結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年05月31日(月曜日)

日本スーパーマーケット販売統計の意義を確認しつつ詳細報告する

Everybody! Good Monday! [vol22]

2010年5月最後にして、6月スタートの週。
年初から通算すると第22週の始まり。

先週はラスベガスも寒気団が押し寄せ、
異例の寒さ。

1年に3日しか雨が降らないなどといわれる砂漠の街に、
パラリと雨が舞った。

日本に帰ってきても、東京・横浜は、
明日から6月だというのに、昨日まで寒かった。

しかし考え直してみると、
この季節にこの陽気。

極めて過ごしやすい。

昨夜は、おでんが食べたくなって、食べた。

6月も、どんな天気になるのやら。
変化が激しいから、商売は難しい。

しかし、5月の標語。
「むずかしいからおもしろい」

さらに進めて、
「むずかしいほどおもしろい」

この言葉を、このブログで繰り返すのも、
今日が最後。

しかしこの言葉、死ぬまでかみしめたい。

さて、鳩山内閣支持率。
その直近の世論調査。
この体制に反発的だった日経新聞が22%。
政界再々編を掲げる読売新聞が19%、
二大政党制推進論者の朝日新聞が17%。

二紙において10%台となってしまった。

そして社民党の連立離脱。
福島瑞穂党首の閣僚罷免。

一方、済州島では緊急に日中韓首脳会議が開かれ、
韓国の哨戒艦沈没事件で、共同報道文が発表された。

日本は韓国と共同歩調、
しかし中国は慎重な姿勢を崩さず。

鳩山内閣の普天間問題も、私は、
この根本解決がなされていない朝鮮半島に根があると思う。

第二次大戦後、朝鮮半島は二分された。
それが今も、変わらない。

東西ドイツは、ベルリンの壁がたたき壊された1990年、
ひとつになった。

ベトナムも戦争を経て、
ひとつになった。

朝鮮半島だけが、
残された。
日本の戦後の発展は、
日本が二分されなかったからだ。

朝鮮半島が、もし、二分されていなければ、
我が隣人たちの成長は日本に肩を並べたはず。

私はそれを思うと、残念でならない。
どんな世界になっていたか。
創造するだけでもったいなかったと感じざるを得ない。

そしてこの問題が解決されないから、
米軍の日本での基地問題も、
抑止力の絶対必要性という観点から、
糸がほぐれない。

ソビエト連邦の崩壊で共産主義の意義は見切られてしまった。
さらに東西ドイツは併合された。

それなのに南北朝鮮は分断されたまま。

一時は、スポーツの世界では、
南北合同チームが誕生したりした。

それが今は、遠いものとなった。

この戦後を引きずった問題解決のビジョンもなければ、
目途も立たないから、
沖縄が苦しむ。
沖縄の苦しみは、
日本全体の苦しみとしなければならない。

そしてそれは、朝鮮半島の苦しみでもある。

私はこのブログで、
政治やイデオロギーの問題に触れるつもりはない。
しかし、鳩山内閣⇒普天間問題⇒済州島首脳会議となると、
どうしても最終的に根っこの問題を考察せざるを得ない。

米中と朝鮮半島の二国、その中の日本の役割。

まさしくオクシモロンの問題。
大岡政談「三方一両損」でしか解決には至らない。

米中の「三方一両損」と朝鮮半島の「三方一両損」。
誤解を恐れずに、日本の立場を鑑みつつ言えば、
ここは日本が「二両」を損して、
大岡越前になるチャンスだった。

さて先週金曜日。
東京・帝国ホテルで歴史的記者会見が行われた。

スーパーマーケット3団体による「販売統計」発表。

dscn4903-3.jpg
真ん中に社団法人日本セルフサービス協会会長・横山清さん、
左は日本スーパーマーケット協会会長・川野幸夫さん、
右はオール日本スーパーマーケット協会会長・荒井伸也さん。
よくぞ、三人揃ったものだと思う。
この三人の会長でなければ、
こんな偉業は果たせなかった。

まず発表されたのが三協会の概要。
日本セルフサービス協会
455社約8000店、年間売上高8兆2232億円。
日本スーパーマーケット協会
103社7604店、6兆6808億円、
オール日本スーパーマーケット協会
58社1125店、1兆6030億円。

重複加盟している企業を調整すると、
3団体で571社14兆1645億円となる。

2007年の最新商業統計では、
食品スーパーは17兆0534億円で1万7882店だから、
その83.06%が参集したことになる。

比較的に中小企業が多いスーパーマーケット産業で、
83%の企業が集まることの意義は極めて大きい。

商業統計では、
百貨店が272店舗で年商7兆6883億円、
総合スーパーが1583店で7兆4397億円、
コンビニエンスストアが4万3318店で6兆9609億円。

ちなみに日本百貨店協会の年商は6兆5842億円、
総合スーパーを中心とした日本チェーンストア協会は12兆8349億円、
日本フランチャイズチェーン協会コンビニ部会は7兆9043億円。

食品スーパーマーケット企業の14兆円の集合体の意味は、
このことでも明確である。

3協会の会員企業の全国分布。
北海道・東北が70社、
関東が168社、
東海・北陸が121社、
関西が55社、
中国・四国が55社、
九州・沖縄が102社。

年商別に分けると、
1000億円以上の企業が25社、
500億~1000億円が39社、
300億~500億円が40社、
100億~300億円が113社、
50億~100億円が77社、
10億~50億が198社、
10億円未満が79社。

こうみると100億円未満の企業数は354社で、
571社のうちの63%。

中小企業が多い産業という特徴を如実に示している。

私は小売業は「森のようなもの」だと考えている。
大木もあれば雑木もある。
たくましい雑草もあれば美しい花もある。

だからこの1000億円以上の25社が強くて、残るとは言えないし、
63%の354社が弱くて、消え去るとは思わない。

しかし全体像を世間に発表する意義は大きい。

日本人の家庭内の食生活の変化、食消費のトレンドは、
この統計にあらわれてくる。
それが、くっきりとわかる。

さて、4月の販売統計には、
264社、6704店からデータが寄せられた。
総売り場面積は1134万㎡にも及ぶ。
1店平均では1692㎡、513坪。

スーパーマーケットの店舗もずいぶん大きくなったものだと感慨深い。
その総売上高は7215億8844万円、前年同月比98.7%。

内訳は食品全体で、6194億6530万円、85.8%。
非食品は1021億2314万円で、14.2%。

スーパーマーケットの食品の比率は86%と覚えておくとよい。

生鮮食品は2332億7233万円で32.3%。
そのうち青果が 947億8200万円で、13.1%、
水産は661億6033万円で9.2%。
畜産は723億3000万円で10.0%。

惣菜は641億7495万円で8.9%と水産に迫る。
ここには米飯・寿司・ベーカリーが含まれる。
一般食品・その他は3220億2314万円で、44.6%。
日配品、冷凍食品、アイスクリーム、乳製品などがこのジャンルに入って、
スーパーマーケットにとって、重要な分野を形成している。

それぞれの前年比は、
総売上高が98.7%。
食品は99.2%で、非食品が95.8%。
消費不振といわれながらも、
4月は食品が比較的に健闘したことがわかる。

生鮮3品は前年比99.8%。
内訳は青果101.9%、
水産98.8%、畜産97.9%。

野菜の値段が高騰して売り上げを押し上げた。
一方、畜産は現在、口蹄疫問題などで難題を抱え、
水産は長期的に日本の食卓から追い出されつつある。

惣菜は100.2%で、一般食品は98.7%。

4月は青果と惣菜が前年比をクリアした。
不況になると惣菜が売れる。
野菜が高騰すると、惣菜が売れる。

他は売れない。

それが鮮明に表れた。
さらにこの統計はエリア別実績を公表する。

関東が一番多く、2060億9105万円で、前年同月比97.8%。
2番目は関西で1817億1585万円、98.4%。
3番目は北海道・東北で、1225億1491万円、100.4%。

このエリアだけが前年クリアした。

つづいて、東海・北陸、874億6784万円 (99.3%)、
中国・四国774億3160万円(98.7%)、
九州・沖縄463億6720万円(99.6%)。

4月のスーパーマーケット店舗平均月商は1億0764万円。
1㎡当たり売上高は6.4万円、1坪当たり21.1万円。

いずれも全国平均として、自社自店の数値と比較しておきたい。

この歴史的・画期的販売統計。
毎月月末の28日くらいを目途に発表される。
百貨店統計、コンビニ統計、外食産業統計、
さらに日本チェーンストア協会の統計と並べて読み取ることによって、
日本全体の前月の業態別トレンドが明らかになる。

同時にこの統計は、
「戸籍のない産業」としてのスーパーマーケットの社会的位置付けをも、
世間に知らしめるという意義を持つ。

その意義については、この統計発表後の、
3人の論客会長のコメントが際立っていた。

その詳細を克明に報道するメディアがないだろうから、
明日のこのブログで、私の注釈つきでお届けしよう。
ご期待願いたい。
さて、明日から6月。
今週も「今日も一日、元気と勇気」で過ごしたい。
「今日も一日、優しく強く」で暮らしたい。

そして「むずかしいからおもしろい」
商人舎5月の標語を繰り返すのは今日まで。

しかしこの標語、多分、一生、つぶやき続けるに違いない。

では、Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.