結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年07月10日(土曜日)

コーネル・ジャパン奇跡の第二期生全員のショート・スピーチと決意表明に感動

いよいよ煮詰まってきました。
参議院選挙。

「選挙に行こう・投票しよう【パート2】」
今月の標語。

これが必ず、商業の現代化につながる。

さて一昨日の7月8日。
東京・帝国ホテルで、
社団法人日本セルフ・サービス協会の理事会が開催された。

昨年8月に、同じく社団法人の全国スーパーマーケット協会との合併を果たし、
ほぼ1周年を迎える時の理事会。

その席上で決定されたことがある。

協会の名称の変更。

新しい名前は、
「社団法人新日本スーパーマーケット協会」

9月1日から、こう名乗ることになる。

455社、約8000店のスーパーマーケット、
その総年商は8兆2232億円。

新しい名称のもと、
一致団結して、
日本のスーパーマーケット産業のため、
協会のため、
そして自社のために、
改革を続けてほしいものだ。

これで日本のスーパーマーケット業界に、
協会が三つ、存在することになる。

日本スーパーマーケット協会。
会長は川野幸夫ヤオコー会長。
103社、7604店、総年商6兆6808億円。

オール日本スーパーマーケット協会。
荒井伸也会長。
58社、1125店舗、総年商1兆6030億円。

すべての協会に「スーパーマーケット」という業態の名称が入る。
そして三協会の足並みがそろってくる。

これは間違いなく、進化である。

さて、その新日本スーパーマーケット協会が主催するコーネル・ジャパン。
第二期の国内講義は終了。

最後の講義では、全員がショート・スピーチをした。
総括と決意表明。

その全貌をお届けしよう。

あいうえお順。

㈱菱食の浅沼和彦さん
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コーネル・ジャパンは、質・量ともに怒涛のごとしだった。
大波をかぶって、その波は過ぎていっても、衝撃は残ったまま。
卸売業の立場から小売業を学んだ。
とくにサミットのバックヤードでの理論的な説明は衝撃だった。
スーパーマーケット、コンビニと業界ひとくくりではなく、
1店1店異なるということを学んだ。
受けた衝撃を温めて、自分の中に残るようにしたい。

㈱義津屋の伊藤彰浩さん
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愛知県はトヨタショックで消費が冷え込み、GMS業態の自社も厳しかった。
続けて参加していけるかどうか心配したが、無事に終わり、ほっとしている。
学んだことを活かし、経営者として現場の課題解決を実行している。
今取り組んでいることの正しさ、
取り組んでいないことを確認して、
自社と自分の立ち位置がわかった。
10年後も仲間と酒を酌み交わせるよう努力していきたい。

三井食品㈱の稲田雄司さん。
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最後の東京研修の晩だから、昨夜は皆と遅くまで飲んだ。
そんな同志ができたことが収穫のひとつ。
三井食品は継続的成長が可能な卸を目指している。
この4年間、苦しい時期があったが、変容している。
事業構造の大改革を行った。
そして、小売業のあり方を1年間勉強したことはいい経験だった。
結城先生がいった「脱グライダー人間」を体現していきたい。

㈱関西スーパーマーケットの柄谷康夫さん。karatani.jpg
結城先生の「心は燃やせ、頭は冷やせ」の言葉を聞いて、
早とちりでやって失敗したり、遅すぎてもあかんこともあったり、
いろんなことを学んだ。
ニューヨークへは、2年前にツアーで行き
①セルフレジ導入100%、②PB80%、
③生鮮食品売場に冷凍食品売場があることを学んだ。
10年先のスーパーマーケットを視点としてコーネル修了ツアーで学びたい。
経営に100点満点はないし、正解もない。
それを改めて感じた。
だから頑張っていきたい。

㈱福原の喜多敏丈さん。
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1カ月に1度ずつ、牛の数が多いエリアから、
人に酔うような場所に来て、学んできた。
3000人しかいない人口の中でスーパーマーケットの商売をしているが、
今回初めて勉強をしたように思う。
与えたれた仕事を一生懸命やる、お客さまに応えるだけではなく、
10年という物差しで考える経営をすることを学んだ。
次の世代に残せるよう、会社の中で実践していきたい。

㈱洋菓子のヒロタの北川善裕さん。
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はじめ英語の講義で、どうなるかと心配した。
製造販売、流通への卸をやっているが、
スーパーマーケット企業視察の研修を通して、
各社がそれぞれの中で苦労し、工夫をしていることを学んだ。
自社の製造の無駄も実感した。
学んだことをもって改善したい。
1年間、楽しかった、勉強になった。
数多くの人に感動するお菓子を提供していきたい。

㈱ジョイスの佐々木寧さん。
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謎の中国人で記憶に残ると困る(笑)。
現社長が一期生、自分は二期生で参加した。
経営者の視点で仕事をしていかなければならない、
そのために派遣されたのだと思う。
コーネルで学んだ共通認識の下で、現在、会社の仕事が進んでいる。
生きた勉強ができた。
もやもやし、悩んでいたことが吹っ切れた。

㈱ベルプラスの澤田司さん。
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45歳の時、子会社の社長を4年間やった。
前任者よりも、より正確にやる より素早くやるしか方法がなかった。
競合店が出てきたら逆上するしかない、そんな社長だった。
今回、経営者として必要な道具はすべて用意するとあったので、
全力で吸収する努力をした。
競争が厳しくなっていく中で、自信をもって、
利益ある分野に人も資金も投入することを宣言できた。
みな喜んで受け入れてくれた。

デイモンワールドワイドジャパンインクの島拓也さん。dscn1289-1.jpg
国内のPB市場が今年3月から変わってきた。
お取引先と共通のミッションに向かって売上げをどう作っていくか。
サミットの視察で指示書の重要性を学んだ。
取引先に指示書を書いてもらえる仕組みをつくった。
言葉がわかりにくい、言葉の共有化が大切という荒井先生からの指摘があったが、
その大切さがわかった。

㈱サンベルクスの鈴木得彦さん。
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92年、バブルの最後にJRに、街をつくりたいという目標をもって入社した。
職場が変わるたび、次の職場では、それまでの常識が非常識になった。
しかし、過去の仕事の経験は役立った。
小売業の勉強が何に役立つのか。
今はわからないが、
総合生活産業に携わる者として、貪欲に志もって取り組んでいきたい。
そして、「東京駅」を世界に誇れる駅にしたい。

㈱田子重の曽根誠司さん。
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「脱グライダー」は、ただエンジン付いてるだけではだめだろうと思う。
意思と志をもって実践しなければならない。
知らないことを学ぶことができた。
知っていたことでも、いろんな切り口の視点があることも学んだ。

㈱阪食デリカの髙井累さん。
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阪食の社長スタッフ、経営スタッフだったが、
社交性がないために参加させられたのではないか。
自分もエンジンを積んでいたと思うが、
社長がもっと大きなエンジンをもっていた。
阪急デリカに異動を願い出て、実現した。
大久保先生が、従業員がニコニコしていると成績は上がると言っていたが、
社員を褒め続けたら、この3カ月成績がアップした。
学んだことが役に立ったし、エンジンの馬力がアップしたかもしれない。

㈱万代の谷康一さん。
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無鉄砲という関西のラーメン屋。
箸がたつほどのとんこつ味ラーメンを出して、
奈良の県境の田舎で200人の行列ができる。
長時間煮込んでできた純粋なコラーゲンスープだから箸がたつ。
接客も評判。
5回目で全メニューを食べたら、何が一番おいしいかと聞かれ驚いた。
現場を見ればわかるものがあるが、その裏にあるものはわからない。
コーネルでそれを知ったこと、知るすべを得られたことが収穫。

㈱道南ラルズの土手光三さん。
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北海道は500万人口だが、人口減の地方ではSMがなくなっている。
ライフラインのSMを存続させるための勉強ができた。
感動する講義、セミナーは心に残るが、一回だけ。
コーネルは体系化された講義を1年間、学んだ。
先日、レタスを50円で特売した。
汗をかきながらレタスの尻をカットしているスタッフに、
そのまま出せばよいと指示した。
目的は50円で売ることだからだ。
作業改善の授業が役立っている。
現場と本部が情報を共有して、仕事を熱く語って、進めたい。

㈱伊藤軒の中井としおさん。
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松葉づえをついた鬼のような形相の人もいて、えらいところにきたと思ったが、
自分のほうからどんどん話をしようと、それをモットーに参加してきた。
学んだことはたくさんあったが、ご縁をいただいたことが財産。
食品売上げの半分の構成比を占める百貨店と異なり、
SMでは菓子のポジションが小さい。
家計調査では菓子は9%の消費量を占める。
その数値に近付けるようSMとの取り組みに励みたい。

㈱平和堂の夏原陽平さん。
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長男が第一期生、二男が二期生で派遣された。
SMのゴール、完成形を見つけようと思って
さまざま講義やセミナーを受けてきたが、
コーネルで分かったことはすべてが正しい、すべてが正しくないということ。
創業53年、靴鞄の店からSMになったが、
創業者はなぜSMをやったのか。
会社と社会。
ドラッカーは、会社は世のため人のために存在するという。
社会責任、社会貢献をしていくために利益を上げていく必要がある。
しっかりと気合を入れてやっていきたい。

㈱万代の西水啓介さん。
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常日頃、2S=整理整頓の大切さを言っているが、
自分の机周りはぐちゃぐちゃ。
体系的な講義を聞いて2Sを標榜する頭の中が、少しは整理できた。
チームとチームワークの講義は勉強になった。
コミュニケーション力を高めてチームワークをつくっていきたい。
バブルの絶頂期に小売業界に入ったが、
20年間で流通業、小売業が大きく変わった。
敵は近くにいる敵ではなく遠くにいる敵かもしれない。
西友ウォルマートが一番怖い。
10年先、20年先、グローバル企業の脅威があるだろう。
戦う準備をしたい。

三井物産㈱の花牟礼真一さん。
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自社では「ネットワークのバリューアップ」を掲げ、
取引をしているステークホルダーの付加価値を上げようと取り組んでいる。
小売業のことを知らなければそれができない。
日本は各地方地方で食文化が違う。
商社の立場で『食文化を守っていかなければいけない』と学んだ。
5年後、10年後、小売業の経営陣になりたいという思いも出てきた。

㈱成城石井の原昭彦さん。
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社長が一期生、二期生の講師だったので少しやりづらかった。
昨年、社長から出された課題が同じ授業を受けたことでよくわかった。
情報システムの改善、配送センターの整備など、改革は進んでいる。
ホスピタリティ委員会も発足したが、
ホスピタリティはすぐには向上する課題ではないこともわかった。
林先生の講義を聞き、すぐフレッシュなリンゴでパイをつくれと指示を出した。
2週間で完成させ、よく売った。
売上げアップは、
「一期生、二期生のコーネルの奇跡」と社内で言われている。

㈱シジシージャパンの藤井淑生さん。
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全国スーパーマーケット協会の事務局をやって2年間過ごしたのち、
20年、商品部に在籍した商品バカである。
経営課題の面倒なテーマは避けてきたが、
SMのオペレーションは商品だけではないと改めて理解した。
シジシーという組織を利用して
単独企業でやれないことを商品以外のことでも貢献していきたい。
お金、時間を自分にかけてくれた会社の期待に応えたい。

㈱マーメイドベーカリーパートナーズの三木亘さん。dscn1344-11.jpg
人とのつながりが大切な資産。
会社に役立っているか、まだ何もできていないと思う。
脱グライダーにならなければならない。
自分から進んで変えていきたい。

㈱キシショッピングセンターの水野實さん。dscn1348-1.jpg
自己啓発セミナーに参加することが多かったが、
今回は、実務的な勉強ができた。
一宮市のスーパーマーケットは1円戦争で競争が激しい。
挨拶・クレリネスの徹底、チラシ回数減による販売管理費の削減などで対応していた。
しかし、習ったことをもって自社のポジショニングを決め、
競争に勝っていきたい。

㈱キョーエイの安友健雄さん。
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入学したころ、銀行から転職して数年経っていたので、
自分ではやっていると思っていたが、
今思うと井の中の蛙であったことがわかる。
前むきに考える姿勢、感覚を学んだ。
居合道を週三回練習し、5段の免状を取得した。
始めた動機は竜馬にあこがれたこと。
竜馬流にいえば、
「考えたらあかんぜぇよ」「我ら日本のおとこじゃき」。
日本のスーパーマーケットがともに頑張らなければならない。

国分㈱の山崎佳介さん。
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「スーパーマーケットの産業内大学」「体系だった講義」と聞き、
小売業からみた卸を知りたいと思って参加した。
小売業を学ぶことができた。
ドラッカーは「なにをもっておぼえられたいか」といっているが、
「ご当地コーネル」の事務方をやっていきたい。
つながりをつけるのは卸の仕事だからだ。

昭和産業㈱の湯沢公朗さん。
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部長が参加予定だったが
「レポートを毎月出さなければならない」の情報を得て、
急きょ、殺人パスをされ、参加することになった。
先生方からマネジメントを学んで、本をずいぶん読んだ。
トップクラスの先生方の講義を受けたことがよかった。
「知る、わかる、実行する」それを進めていきたい。

㈱よこまちの横町浩明さん。
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八戸市を拠点に8店100億円、600人の従業員の会社。
体系的に学び 対比的なサミット、ヤオコーなどの視察もした。
正解はひとつではない。
結城先生がいうように、学んだことを
「徹底して詳細に厳密に」やらなければならない。
企業規模は小さいが、勉強を継続していかなければならないと思う。
そして人づくりなんだなとつくづく思う。
従業員の生活を守り 地域に貢献し志を同じくする仲間をつくり、
勉強したことを実行していきたい。

㈱タカキベーカリーの横山豊さん。
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櫻庭先生に「パン屋はもうからない」といわれ、
20年後の長期経営計画づくりで見返してやろうと決意した。
業務用担当で飲食店に収める仕事をしているが、
お客さまの顔を見られない寂しさがある。
お客様の顔が見えるSMはうらやましい。
業務用組織が大きくなるようガンバっていきたい。

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私は、すべてのスピーチに感動した。
この産業内大学、本当に、
始めてよかったし、
これからも続けていかねばならない。

間違いなく、スーパーマーケットの現代化、
ポスト・モダンの商業を構築することにつながる。

「奇跡の第二期生」の決意表明を聞きながら、
そう確信した。

朝に希望・昼に努力・夕に感謝。

<結城義晴>

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