結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年06月08日(火曜日)

蓼科フォーラムへの先乗りと未実施の『商業統計』簡易調査

菅直人民主党代表のもと、
新しい執行部体制が決まった。

菅代表は63歳で団塊の世代だが、
党三役は若い。

枝野幸夫幹事長が46歳、
玄葉光一郎政策調査会長も46歳、
樽床伸二国会対策委員長は50歳。

民主党の中で、明らかな世代交代が起こっている。

若いことは、それだけで期待が持てる。
もちろん年を経た人は、それだけで信頼できる。

ライフコーポレーション会長の清水信次さんのように。

とにかく、この新しい体制に頑張ってもらおう。
私は素直に、そう思う。

さて、昨日から、長野県蓼科へ。
コーネル大学RMPジャパンの合宿の先乗り。

ところは東京商工会議所運営の蓼科フォーラム。

dscn5027-3.jpg

荒井伸也コーネル・ジャパン首席講師、
村尾芳久日本セルフ・サービス協会営業本部長、
それにバリラ・ジャパンの三宅優司さんと、
㈱京急ストア取締役の上野裕さんが加わってくれて、交流。
上野さんは、あの「伝説の第一期生」の中核メンバー。

蓼科フォーラムは、白樺に囲まれた絶好の研修所。
昨日は私たちの借り切り。
コーネル・ジャパンの6月講座は、
この蓼科フォーラムで合宿して、
シミュレーションゲームを行う。

入口を入る。
dscn5025-3.jpg

すると1階ホールが広がっている。
dscn5028-3.jpg

この研修所を借り切って、シミュレーション・ゲームは行われる。

1階ホールは、深夜まで議論と交流に使われる。
dscn5022-3.jpg

1階と2階に宿泊施設があって、
中庭を囲んでいる。
dscn5021-3.jpg

このフォーラムに、
浅香健一先生、森順治先生を招いて、
スーパーマーケット・シミュレーション・ゲームは展開される。

毎年のことながら、 コーネル・ジャパンの売り物講座の一つ。

第二期生は、6チームに分かれて、
経営バトルを展開し、勝者を決定する。

さて、今朝の朝刊各紙の中で興味を引くのは、
日経新聞の「景気指標」

編集委員の田中陽さんが、コラムを書いている。
「消えた『商業の国勢調査』」のタイトル。

田中さんは流通業にも造詣の深いジャーナリスト。
だから、2007年に本調査が行われた『商業統計』の、
次の統計調査が実施されていないことを嘆いている。

『商業統計』は「悉皆調査」である。
悉皆調査とは、「全数調査」ともいわれ、
全事業所から調査データを収集して集計される。

これに対して「標本調査」といわれる方法がある。
「サンプル調査」「抽出調査」ともいわれる。
選挙のときの出口調査などその典型で、
コンピュータ予測システムの発達によって、
驚くほどの精度向上が図られた。

しかし、悉皆調査には、
悉皆調査でなければ判明しない事実がある。
『商業統計』は悉皆調査であることに、
極めて大きな意義がある。

例えば、WR比率は悉皆調査でなければ、わからない。
WはWholesellerのW、すなわち卸売業。
RはRetailerのR、これは小売業。

つまり、WR比率は、
卸売業全体と小売業全体の売上高を比較したものだが、
これは悉皆調査でなければ明らかにならない。

そんな『商業統計』は5年に一度、
本調査が行われる。

私たちが活用しているのが、
2007年に調査された本統計。
次の本統計は2012年に実施される。

しかし『商業統計』では、
本調査の2年後に「簡易調査」が行われることになっている。

それが実行されていない。

田中編集委員は、このことを指摘している。
私も、これには賛成。

2007年の商業統計によって、
「駅ナカ」の販売効率が、
小売業平均の8倍になる
ことが明らかになった。
田中さんが書いている。

順当ならば2009年に行われたはずの「簡易調査」によって、
ネット通販の詳細な実態も判明したに違いない。
これも田中さんの指摘。
例えば、楽天は、2009年度取扱高1兆1861億円。
これは、前年比20%の増加。

この売上げのうち、夜間の比率は53%に及ぶ。
午後8時から翌朝午前9時59分までの約14時間で53%。

この事実によって、消費者の購買行動が、
大きく変わっていることがわかる。

イトーヨーカ堂のネットスーパーの年商は約300億円
前年比約40%増と好調。

「大型商業施設1個分の売上高に匹敵する」と亀井淳社長。

こんなことに関する調査研究も、
『商業統計』がもとになって行われる。

ドラッカーも表現した「経済の暗黒大陸」。
現在は、そんなことは断じてないが、
田中さんは最後に指摘する。

「空白の7年で再び暗黒大陸に戻りはしないか」
これもそんなことはないが、
それでも「悉皆調査」の『商業統計』は、
日本社会にとって必須のものだと思う。

先のスーパーマーケット三協会による「販売統計」は、
スーパーマーケットの社会的地位を引き上げる効果を果たす。

『商業統計』も、商業の地位を上げることにつながる。
アメリカのような毎年の「商業センサス」調査とまでは要求しないが、
5年に一度の本調査とその間の「簡易調査」は必要だと思う。
できれば簡易調査は毎年でも、実施してもらいたい。

これに関しては事業仕分けはご免こうむりたい。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.