今日は、一日、東京・池袋の立教大学キャンパス。
6月の、しかも梅雨入り前のこの時期が、
一年でも最もいい季節。
そのいい季節に、大学のキャンパス。
これがまた、いい。
2週間前、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の院生お二人と食事した。
写真右が、今年の結城ゼミの山本知己さん、
真ん中は院生一年目の丸山一郎さん。
丸山さんは、ホームセンター㈱コメリの執行役員。
経験のある人が、もう一度学ぶところ、
それが社会人MBAの修士課程。
「超」のつく忙しさの中、時間をつくって学ぶ。
これこそが、本当の学びとなるに違いない。
丸山さんとは、話が弾んだ。
さて、菅直人首相の誕生。
組閣は、来週火曜日の8日になる。
古代ローマ帝国の時代は、
「安全と食料」の確保が、
皇帝にゆだねられた責任だった。
現在の日本でいえば、
「安全保障と経済の安定」だろう。
安全保障は、普天間問題に象徴され、
経済の安定は国の財政再建に集約される。
日経新聞のコラム「大機小機」。
コラムニストの一直氏が、
「財政赤字削減の道筋を早く」というタイトルで、
菅さんに求めている。
「間もなく(日本の)長期債務残高は国内総生産の2倍に達する。
欧州諸国の過去の経験から、
2.5倍を超えると管理不能になるという研究がある」
企業の経営でも、
「借入金が1カ月の売上高の2.5倍になると、
危なくなるよ、結城さん」
私が㈱商業界の社長を務めているとき、
㈱セイミヤ会長の加藤榮一さんがそう教えてくれた。
加藤さんは商業界エルダーで、
関東山静連合同友会会長。
私はその時、経験に満ちた有益な指標だと思った。
菅直人総理にもそれが求められている。
さて、今日6月5日は、「世界環境デー」。
朝日新聞が特集をしている。
環境破壊の根本原因は、地球の人口増加と、
「その人々がより豊かな生活を求めているからだ」。
世界自然保護基金の試算では、
世界中の人が日本人と同水準の生活をするには、
地球が2.3個必要。
アメリカ人と同じ水準ならば、
地球は4.5個も必要になる。
その地球の人口、
50年前に30億人だったものが、
現在、70億人に迫る。
2050年には91億人にも達する。
日本の人口は、
大正時代に5000万人台だったが、
現在、1億2708万人。
ビジネス上のこと、経済の振興だけを考えると、
人口の減少や少子高齢化は大きな障害だが、
それを嘆いてばかりもいられない。
これは私たちの仕事とも関係するし、
菅首相の政治とも深く絡み合っている。
荒井伸也さんが言うように、
人口が減っても良い小売店舗、良いサービス業は、
何ら心配がない。
そんな良い店、良い企業をつくる努力を続けながら、
環境の問題を自分の課題としなければならない。
その際、大切なことは、
多くの人々の知恵を共有するという姿勢である。
「知恵のある者は知恵を、
力のある者は力を」
私は、オープンマインドであることこそ、
このオクシモロンの問題解決の条件であると思う。
「唯我独尊」はいけないし、
「排除の論理」はこの問題になじまない。
<結城義晴>