西日本の豪雨。
福岡県朝倉市では1日の雨量が224mm。
22㎝以上。
これは観測史上最大。
土砂崩れと河川の氾濫、増水によって、
広島と島根で2人が死亡、2人が行方不明。
いずれも70歳台、80歳台の高齢者。
こういった災害のときには、
地域を上げて、高齢者の支援を実行したい。
西日本は豪雨だが、
関東や東北は真夏のような高温・多湿。
梅雨前線が日本列島に、様々な影響を与えている。
さて、国際的に、日本の財政状態が問題になっている。
朝日新聞のインタビューによって、明らかになった。
国際通貨基金(IMF)は、今週中に、
日本に対して「増税の提言」を発する。
IMFは加盟国に対して、通常毎年、
経済見通しや経済政策について分析・提言する。
これは「年次審査」と呼ばれる。
今年5月、IMF代表団が日本にやってきて、調査し、協議した。
その結果、
「日本の財政再建には今後、
歳入面の施策が中心にならざるを得ない」という見解に至った。
すなわち日本の今後の財政再建について、
「歳出削減はすでに一定程度進展している」ため、
「今後は歳入を増やす『増税』が軸にならざるを得ない」との指摘。
「提言に拘束力はない」というが、
この提言は世界中に向けて示される。
そのことで「消費税引き上げ」は確実に俎上に上がる。
税制論議にもこの見解は大きな影響を与える。
流通業界の動きは、
コンビニとドラッグストアの連携。
「流通ニュース」が連続して報じている。
まずマツモトキヨシホールディングスとローソン。
今週の土曜日の17日。
ドラッグストア「マツモトキヨシ浦安東野店」の店内に、
生鮮コンビニ「ローソンストア100浦安東野店」を組み込んだタイプの店舗。
両者は2009年8月から、三菱商事の仲介の中で、
業務提携を締結し、連携を深めているが、
これは「新業態店舗開発」に先駆けた「実験店舗」。
一方は、イオングループの動き。
コンビニのミニストップと、
ドラッグストアCFSコーポレーション、タキヤの3社。
こちらは合弁会社「れこっず」を設立する。
3社は5月21日付で業務提携契約を結んでいる。
れこっずの出資金は4億9000万円。
「出資比率はミニストップ51%、CFSコーポレーション30%、タキヤ19%」。
「ドラッグストア2社の専門的知識とノウハウを、
ミニストップのFCノウハウなどと融合させ、
新業態店舗を創出し、協業で3社の成長戦略を実現する」。
コンビニとドラッグストアの融合。
「コンバイン」(結合)と呼ぶが、
新しい業態やフォーマットを開発するときの常とう手段。
それが本格化してきた。
もちろん昨年6月の薬事法改正がその引き金と なったが、
この動きは止まらない。
別に誘導するつもりはないが、
これはコンビニとドラッグストアに影響を与えるだけでなく、
スーパーマーケットにも大きなインパクトを与えるに違いない。
アメリカではスーパーマーケットとドラッグストアが結合した。
コンビネーションストアと呼ばれた。
いわゆるフード&ドラッグ。
日本でもCFSが「ザ・コンボ」というフォーマットの実験を、
もう10数年前から展開。
イオンも、マックスバリュの第一号店は、
フード&ドラッグだった。
しかしそれらは失敗の判断。
日本ではフード&ドラッグは成立しないのか。
そんな見解が生まれつつあった。
私はそうは考えない。
旧薬事法が 邪魔をしていた。
しかし改正薬事法がトリガーとなって、
今始まっているのはコンビニ&ドラッグ。
これが成功するのか、
はたまたフード&ドラッグとなるのか。
この問題の解明は、
日米小売業の違いを解き明かすことにつながる。
極めて注目度の高いテーマだ。
アメリカでは歴史的に、
スーパーマーケットとドラッグストアが発達した。
それが合体してコンビネーションストアとなった。
アメリカのドラッグストアは日本のコンビニの機能を持つ。
対して日本ではコンビニが異様に発達した。
スーパーマーケットも発達している。
両者の間に激しい業態間競争が繰り広げられている。
そこにドラッグストアが追い打ちをかけるように発達した。
従って選択肢は二つある。
フード&ドラッグとコンビニ&ドラッグ。
後者が今、加速化しようとしている。
面白いことになってきた。
<結城義晴>