今日は、西日本から東日本の広い範囲に、
雷を伴う激しい雨。
気象庁が、土砂災害・河川の増水など、
警戒を呼び掛けている。
これは活発な梅雨前線の影響。
しかし北陸や太平洋岸は高温の今日。
もうすぐ、梅雨が明け、
真夏がやってくる。
もうすぐ。
6月から7月に入って、
全体に営業状況は良化している。
雨模様の梅雨が明けると、
客足はさらに店に向かう。
それまで、もうすぐ。
私は昨日から、長野県軽井沢。
恒例のトリマス会。
㈱とりせん会長の前原章宏さん主催の研修会。
避暑のつもりが大雨になりそう。
立教は前期が終了し、
コーネル・ジャパンも第二期国内講義は終了。
久しぶりに、ゆっくりとものを考えることができる。
ドラッカー先生ではないが、
「時間をまとめる」ことは極めて重要。
ものを考えていたら、
私の著書『メッセージ』から二編が浮かんだ。
「あなたの評価」
あなたはいったい、
何をもって評価されているのですか?
あなたの会社の評価基準は、
何ですか?
売上高ですか?
ならばできるだけ在庫を増やしなさい。
できるだけ販促しなさい。
人を増やしなさい。
「いいえ、利益で評価されます」
どの利益ですか?
利益にはいろいろあります。
「荒利です」
どの荒利ですか?
荒利益率ですか?
荒利益高ですか?
もし荒利益率を上げるのならば、
値入れ幅を大きくしなさい。
仕入原価を引き下げなさい。
「いいえ、きっと荒利益高です」
ならばまず売上高を上げる努力をしなさい。
そのために在庫を増やしなさい。
販促しなさい。
人を増やしなさい。
「いやいや、ロス率にも気をつけねばなりません」
ロス率を下げようと思ったら、
在庫を減らしなさい。
生鮮や日配、惣菜、鮮度のある商品の品揃えを縮めなさい。
品切れを起こさせなさい。
「ええい、面倒だ。
売上高と荒利益高と荒利益率とロス率です」
あなたはいったい、
何をもって評価されているのですか?
「一番の人気」
あなたの店が繁盛しているとする。
売上高の半分は実力なのだろう。
しかし、あとの半分は、人気によるものだ。
人気とは、一番の者に与えられる特権である。
あなたの店が不振だとしよう。
不振の半分は、店の実力による。
しかしあとの半分は、人気がないからだ。
二番手、三番手、四番手だからである。
では一番の人気は、なぜ獲得できたのか。
そして一番の人気は、どんなときに逆転するものなのか。
何も競争がない時代。
すばやく時流をとらえた者が、まず人気を博する。
人気は実力に決定的な影響を与え、実力はどんどん向上する。
追いかける者がいくら努力しても、この実力差は詰まらない。
どんなに消費が冷え込んだときにも、
どんなに営業不振のときにも、
一番人気の店は密かに客の支持を伸ばしている。
二番手以下は急激に落ち込む。
ただし、追う者の強みというものもある。
紙一重の差までは、努力しだいで到達することができる。
しかし、この紙一重の差が大きい。
だから、そこから先は運にめぐまれるしかないのかもしれない。
たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、ころがり込んでくるものなのだ。
人気を維持すること。
逆転すること。
それができるのは、
謙虚に、実力と人気の力関係を知る者だけである。
<結城義晴>