今日6月11日は「入梅」。
暦の上では、今日から梅雨に入る。
しかし、沖縄、奄美地方以外は、いまだ梅雨入りせず。
近畿地方の平年の梅雨入りは6日だが、
昨日の10日には、京都で最高気温32.3度、
甲府市で31.3度、名古屋で31.1度。
各地で夏のような日和。
しかし、梅雨入り前は、いい気候。
この気候を楽しみたい。
注目の夏の参議院選挙は、
「6月24日公示、7月11日投開票」と決まった。
そこで菅内閣と民主党は、
今国会での「郵政改革法案」の成立を見送る方針。
それによって、
国民新党の亀井静香代表は、
金融・郵政改革相を辞任。
鳩山政権からは、社民党の福島瑞穂代表が離脱し、
菅政権からは、亀井代表が辞任した。
「政権基盤に打撃」と報じるメディアもあるが、
「参議院選優先」の民主党の強気が表れた結果の方針。
しかし国民新党は連立政権の基本を崩さず、
後任に自見庄三郎幹事長が就任する方針で調整している。
日経新聞の経済教室。
劇作家の山崎正和さんが整理している。
門外漢の政治批評。
しかし私は以前から、山崎さんの発言に注目している。
平成時代になってから、短命内閣が続く。
最長は、小泉内閣の1980日。
次が橋本内閣の932日。
三番目が意外にも海部内閣の818日。
2年以上続いたのは、この三内閣のみ。
その理由、原因。
山崎さんの分析によると、
第一は「現代日本の真の課題が深刻なものばかり」になったこと。
経済の成熟、少子高齢化、環境破壊、技術開発の停滞……。
第二は、冷戦の終焉によって、
個人の「心のよりどころとしての政治的立場」が揺らいでいること。
「民主党の成り立ち自体がこの現象を象徴」している。
第三は、「都市化の進行」。
これが「多数の国民を孤独な群衆」に変えた。
第四は、「情報化の深まり」。
内閣支持率は毎月のように耳に入る。
インターネットは、無署名の世論を無責任に氾濫させる。
これが現代日本の大衆社会。
その結果、政治家も経済人も、社会的指導者がいなくなった。
「警世の言を発する」経済人も少なくなった。
そして「リーダーなきポピュリズム(扇情政治)」。
「珍現象」が現れる。
山崎さんは言う。
「民主主義の宿命的な難しさは、
たゆみない改革と安定した連続性との均衡を図ること」。
これはまさしく、経営そのものだ。
「民主主義とは言葉による政治なのである」
だからこそ、山崎正和に発言の機会が与えられる。
山崎さんは結論付ける。
「政治の言葉は、
抽象的な理念と具体的な政策の
的確な組み合わせでなければならない」
そう考えると、何度も言うが、
菅直人の「最小不幸社会」という語法には、
どうも納得がゆかない。
さて今週は、疲れた。
月曜日から三日間、蓼科。
コーネル大学RMPジャパンの合宿。
そして木曜・金曜は、東京ドームホテル。
午後1時から、
オール日本スーパーマーケット協会第48期定期総会。
真ん中のひな壇には、議長の荒井伸也さん。
オール日本スーパーマーケット協会会長。
私は、今週、ずっと荒井さんと一緒。
2時10分からは、事務局による「AJS中期事業計画報告とコプロ㈱活動報告」。
そして3時から特別講演。
テーマは、
「米国スーパーマーケットのTide of Time」
Tideとは潮流、Timeは時代。
すなわち「時代の潮流」。
私が好んで使う用語。
頭韻を踏んでいて、耳に心地よい。
しかもこの言葉、『販売革新』誌創刊のときの名物コラム名。
まず、日本のスーパーマーケットの4月度実績。
これは三つの協会が協力して集計した歴史的「販売統計」。
私は、この統計を大変高く評価している。
そしてこの統計とアメリカのスーパーマーケットの経営データの比較。
さらに2009年度米国チェーンストアランキングの解説。
「鳥の目」でものを考えねばならない。
そのあと、3Wのスライド解説。
Walmart、Whole Foods Market、Wegman’s。
今回、私が強調したのは、「ポジショニング」の考え方。
マーケティングのSTP。
このブログの読者にはおなじみの概念。
(1)セグメンテーションとは、
[マーケットにおける顧客や顧客ニーズを分類し細分化すること]
(2)ターゲティングとは、
[自社の参入するセグメントを選定し、ターゲットを明確にすること]
そして(3)ポジショニングとは、
[顧客のご利益を鮮明にし、自社の位置付けを確立すること]
ポジショニングがどんなことか、
際立ったポジショニングは「客層を広げる」。
最後は、熱が入った。
この考え方、ご理解いただけただろうか。
特別講演の後は、懇親会。
㈱日本アクセスの田中茂治社長の乾杯の挨拶。
そのあと40分間、着座して食事を楽しむ。
40分過ぎると、満員電車並みに込み合って、
名刺交換と交流。
右から、㈱セブンスター社長の玉置泰さん、
㈱ヤマナカ社長の中野義久さん。
左は、㈱マツモトの松本隆文さん。
みんな私の同志。
楽しい交流、あっという間に時間が来て、散会。
最後に荒井会長とツーショット。
今週は5日間ご一緒。
お疲れ様でした。
その後、部屋で交流。
右から、松本さん、
商人舎エグゼクティブ・プロデューサー松井康彦さん、
㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん、
㈱ダイイチ社長の小西保男さん。
忌憚のない意見が飛び交い、
ごくまじめで、活発な討論。
「ポジショニング」のおさらいができた。
皆さま、ご清聴を心から、感謝します。
「ありがとうございました」
<結城義晴>