サッカーの試合で、
こんなに感動したのは初めてだった。
これほどの感動の理由はどこにあるのか。
FIFAワールドカップ南アフリカ大会。
日本代表がデンマークに3対1で快勝。
2002年の日韓共催大会以来、決勝トーナメントに進んだ。
選手たち自身が感動していた。
ルステンブルク・スタジアムに陣取った応援団はもちろん感動した。
北半球の日本列島でも、
うっすらと明け始めた早朝の5時半には、
感動の渦が巻き起こっていた。
日本中の家庭に灯があった。
この感動を生みだしたのは、やはりこの男。
本田圭佑が口火を切って、1点を先取し、
仲間に勇気と元気を植え付けた。
2点目は、遠藤保仁が決めた。
ゲーム後、本田はクールに語ったが、
自ら感動していることは明らかだった。
監督の岡田武史は、
感動して泣いていた。
私も、感動した。
感動は、サービスやホスピタリティと同根だと思う。
フリップ・コトラーが定義している。
「サービスの質とは、
提供され知覚されたサービスと、
期待されたサービスのギャップである」
岡田ジャパンの選手たちがフィールドで提供したものと、
私たちが期待したものとのギャップ。
それが想像を超えて、はるかに大きかった。
だから感動も大きかった。
選手たちの真摯さ、忍耐強さ、ひたむきさ。
自分のエゴのかけらも見えない仲間への思いやりとやさしさ。
そのうえで、闘う意志。
その結果の劇的勝利。
前評判は高くはなかった。
「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」
(新約聖書・ローマ人への手紙5章)
彼らは艱難から忍耐を学び、
忍耐から練達を身につけ、
練達の挙句、希望を生み出した。
この艱難から生まれた希望は、
失望に終わることはない。
それがこの勝利だった。
さらにこの感動を大きくした理由。
それは、私たちがこの稀な体験をした時間帯にある。
深夜3時半から早朝5時半。
普通ではない状況。
尋常ではない環境。
これが大いに感動を増幅させた。
心から、感謝したい。
さて、昨日は朝から、東京・日本橋。
参議院選挙公示の日に、出陣式。
応援者のスピーチも良かったし、
立候補者の演説はもっと良かった。
感動した。
頑張ってほしい。
その後、日暮里で、1日、会議。
会社の変革のスピードが、
思った以上に速い。
それに感動すら覚えた。
そして夕方は、御徒町の「花ふぶき」で懇親会。
写真右から二人目が、
ユニバース㈱代表取締役の清岡祥治さん、
右が同営業部の佐藤傑(すぐる)さん。
この会社は1万名の自社登録スタッフを擁して、
各種イベントプロモーションを展開する。
今のところサンプリングが中心業務だが、
そこから、生活導線上の『コミュニケーション・ハブ』機能を担って、
プロモーションを展開していこうという構想を持つ。
とりわけ佐藤さんは全国の「料理教室」のネットワークを持っていて、
これが実に面白い。
日本の食分野を、料理教室を起点に、
様々な切り口でマーケティングし、イノベーションしていく。
そんなビジョンと意欲が、二人にあふれていた。
36歳の若い二人と話をしていて、
私はちょっと、その若さに感動した。
応援したいと思う。
昨日から今朝まで、感動の嵐。
感動とは、自分の心が解放されていると、
群れをなして、向こうからやってくるもののようだ。
お店にも、そういったことがあふれているといい。
ただし、店舗における感動は、
大抵の場合、もっと日常的で、普通で、
小さくて、細かい感動である。
いつもいつも、異常で大きな感動をもたらすものではない。
ワールドカップは、4年ごとに行われるから、
大きな感動。
店は毎日開かれるから、そこでは、
小さな感動。
この違い、両方を味わえることに、心から、感謝。
<結城義晴>