結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年06月05日(土曜日)

菅直人新首相の財政赤字削減と地球環境デーに思うこと

今日は、一日、東京・池袋の立教大学キャンパス。

6月の、しかも梅雨入り前のこの時期が、
一年でも最もいい季節。

そのいい季節に、大学のキャンパス。

これがまた、いい。

2週間前、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の院生お二人と食事した。
写真右が、今年の結城ゼミの山本知己さん、
真ん中は院生一年目の丸山一郎さん。
丸山さんは、ホームセンター㈱コメリの執行役員。
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経験のある人が、もう一度学ぶところ、
それが社会人MBAの修士課程。

「超」のつく忙しさの中、時間をつくって学ぶ。
これこそが、本当の学びとなるに違いない。

丸山さんとは、話が弾んだ。

さて、菅直人首相の誕生。
組閣は、来週火曜日の8日になる。

古代ローマ帝国の時代は、
「安全と食料」の確保が、
皇帝にゆだねられた責任だった。

現在の日本でいえば、
「安全保障と経済の安定」だろう。

安全保障は、普天間問題に象徴され、
経済の安定は国の財政再建に集約される。

日経新聞のコラム「大機小機」。
コラムニストの一直氏が、
「財政赤字削減の道筋を早く」というタイトルで、
菅さんに求めている。

「間もなく(日本の)長期債務残高は国内総生産の2倍に達する。
欧州諸国の過去の経験から、
2.5倍を超えると管理不能になるという研究がある」

企業の経営でも、
「借入金が1カ月の売上高の2.5倍になると、
危なくなるよ、結城さん」

私が㈱商業界の社長を務めているとき、
㈱セイミヤ会長の加藤榮一さんがそう教えてくれた。
加藤さんは商業界エルダーで、
関東山静連合同友会会長。

私はその時、経験に満ちた有益な指標だと思った。
菅直人総理にもそれが求められている。

さて、今日6月5日は、「世界環境デー」。
朝日新聞が特集をしている。

環境破壊の根本原因は、地球の人口増加と、
「その人々がより豊かな生活を求めているからだ」。

世界自然保護基金の試算では、
世界中の人が日本人と同水準の生活をするには、
地球が2.3個必要。
アメリカ人と同じ水準ならば、
地球は4.5個も必要になる。

その地球の人口、
50年前に30億人だったものが、
現在、70億人に迫る。
2050年には91億人にも達する。

日本の人口は、
大正時代に5000万人台だったが、
現在、1億2708万人。

ビジネス上のこと、経済の振興だけを考えると、
人口の減少や少子高齢化は大きな障害だが、
それを嘆いてばかりもいられない。

これは私たちの仕事とも関係するし、
菅首相の政治とも深く絡み合っている。

荒井伸也さんが言うように、
人口が減っても良い小売店舗、良いサービス業は、
何ら心配がない。

そんな良い店、良い企業をつくる努力を続けながら、
環境の問題を自分の課題としなければならない。

その際、大切なことは、
多くの人々の知恵を共有するという姿勢である。

「知恵のある者は知恵を、
力のある者は力を」

私は、オープンマインドであることこそ、
このオクシモロンの問題解決の条件であると思う。

「唯我独尊」はいけないし、
「排除の論理」はこの問題になじまない。

<結城義晴>

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