Everybody! Good Monday! [vol22]
2010年5月最後にして、6月スタートの週。
年初から通算すると第22週の始まり。
先週はラスベガスも寒気団が押し寄せ、
異例の寒さ。
1年に3日しか雨が降らないなどといわれる砂漠の街に、
パラリと雨が舞った。
日本に帰ってきても、東京・横浜は、
明日から6月だというのに、昨日まで寒かった。
しかし考え直してみると、
この季節にこの陽気。
極めて過ごしやすい。
昨夜は、おでんが食べたくなって、食べた。
6月も、どんな天気になるのやら。
変化が激しいから、商売は難しい。
しかし、5月の標語。
「むずかしいからおもしろい」
さらに進めて、
「むずかしいほどおもしろい」
この言葉を、このブログで繰り返すのも、
今日が最後。
しかしこの言葉、死ぬまでかみしめたい。
さて、鳩山内閣支持率。
その直近の世論調査。
この体制に反発的だった日経新聞が22%。
政界再々編を掲げる読売新聞が19%、
二大政党制推進論者の朝日新聞が17%。
二紙において10%台となってしまった。
そして社民党の連立離脱。
福島瑞穂党首の閣僚罷免。
一方、済州島では緊急に日中韓首脳会議が開かれ、
韓国の哨戒艦沈没事件で、共同報道文が発表された。
日本は韓国と共同歩調、
しかし中国は慎重な姿勢を崩さず。
鳩山内閣の普天間問題も、私は、
この根本解決がなされていない朝鮮半島に根があると思う。
第二次大戦後、朝鮮半島は二分された。
それが今も、変わらない。
東西ドイツは、ベルリンの壁がたたき壊された1990年、
ひとつになった。
ベトナムも戦争を経て、
ひとつになった。
朝鮮半島だけが、
残された。
日本の戦後の発展は、
日本が二分されなかったからだ。
朝鮮半島が、もし、二分されていなければ、
我が隣人たちの成長は日本に肩を並べたはず。
私はそれを思うと、残念でならない。
どんな世界になっていたか。
創造するだけでもったいなかったと感じざるを得ない。
そしてこの問題が解決されないから、
米軍の日本での基地問題も、
抑止力の絶対必要性という観点から、
糸がほぐれない。
ソビエト連邦の崩壊で共産主義の意義は見切られてしまった。
さらに東西ドイツは併合された。
それなのに南北朝鮮は分断されたまま。
一時は、スポーツの世界では、
南北合同チームが誕生したりした。
それが今は、遠いものとなった。
この戦後を引きずった問題解決のビジョンもなければ、
目途も立たないから、
沖縄が苦しむ。
沖縄の苦しみは、
日本全体の苦しみとしなければならない。
そしてそれは、朝鮮半島の苦しみでもある。
私はこのブログで、
政治やイデオロギーの問題に触れるつもりはない。
しかし、鳩山内閣⇒普天間問題⇒済州島首脳会議となると、
どうしても最終的に根っこの問題を考察せざるを得ない。
米中と朝鮮半島の二国、その中の日本の役割。
まさしくオクシモロンの問題。
大岡政談「三方一両損」でしか解決には至らない。
米中の「三方一両損」と朝鮮半島の「三方一両損」。
誤解を恐れずに、日本の立場を鑑みつつ言えば、
ここは日本が「二両」を損して、
大岡越前になるチャンスだった。
さて先週金曜日。
東京・帝国ホテルで歴史的記者会見が行われた。
スーパーマーケット3団体による「販売統計」発表。
真ん中に社団法人日本セルフサービス協会会長・横山清さん、
左は日本スーパーマーケット協会会長・川野幸夫さん、
右はオール日本スーパーマーケット協会会長・荒井伸也さん。
よくぞ、三人揃ったものだと思う。
この三人の会長でなければ、
こんな偉業は果たせなかった。
まず発表されたのが三協会の概要。
日本セルフサービス協会
455社約8000店、年間売上高8兆2232億円。
日本スーパーマーケット協会
103社7604店、6兆6808億円、
オール日本スーパーマーケット協会
58社1125店、1兆6030億円。
重複加盟している企業を調整すると、
3団体で571社14兆1645億円となる。
2007年の最新商業統計では、
食品スーパーは17兆0534億円で1万7882店だから、
その83.06%が参集したことになる。
比較的に中小企業が多いスーパーマーケット産業で、
83%の企業が集まることの意義は極めて大きい。
商業統計では、
百貨店が272店舗で年商7兆6883億円、
総合スーパーが1583店で7兆4397億円、
コンビニエンスストアが4万3318店で6兆9609億円。
ちなみに日本百貨店協会の年商は6兆5842億円、
総合スーパーを中心とした日本チェーンストア協会は12兆8349億円、
日本フランチャイズチェーン協会コンビニ部会は7兆9043億円。
食品スーパーマーケット企業の14兆円の集合体の意味は、
このことでも明確である。
3協会の会員企業の全国分布。
北海道・東北が70社、
関東が168社、
東海・北陸が121社、
関西が55社、
中国・四国が55社、
九州・沖縄が102社。
年商別に分けると、
1000億円以上の企業が25社、
500億~1000億円が39社、
300億~500億円が40社、
100億~300億円が113社、
50億~100億円が77社、
10億~50億が198社、
10億円未満が79社。
こうみると100億円未満の企業数は354社で、
571社のうちの63%。
中小企業が多い産業という特徴を如実に示している。
私は小売業は「森のようなもの」だと考えている。
大木もあれば雑木もある。
たくましい雑草もあれば美しい花もある。
だからこの1000億円以上の25社が強くて、残るとは言えないし、
63%の354社が弱くて、消え去るとは思わない。
しかし全体像を世間に発表する意義は大きい。
日本人の家庭内の食生活の変化、食消費のトレンドは、
この統計にあらわれてくる。
それが、くっきりとわかる。
さて、4月の販売統計には、
264社、6704店からデータが寄せられた。
総売り場面積は1134万㎡にも及ぶ。
1店平均では1692㎡、513坪。
スーパーマーケットの店舗もずいぶん大きくなったものだと感慨深い。
その総売上高は7215億8844万円、前年同月比98.7%。
内訳は食品全体で、6194億6530万円、85.8%。
非食品は1021億2314万円で、14.2%。
スーパーマーケットの食品の比率は86%と覚えておくとよい。
生鮮食品は2332億7233万円で32.3%。
そのうち青果が 947億8200万円で、13.1%、
水産は661億6033万円で9.2%。
畜産は723億3000万円で10.0%。
惣菜は641億7495万円で8.9%と水産に迫る。
ここには米飯・寿司・ベーカリーが含まれる。
一般食品・その他は3220億2314万円で、44.6%。
日配品、冷凍食品、アイスクリーム、乳製品などがこのジャンルに入って、
スーパーマーケットにとって、重要な分野を形成している。
それぞれの前年比は、
総売上高が98.7%。
食品は99.2%で、非食品が95.8%。
消費不振といわれながらも、
4月は食品が比較的に健闘したことがわかる。
生鮮3品は前年比99.8%。
内訳は青果101.9%、
水産98.8%、畜産97.9%。
野菜の値段が高騰して売り上げを押し上げた。
一方、畜産は現在、口蹄疫問題などで難題を抱え、
水産は長期的に日本の食卓から追い出されつつある。
惣菜は100.2%で、一般食品は98.7%。
4月は青果と惣菜が前年比をクリアした。
不況になると惣菜が売れる。
野菜が高騰すると、惣菜が売れる。
他は売れない。
それが鮮明に表れた。
さらにこの統計はエリア別実績を公表する。
関東が一番多く、2060億9105万円で、前年同月比97.8%。
2番目は関西で1817億1585万円、98.4%。
3番目は北海道・東北で、1225億1491万円、100.4%。
このエリアだけが前年クリアした。
つづいて、東海・北陸、874億6784万円 (99.3%)、
中国・四国774億3160万円(98.7%)、
九州・沖縄463億6720万円(99.6%)。
4月のスーパーマーケット店舗平均月商は1億0764万円。
1㎡当たり売上高は6.4万円、1坪当たり21.1万円。
いずれも全国平均として、自社自店の数値と比較しておきたい。
この歴史的・画期的販売統計。
毎月月末の28日くらいを目途に発表される。
百貨店統計、コンビニ統計、外食産業統計、
さらに日本チェーンストア協会の統計と並べて読み取ることによって、
日本全体の前月の業態別トレンドが明らかになる。
同時にこの統計は、
「戸籍のない産業」としてのスーパーマーケットの社会的位置付けをも、
世間に知らしめるという意義を持つ。
その意義については、この統計発表後の、
3人の論客会長のコメントが際立っていた。
その詳細を克明に報道するメディアがないだろうから、
明日のこのブログで、私の注釈つきでお届けしよう。
ご期待願いたい。
さて、明日から6月。
今週も「今日も一日、元気と勇気」で過ごしたい。
「今日も一日、優しく強く」で暮らしたい。
そして「むずかしいからおもしろい」
商人舎5月の標語を繰り返すのは今日まで。
しかしこの標語、多分、一生、つぶやき続けるに違いない。
では、Everybody! Good Monday!
<結城義晴>