカオ。
「あ」
「うん」
「あうんの呼吸」は、
ここからきました。
ボクの「あ」と「うん」
そして、ダイブツさん。
ボクも、ダイブツさん。
みぎの手を、
ひらいて、
まえにむけて。
ボクも、みぎの手、
だしてみた。
みぎの手のなかゆびだけ、
まえにだしている。
ボクは、そんなこと、
できません。
ダイブツさんのみぎの手。
おおきなダイブツさん、
いがいにきれいな手。
ひだりの手は、
うえをむけている。
ボクは、どっちの手も、
したむき。
それしか、できません。
ざんねんですが。
それから、
ダイブツさんの両サイドを、
ふたりがまもっている。
コウモク天。
タモン天。
ボクのコウモク天とタモン天。
コウモク天とタモン天のように、
ボクもたちあがってみましょう。
ダイブツさんは、ずっと、
すわったままだけど。
<『ジジの気分』(未刊)より>