アメリカはテキサス州の州都オースティンに来ている。
昨日、午前11時30分発のアメリカン航空で出発。
いよいよ始まった2週間にも及ぶアメリカ巡り。
アメリカ巡りの前半は、万代ドライデイリー会のコーディネート。
後半は、商人舎主催のbasic編。
まず成田で、大阪から到着した団員の面々と面会。
そして全員で写真。
みな、期待に胸を膨らませた顔をしている。
すぐに乗り込んで、11時間半で、ダラスフォートワース国際空港へ。
そこで乗り継ぎ。
乗り継ぎの合間に、ショップで雑誌を購入。
『FORTUNE500』がちょうど出たばかりで、棚に並んでいた。
ベスト10は以下のようになっている。
順位 企業 年商 純利益
1 Wal-Mart Stores 408,214.0 14,335.0
2 Exxon Mobil 284,650.0 19,280.0
3 Chevron 163,527.0 10,483.0
4 General Electric 156,779.0 11,025.0
5 Bank of America 150,450.0 6,276.0
6 ConocoPhillips 139,515.0 4,858.0
7 AT&T 123,018.0 12,535.0
8 Ford Motor 118,308.0 2,717.0
9 J.P. Morgan Chase 115,632.0 11,728.0
10 Hewlett-Packard 114,552.0 7,660.0
ウォルマートが、エクソンモービルを抜き返して、
トップに立った。
ところがこのデータはもう、私の今回のテキストに入っている。
ベスト100位から小売業・消費財メーカー・卸売業だけ抜き出してみる。
順位 総合順位 企業 年商 純利益
1 1 Wal-Mart Stores 408,214.0 14,335.0
2 18 CVS Caremark 98,729.0 3,696.0
3 22 Procter & Gamble 79,697.0 13,436.0
4 23 Kroger 76,733.2 70.0
5 25 Costco Wholesale 71,422.0 1,086.0
6 27 Archer Daniels Midland 69,207.0 1,707.0
7 29 Home Depot 66,176.0 2,661.0
8 30 Target 65,357.0 2,488.0
9 32 Walgreen 63,335.0 2,006.0
10 42 Lowe’s 47,220.0 1,783.0
11 45 Best Buy 45,015.0 1,003.0
12 47 Supervalu 44,564.0 -2,855.0
13 48 Sears Holdings 44,043.0 235.0
14 50 PepsiCo 43,232.0 5,946.0
15 52 Safeway 40,850.7 -1,097.5
16 53 Kraft Foods 40,386.0 3,021.0
17 55 Sysco 36,853.3 1,055.9
18 72 Coca-Cola 30,990.0 6,824.0
19 87 Tyson Foods 27,165.0 -537.0
20 89 Rite Aid 26,289.5 -2,915.4
21 91 CHS 25,729.9 381.4
22 99 Publix Super Markets 24,515.0 1,161.4
機内でぱらぱらとめくりながら、あっという間にオースティン。
上空から「鳥の目」で見たショッピングセンター。
オースティンに到着すると、
昨日から先乗りしていたノブ・ミゾグチさんと落ち合い、
固い握手。
早速、空港からルート35を北上し、
HEBプラスへ。
この店も、数年前、オープン当日、ミゾグチさんと二人で来た。
店内は「ロープライスエブリデー」の島陳列のオンパレード。
ウォルマートの「アクション・アレー」コピー作戦で、
かつてのウォルマートそっくり。
しかし現在は、ウォルマートが「プロジェクト・インパクト」によって、
大方針転換してしまったから、
かつてのウォルマートの売り方を見るなら、HEBプラスしかない。
不思議な感覚。
しかしHEB、クーポンだらけで、在庫をさばきつつの顧客獲得作戦。
乾電池の島陳列には、黄色いクーポンが滝のようにつけられている。
一方、ウォルマートスーパーセンター。
天井から大きなパネル。
「アンビータブル・ダラー・デイズ」
そしてかつての主通路。
アクション・アレーが消失。
長い通路の両サイドに黒いベンチが置かれているだけ。
メリットは、第一に見通しが格段によくなって、
顧客の回遊性は高まる。
すなわち買いやすくなった。
第二は、在庫削減の効果が大きく出たこと。
これはウォルマート全体の商品回転率を向上させた。
1年間に40兆円を売上げるウォルマート。
その在庫金額が下がるだけで、
総資本経常利益率ROAは、格段に上がった。
不況の時代、売れない時代の賢い政策。
第三に、エンド陳列が目立つようになった。
これも顧客にとっては、
商品を選びやすくなるという効果を発揮している。
HEBとウォルマートの対比を見たところで、
ホールフーズの旗艦店舗へ。
やはり素晴らしい。
不況の中で、ホールフーズは、
本来のスーパーマーケットの経営方針を取り戻した。
オーガニックブームに浮かれ、高売り店舗となっていたが、
価格を下げてディスカウントする商品を明確にした。
そうすると、もともと良い商品ばかりなので、
格段に買いやすくなった。
ホールフーズのロイヤルカスタマーは、
小躍りしているに違いない。
ホールフーズは、ウォルマートと別次元の道を行く。
HEBはこのオースティン地区で50%の占拠率を背景に、
ウォルマートと真っ向からぶつかる。
そのウォルマートは、自らイノベーションに臨む。
初日から、いい闘いを見た。
そして、ダウンタウンのホテルの18階。
セミナーの始まり。
はじめに今回の団長㈱万代執行役員の黒田久徳さんの挨拶。
全員の動機づけをするという内容の挨拶で、とても良かった。
続いて、ミゾグチ先生の講義。
「2010年の食のトレンド」
オーガニックはもとより、オメガ3、アンチオキシダント、アレルギーなど、
最新の情報やトレンドをレクチャーしてくれた。
そして結城義晴「血沸き肉躍るアメリカ小売業」の話。
本当に自分でも不思議。
アメリカのホテルのミーティングルームで講義すると、
異様にテンションが高まる。
あっという間に講義タイムは終わり、
外は少し暗くなった。
今日の最後は、ホールフーズで購入してきたディナーの試食会。
心地よい疲れと妙な高揚感。
これがあるからやめられない。
[明日に続きます]
<結城義晴>