結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年07月24日(土曜日)

最終講義終了後、コーネル大学キャンパスツアーとレイククルーズのご褒美

米国レディスゴルフツアー、
現在はエビアン・マスターズが開催されている。
しかし、ところはフランス南東部エビアン。
その予選ラウンドが終わり、
宮里美香選手が通算9アンダーで単独首位に立った

海外にいると、世界舞台での日本人選手の活躍が、
ことのほか身近に感じられて嬉しい。

日本の大相撲では、
野球賭博騒ぎの中、
モンゴル人の横綱・白鵬が、
あの大鵬と並ぶ45連勝を記録。

史上第3位。

白鵬のひたむきさ、誠実さがいい。
日本人の特性を日本人以上に備えているのが不思議。

そしてプロ野球オールスターゲームが開催された。
読売ジャイアンツの阿部慎太郎捕手と、
広島カープの前田健投手が活躍した、らしい。

盛り上がっています。
日本も世界も。

小売商業の世界では、
日本ショッピングセンター協会が6月販売状況を発表。
既存店売上高は前年同月比マイナス1.5%。
22カ月連続ダウンだが、
これは総合スーパーやコンビニの6月営業数値と合致する。

6月の売上げはマイナス1.5%くらい。
詳細は「流通ニュース」をどうぞ。

さて、私のブログは昨日の続き。
現地時間は7月22日木曜日。
午後、3時30分。

全講義が終了して、
コーネル大学キャンパス・ツアーへ。

案内役は、もったいなくも、
コーネル大学食品産業学部学部長で、
コーネル大学RMPジャパン学長のエドワード・マクラフリン教授。

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我が宿舎スタットラーホテルの前には、
経済学部の校舎。

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全員で小学校の遠足みたいに歩く。

「森と♪ 泉に♪ 囲まれて♪」
広大なコーネル大学キャンパス。
その広さ3平方キロメートル。

このイサカの街の人口は3万人、
コーネルの学生数2万人。

まず向かったのが、
アメリカンフットボール競技場。

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なんと3万人収容。イサカ中の人を入れることができる。

その前で、揃いの写真。

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ここではVIPルームに通していただいて、
見学。

グランドが見下ろせるようになっている。
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さらに歩いて、アイスホッケー・スタジアム。
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真夏の7月というのに、
紅白戦が展開されていた。

みんな、氷のリンクに視線を落とす。
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さらに農学部専用の図書館。

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地上3階、地下7階の巨大な図書館。
コーネル大学はアメリカのIBリーグに属するが、
その伝統の8校の中で農学部を持っているのは、
ここだけ。

だから農学部図書館も全米ナンバー1。

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マクラフリン先生を先頭に、
どんどん中に入っていく。

夏休み中とて、学生数は少ない。
しかししっかり勉強や研究をする者はいる。

分厚い書籍を机の上に出しているわけではない。
全員がインターネットで論文検索したり、
その論文を読んだりししている。

学び方は、変わっている。

この光景は立教大学でも同じ。

小学生の遠足のようなキャンパス・ツアーは続く。

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だがわれわれも、夏のキャンパスをあるく者も小学生ではない。
その証拠に、キャンパス内に、パブが登場した。
「ビッグ・レッド・バーン」という看板がかかっている。

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そして最後にぐるりと回って、
広大なコーネル大学キャパスの中心部に到着。

一番古い区画。
ここもそれだけで、
日本の大学キャンパスがひとつ入ってしまいそうな広さ。
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真ん中に一本のアスファルト道路が通っている。
道路の右端に、白い足跡。
左端には、赤い大きな足跡。

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その先に創始者エズレ・コーネルの銅像。

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反対側の端には、
コーネルの親友で初代学長のアンドリュー・ホワイトの銅像。

二人は今も、この道を行き来して、
ディスカッションを続けているという。

コーネル大学は1865年に創設されている。
南北戦争終結の後。
エズラ・コーネルは上院議員で、
自分の広大な農地と莫大な私財を寄付して、この地に大学を設立。

「誰でも何でも学ぶことのできる学校」が創立理念。
従って、伝統的なリベラル・アーツ教育はもとより、
技術者養成のための教育プログラムや、
ビジネススクールが多種多様に用意されている。
先ほどの農業学、ホテル経営学、食品産業プログラム、
さらに獣医学部やケミカル、工学・コンピューター科学。

40名のノーベル賞受賞者を輩出し、
幅広い分野の研究によって、
世界の大学をリード。

それらもすべて、
イズラ・コーネルとアンドリュー・ホワイトによってまかれた種から始まった。

大学院生の校舎が見えてきた。

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大学生はアメリカ人が中心だが、
院生となると外国人の比率が多くなる。

中心部のコーネル大学の象徴タワー。

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そして教会。

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キャンパス・ツアーの最後は、コーネル・ストアー。

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2フロア500坪くらいの店舗には、
学用品から衣料品まで、
コーネル・ブランド商品が揃っている。

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ホテルの裏側には、
ヘラクレスの彫刻。

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驚くほどの作品が、さりげなくキャンパスに配置されている。

マクラフリン先生にご案内いただいたキャンパスツアー。
奇跡の二期生にとって、コーネル大学を理解するうえで、
極めて有効だった。

われわれはこの大学の一員になったのだ。
「コーネリアン」になろうとしているのだ。
学長に心から感謝。

さらにスケジュールは続く。

夕方6時ごろから、
レイククルーズへ。
コロンビア号。

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イサカの街から大きな湖を見下ろすことができる。
カユガ湖。

夏の湖の上をコロンビア号でクルーズしながら、
夕食を楽しむ。
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コーネル大学ファカルティ(講師陣)のみなさん。
右から、ビル・ドレイク教授、
エドワード・マクラフリン教授、
ロッド・ホークス教授、
そしてFMIジャパン事務局長・中間徳子さん。

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赤灯台と白灯台の間を通過すると、
船は湖の中心部へ向かう。

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このカユガ湖を中心にして、イサカ周辺には大小11の湖が点在する。
これらは、氷河の運動によって生まれ、
南北に延びる湖が「指」のように見えることから、
「フィンガーレイクス」と呼ばれている。

カユガ湖に夕日が落ち始めた。

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遠くイサカの街とコーネル大学が見える。

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ビールやワインを楽しみ、
サラダ、スープを堪能し、
メインディッシュで腹を満たし、
会話し、交流し、1時間半。

最後に、先生方にお礼のプレゼント。

まず、マクラフリン学長から。

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風鈴、和風装飾の施されたフラッシュメモリーなどなど。
先生、本当に喜んでくださった。

コーネル・ジャパン主任講師のドレイク先生。

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そして今回の最終講座で講義を務めてくださったホークス先生。
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ファカルティを代表してマクラフリン学長の挨拶。dscn5810-3.jpg

そして副学長、結城義晴の締め。

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10カ月にわたる80カリキュラムの講義、
さらにイサカでの最終講義。

素晴らしかった。

すべての教授陣と第二期生、事務方、
そしてコーネル大学RMPジャパンを推進してくださった日本セルフ・サービス協会に、
心から感謝。

ニューヨーク州の北、
イサカの街とカユガ湖に宵闇が訪れていた。

<結城義晴>

2010年07月23日(金曜日)

「異例の不確実さ」とコーネル・ジャパン第二期全講義終了

「異例の不確実さ」
“unusually uncertain”

景気の見通しに関して、
アメリカ合衆国上院の公聴会で証言したのは、
中央銀行総裁役のベン・バーナンキ連邦準備制度理事会議長。

マクロ経済学の学者でもあることから、
この発言は各所に影響を与えた。
米国、日本、ともに金利低下の大きなトレンドが続く。
私たちのいるアメリカの景気は回復基調にあるが、
それとてもなだらか、ゆるやかで、
消費は思ったように伸びず、失業率も高い。

一方、日本チェーンストア協会発表の6月販売統計。
既存店は前年同月比マイナス1.4%。
総売上高はマイナス3.5%で、1兆0073億円。
会員企業62社で7859店のデータ。

コンビニがマイナス1.5%、
百貨店はマイナス6.0%だったから、
コンビニに近い結果となった。

食料品はマイナス1.4%、
衣料品は逆にプラス1.5%、
住関品はニトリの売り上げが含まれているにもかかわらず、
マイナス1.6%。
サービスも、マイナス7.4%。

こちらもまだまだ“unusually uncertain”

さて、ニューヨーク州のイサカ。

コーネル大学スタットラーホテル9階で目覚めた。
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「森と♪ 泉に♪ 囲まれた♪」
広大なコーネル大学キャンパス。
快晴。

今日から講義。

その前に7時から、まず、朝の腹ごしらえ。
荒井伸也首席講師と夏原陽平さん。

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8時、1階のエール・ルーム集合。

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午前中は、ロッド・ホークス博士のレクチャー。
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テーマは、「世界食品産業の課題と傾向」
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ホークス先生は52歳。
気鋭の学者。

データと現場を見据えた素晴らしい講義だった。

二人の同時通訳がついて、
休憩をはさみながら3時間。

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世界的なトレンドは、
先進国、発展途上国ともに、
①人口の都市化
②店舗の飽和化
③企業や資本の集中化

そこで新しいチャネルと新しいフォーマットが登場する。

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アメリカではウェグマンズ、アルディ、
そしてウォルマートの動静を中心に、
鋭くて正確な分析。

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さらに中国、インド、アジア、中南米、東西ヨーロッパ。
整理は多岐にわたり、なおかつ時代の流れを見据えた。

これをこそ「鳥の目」「魚の目」という。

詳細の紹介は、いずれまた機会を見て。
ホークス先生、10月のコーネル・ジャパン第3期公開開講講座のために、
来日の予定。

その時に、実際に講義を聴いてほしいところだ。
正午になって、昼食。
スタットラー・ホテル2階のレストラン。
セルフサービス方式なれども、
誠に美味。

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ロースト・ビーフはシェフがカットしてくれる。

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サラダ、スープなど、
日本人の私たちにも本当においしい。

食べているときは、静か。

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これがフランスのシアルなどになると、
まずシャンパン、白ワイン、赤ワイン。
それに2時間のおしゃべりがくっつく。

しかし30分ほどで食べ終わって、
自由に時間を費やす。

2階のレストランから見下ろしていたら、
ヤンキー座りの男。
タバコをくゆらせている。
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そこに次々と集まる。
「許されざる者たち」(クリント・イーストウッド監督作品)

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やがて午後1時、最終講義。

「ストラテジック・プランニング」
戦略計画。

講師は、わがコーネル・ジャパン名誉学長にして、
コーネル大学名誉教授のジーン・ジャーマン先生。

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インカムをつけて、実にわかりやすい英語で語り、
質問を引き出していく。

第二期生が積極的に立ち上がって、
質問に答え、自分の意見を開陳していく。

西水啓介さん。

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山崎佳介さん。

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稲田雄司さん。

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夏原陽平さん。

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そして柄谷康夫さん。

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谷康一さん。

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髙井累さん。

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島拓也さん。

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ジャーマン先生はあらかじめ41項目の事前アンケートを用意し、
第二期生のその回答と、
直前に終了したコーネル食品産業プログラムサマースクール受講生の回答とを、
比較しながら、「流通業の未来を予測」していく。

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実は、この質問項目に、
爆弾が仕掛けられている。

ところが第二期生は、
そのトラップにかからなかった。

各人が、自分の現場経験をもとに、
ビビッドな問題としてテーマをとらえ、
率直に答えたからだった。

第一期生は、この罠にはまった。

第二期生は、
「奇跡」を起こした。

私はそう総括した。

慎重さと大胆さ。
それを兼ね備えつつ、
自分の頭で考え、判断する。

それがコーネルの求めるもの。
私もそんなリーダーを育てたい。

まさに「ミラクル二期生」だった。

ジャーマン先生には心から感謝して、
荒井先生からお礼の品を贈呈。

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日米最年長のお二人の固い握手。

これにて座学はすべて終了。
あとはストアコンパリゾンを残すのみとなった。

皆さま、ありがとうございました。

コーネル・ジャパン第二期、
目出度く終了です。
そして全員で記念撮影。
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エドワード・マクラフリン学長、
ビル・ドレイク主任講師にも加わっていただいて、
嬉しい写真。

皆さん、おめでとう。

私たちの力で、
“unusually uncertain”を、
追い払いたいものだ。

[つづきます]

<結城義晴>

2010年07月22日(木曜日)

渥美俊一先生のご逝去に合掌

渥美俊一先生が亡くなられた。
7月21日午前2時、多臓器不全。
8月に84歳になられるばかりとなっていた。

6月28日に動脈瘤の大手術を受け、
その際に肺炎を併発。
そのまま集中治療室へ。

そして帰らぬ人となられた。

心からご冥福を祈りたい。

いつも、渥美俊一が見ている。

この思いを心棒にして、
生きていきたい。
仕事をしていきたい。

渥美俊一の遺志を受け継ぎ、
発展、進化させたい。
私の切なる願い。

昨日、今日、ご自宅で、
近しい人々とのお別れ。

私は、昨日、成田発15時のデルタ航空で、
デトロイト経由、シラキューズへ。
そしてコーネル大学の街イサカへ。
コーネル大学RMPジャパン第二期卒業旅行。

そのため、最後のお別れもできず。

23日に通夜、24日に告別式、密葬。
これにも参列できず。

残念でならない。
無念というしかない。

しかし、これもめぐり合わせ。

アメリカが大好きだった渥美先生とのお別れ、
アメリカ出張のためにできない。

大正15年、三重県松阪生まれ。
私の父も大正15年、満州は大連・旅順の生まれ。
もうひとりの実の父のごとく慕っていた。

1977年4月、㈱商業界に入社し、
すぐに『販売革新』編集部員として、
渥美先生へのインタビュー。
鬼のように恐かった。

それ以来、編集長の職を離れる2002年8月まで、
毎月、欠かすことなくインタビューをしてきた。

入社の年の秋には、箱根彫刻の森ホテルで、
中堅育成セミナーに参加した。
幸いにも、1番の成績をいただいた。

入社翌年秋には、
ペガサスクラブのアメリカ視察セミナーにご招待いただき、
直接、薫陶を受けた。

1988年、商業界40周年記念事業として、
渥美俊一著『商業経営の精神と技術』発刊。
私は、先生との10数時間におよぶインタビューをもとに、
初めてゴーストライターとして1冊の単行本を書いた。

この『商業経営の精神と技術』は、
㈱商業界の60数年に及ぶ歴史の中で、
『岡田徹詩集』『ホスピタリティ』と並ぶベストセラー&ロングセラーとなった。

1989年に『食品商業』編集長を命ぜられたときにも、
1996年に㈱商業界取締役編集担当を担うときにも、
2002年専務取締役、2003年代表取締役社長に就任した時にも、
必ず、いつも、相談した。

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まるで実の父のように。
そして暖かい助言をいただいた。

もちろん㈱商業界社長を退任するときにも、
あれこれとご指導いただいた。

「フィールド・ワークをおろそかにするな!」
すなわち「現場を大事にせよ」

これが渥美先生の第一の助言。
ストア・コンパリゾンも、渥美先生の主義・主張。

「神は現場にあり」
私の主義・主張でもある。

成田からイサカまでの道中、
何かぽっかりと心に穴があいたような感じだった。

今、また、私はアメリカで店を見ようとしている。
渥美先生からご教授いただいた見方で、学び方で。

亡き父よ
店見るたびに
見るたびに

合掌。

さて、 昨日は成田空港に集合。
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「奇跡の第二期生」集合。

社団法人日本セルフ・サービス協会三浦正樹専務理事のご挨拶で、
結団式。

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みんな期待に胸を膨らませつつ、出発。
コーネル大学RMPジャパン事務局の太田美和子さんが、
優しく手を振って、お見送り。

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23ゲートから15時05分発。

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やや古いタイプのジャンボ・ジェット。

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私、自分がのる国際便は、
必ず写真をとるようにしている。

夏休みに入る時期、
ゲートは混雑、満席。

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約12時間でアメリカ・デトロイト。

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A40ゲートのあたりの名物の噴水。

そして乗り換えのための1時間の休憩。
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荒井伸也先生と私はスターバックス。
みんな嬉しそう。
さらにローカル線で1時間半、
シラキューズに到着。

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地方都市の地方空港。
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なぜか空からは、映画『十戒』のごとく、
地上に光が射していた。

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すぐに大型リムジンバスに乗り込む。
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30人くらいの車中は、ひとり一席。
みんな疲れも見せず、楽しそう。
卒業旅行だからです。

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シラキューズのダウンタウンを超えて。
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空はますます『十戒』風。

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途中、ローカルスーパーマーケットのトップスに寄って、
夕食と酒、水など買いこんで、
コーネル大学キャンパスへ。
そのスタットラー・ホテル。
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コーネル大学が経営し、ホテルスクールの実習場となっている。

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このホテルに3泊。

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成田集合21日正午から22時間後、
やっと目的の地に到着。

すぐに部屋に落ち着いて、
荷解き。

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ベッドにはコーネル大学の紋章。

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始まります。

コーネル大学RMPジャパン第二期最終講義。

それにつけても、
渥美俊一先生のご冥福、
心よりお祈りしたい。

ふたたび、
深く、
静かに、
合掌。

<結城義晴>

2010年07月21日(水曜日)

訃報 渥美俊一先生ご逝去/イオンが「お布施」に正札販売導入

【訃報】

渥美俊一先生が逝去されました。
享年83歳。

日本商業の近代化と流通業・サービス業の
チェーンストアづくりに一生を捧げられ、
イオンやセブン&アイ・ホールディングスに代表される
企業群を育てあげられました。

心から哀悼の意を表し、
謹んでご冥福をお祈りいたします。

*********************************************

毎月第4週には、小売業各協会から、
前の月の営業報告が発表される。

これは小売業界だけの問題ではなく、
消費傾向を読み解くカギとなっていて、
重要な数値。

先週末から今週初めにかけて、
6月の統計が発表された。

これで1月から6月までの上半期のデータが揃ったことになる。
まず日本百貨店協会発表。
調査対象は92社・265店舗。
総売上高は前年同月比マイナス6.0%。
28カ月連続の減少。

大部門では、
食品がマイナス8.4%、
衣料品はマイナス5.8%。

プラスとなったのは商品券10.1%、
家電もわずかながらプラス0.1%。

大幅減少カテゴリーは、
その他食料品マイナス13.1%、
家具マイナス11.3%、
その他衣料品マイナス10.9%。

百貨店は全体の数字で把握する業態ではなくなりつつある。
どんな立地のどんな規模のどの企業の、
どの部門のどのカテゴリーのどの品目が、
どのように売られたから、
誰に、売れたのか。
そんなディテールが重要になってきた。

リテール・イズ・ディテール。
Retail is detail.
百貨店はまさに、そうなってきた。

衰退業態の特性である。
ただし何度も言うが、百貨店が滅びることはない。
繁盛する店の立地や規模がひどく限定されてくる。
それだけのこと。

一方、日本フランチャイズチェーン協会発表、
コンビニエンスストア10社の6月販売統計。

コンビニからトレンドを予測するには、
既存店の動向がポイントとなる。

全店ベース売上高は、前年同月比プラスの0.9%だったが、
既存店は相変わらずマイナス1.5%。
13カ月連続と1年以上も減少し続ける。

客数はプラスの0.04%で、
これは1年ぶり、12カ月ぶりに増加。
平均客単価はマイナス1.6%、
コンビニの客単価549.8円。
19カ月連続減少。

コンビニも完全に、踊り場を迎え、
成熟期に突入している。

だからこそコンビニ統計には、
現在の日本の消費が色濃く反映される。

その基準となる傾向は、
売上高はマイナスの1.5%、
客数はプラスの0.04%、
客単価マイナス1.6%。

すべての小売業が、
すべての業態が、
これをひとつの基準と考えて、
自らの状態をはかればいい。

さて『週刊ポスト』に面白い記事。
「仏教界騒然!お布施定額制は善か悪か」
表紙には「イオン参入でタブーの扉が開いた」
キャッチコピーがある。

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私は週刊誌は買ったことがないが、
思わずコンビニに飛び込んで買ってしまった。

昨2009年9月にイオンは、
葬儀ビジネスに参入した。

イオンカードの会員向けの「僧侶紹介サービス」。
菩提寺を持たない顧客のためのサービスだが、
ここで「お布施」の目安額を明示した。

通夜や葬儀などの読経と戒名のセット金額。
段階制で「信士・信女」の普通戒名は25万円、
「居士・大姉」は40万円、
「院号居士・大姉」は55万円。

「主要8宗派の寺院と提携し、約600の寺を紹介」しつつ、
価格体系を明示した。

葬儀ビジネス版「正札販売」
葬祭ビジネス版エブリデー・ロープライス。

利用者からは、「分かりやすい」と大好評。
ただし、当然ながら仏教界からは、大ブーイング。

「布施とは本来、相手への感謝を示すもの」
「施しをするという意味で、労働の対価ではない」
「布施はあくまでも贈与。贈与する側が額面を決める」
「布施が価格になることは宗教そのものの危機」

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イオンリテール・イオンライフ事業部の広原章隆事業部長が、
生真面目に率直にインタビューに答えている。
「葬儀事業を行う中で、お客様から、
『お布施は一体いくらだったらいいの?』
『目安だけでも教えてほしい』という声がものすごく多かった。
そういうお客様の問い合わせに対し、
何かできることはないかと始めました」

「お布施はだれが見ても宗教行為であり、
本来はそのお方のお気持ちで決めていただくもの。
だから、あくまでもパンフレットなどには、
目安ですと但し書きをしているのです」

イオンのこの姿勢、まことに正しい。

お客は宗教行為といえども、
お金がかかることには合理的な基準を求めている。
自分の判断のための社会的な基準。

それを知らせずして、
「闇市商法」のごとき「宗教行為」がはびこっていたら、
「正札販売運動」に駆逐される。

もちろん檀家制度の中で、
そういった目安が明らかになっていれば、
問題はまったくない。

「闇市商法」は「正札販売」に打倒される。
これはわれわれ商業者がよく知る事実。
イオンがここに一石を投じたことは、
痛快。

もちろんイオンは、「宗教行為」の領域を侵害しない姿勢を、
誠実に丁寧に示している。
「価格破壊」などと、
気負ったところもない。

それがまた痛快。

これならば、
仏さまの罰が当たることも、
あるまい。

<結城義晴>

[追伸]
日本的な話題を残しつつ、
私は今日からニューヨーク州へ。
コーネル大学RMPジャパン第二期生の卒業旅行。

明日から、ブログ公開時間が、
遅くなることをお許しいただきたい。

こんなブログを書いたからといって、
仏さまの罰が当らないところへ遁走するわけではない。

あくまでも卒業旅行。
今年1年の総決算となる。

ニューヨーク州、マンハッタン周辺の商業最新報告にも、
ご期待いただきたい。

[追伸2]
商人舎ホームページの「おススメ新着ブログ」。
「人を育むストア」
小林清泰の環境デザイン研究

新原稿が届きました。
today!となっています。

第二回目は「walmartロゴマーク変更の意味」。
真の専門家の原稿は、面白い。

ご愛読のほど。

2010年07月20日(火曜日)

夏のボーナスと全英オープンと桑田真澄の「七つの道」

はじめにお礼とお知らせ。
この商人舎ホームページの好評連載のひとつが、
今日で一応終了します。

「二宮護の物流業界の基礎知識」
「小売・サービス業の知られざる隣人」というヘッドコピーが付けられた。

小売業・サービス業の商品や原材料の供給を担当する。
大きな視点でいえば、サプライチェーンのインフラを構成する。
まさに流通業の一翼を担って、
小売業をサポートしてくれる。

この連載で基礎的な勉強をしたら、
次は『物流業界大研究』(二宮護著・産学社刊)にステップアップしてください。
小売業・サービス業、流通業の皆さんの必読書です。

読者の皆様、ご愛読を感謝いたします。
二宮さん、連載ありがとうございました。

今日も全国的に暑い。
東京、千葉、埼玉、群馬、愛知などが、
1日の最高気温が35度を超える猛暑日。

こういった日が続く時、
くれぐれも熱中症に気をつけたい。
お客様にも呼び掛けたい。

店頭に、毎日、
「今日は猛暑日」「今日は真夏日」「今日は熱帯夜」など、
掲げるのもよい。

店は社会的な存在だ。
その公器に、毎日メッセージを掲げる。
それも地域と暮らしへのメッセージ。

お寺の門前などに、
メッセージが掲げられているけれど、
あれです。

さて日経新聞一面に、
今夏のボーナス最終集計結果が出ている。
対象企業は655社。
平均支給額は、
昨年の夏のボーナスに比べて0.75%プラス。
70万1687円。
プラス分は675円。

昨年夏は前年比17.43%のマイナスだったから、
決して高い水準ではない。
その前の年も前年比マイナスで、
今回は3年ぶりにプラスに転じた。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

3年ぶりのわずかのプラスでも、
明日への希望という観点からすると、
少しだけ良い兆候。

製造業は輸出好調企業がアップさせて全体に良好、
非製造業は相変わらずで、3年連続ダウン。

百貨店・スーパー15社平均は43万5296円で、
前年比マイナス9.48%。
この額の平均年齢37.1歳。

一方、その他の小売業23社平均は、47万4296円で、
マイナス2.82%。
こちらの平均年齢は、31.9歳。

外食・その他サービスは、24社平均、46万0827円
35.5歳平均で前年比マイナス3.32%。

こうして見ると百貨店・スーパーの平均値が、
一番低い。

しかし残念ながら、いずれも50万円を切っている。
製造業で一番高い業種は、医薬品製造業の94万2068円。
2番目が自動車・部品製造業の77万8772円。

非製造業では、電力の85万0591円、
通信の78万0238円、
ガスの77万5984円と続く。

社会のインフラ企業が上位を占める。
しかも企業数が少なくて、寡占化された業種。

企業別にみると、
第1位の任天堂は168万0108円
ここには労働組合がない。

100万円を超える企業が11社。
9位にキリンビール、
11位にアサヒビールが入っている。

さて、このボーナスの金額、
どう受け取るか。

ボーナス平均金額が少し高くなったから、
「明日への希望」でお客さまも喜んでいるはずだし、
それが商売繁盛への希望だととるか、
われわれの業種はまだまだ低いと嘆くか。

商売を仕事にするということは、
面白い心理現象を招く。

お客様のために、
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望を、
用意し、提供する。

そう考えたら、
他人のボーナスアップを喜べることになる。

不思議な仕事です。

さてニュースの中からスポーツネタを二つ。
ひとつはゴルフ全英オープン

優勝者はルイ・ウェストヘーゼン。
南アフリカ共和国のプレーヤー。
さきのFIFAワールドカップでは、
主催国として初めて予選リーグ突破ならずだった国。

しかしそのサッカー熱が過ぎ去ろうとしているとき、
ウェストへーゼンによって喜びがもたらされた。

彼の心には、きっと宿っていた。
サッカーの無念さが。

この国からはゲーリー・プレーヤー、
アーニー・エルスという名ゴルファーがでた。

彼らを継ぐ新星の登場。
セントアンドリューズという聖地での勝利。
不思議なものを感じる。

南アフリカから次に、
黒人の優勝者が誕生したら、
これは、本当の時代が来たといえる。
何年かかるかわからないが、
プレーヤー、エルス、ウェストへーゼンの次は、
そう願いたい。

アパルトヘイトの時代に、
「名誉白人」と位置付けられて、
別の差別をされていたことにも気付かず、
まんざらでもなかった日本人の一人として、
私はそれを希求するものだ。

もうひとつのスポーツネタ。
朝日新聞の「オピニオン」一面を使って、
桑田真澄が見解を書いている。

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科卒業、
現在、野球評論家。

大学院の卒業論文に書いたことを中心に、
「球児たちへ」と題した意見の開陳。

朝日新聞だから、これは明らかに、
夏の甲子園高校野球に対する前宣伝。
しかし桑田の言うことは良い。
7つの提言をしている。
「野球を好きになる七つの道」

第一、練習時間を減らそう。
桑田のPL学園は彼の提案で、1日3時間の全体練習で、
春夏連覇を成し遂げた。

第二、ダッシュは全力10本。
監督やコーチから命じられた100本ダッシュ。
桑田は、中抜きでやっていたらしい。
「ぼくはカウントする数字を抜きました。
3の次は5、5の次は7、10・・・」

第三は、どんどんミスしよう。
野球はミスするスポーツ。
ミスを怒るな。

第四は、勝利ばかり追わない。
商売にたとえると、売上げばかり追わない。

第五は、勉強や遊びを大切に。
「成長期の人には心身のバランスが必要」と説く。

第六、米国を手本にしない。
これなど教訓的。
米国を学ぶのは良いが、
手本にしてコピーばかりしない。

そして第七、その大声、無駄では?
練習や試合のときに、大声を強要する習慣がある。
特に野球では。
それを無駄と切って捨てる。
桑田真澄、痛快。

「球児たちへ」というタイトルが付いているが、
これは「指導者たちへ」向けたメッセージだ。
さらにこれは経営者たちへ、経営幹部、経営リーダーたちへと、
受け止めることができる。

私は、プロ野球に関しては、
アンチ巨人を貫いている。

しかしアンチ巨人派の私ですら、
桑田真澄の七つの提言、
賛同したい。

ひとつの道を究めようとする者は、
浅はかなところが全くない。

それがとてもいい。

暑い夏の今、
すがすがしい気分になった。

皆さんも、このすがすがしさを、
忘れずに。

<結城義晴>

2010年07月19日(月曜日)

真夏日・猛暑日、熱中症、そして海の日の「小さな喜び・ささやかな幸せ・明日への希望」

Everybody! Good Monday! [vol29]

北海道と沖縄を除いて、
全国的に真夏日。

真夏日(まなつび)とは、
1日の最高気温が30℃以上の日。

これに対して、夏日(なつび)は、
1日の最高気温が25℃以上の日のことをいう。

さらに猛暑日(もうしょび)は、
1日の最高気温が35℃以上の日。

さらにさらに熱帯夜(ねったいや)とは、
夜間の最低気温が25℃以上のこと。

夜間の最低気温が30℃以上のことは、
超熱帯夜(ちょうねったいや)と呼ばれたりする。

厳密には、今日の日本列島には、
真夏日の地域と猛暑日、熱帯夜の地域がある。

これからの1カ月余り、
こんな言葉が毎日のように使われる。

この間、
「熱中症には十分気をつけてください」

テレビなど連呼する。

かつては、「日射病」といわれた。
その後「熱射病」とも呼ばれた。

現在は「熱中症」という。
別名「高温障害」。
英語ではHyperthermia。
「外気においての高温多湿等が原因となって起こる症状の総称」。
高温と多湿が原因。
この熱中症には4つの分類がある。
この分類が日射病と熱中症の違いを明らかにする。

熱中症の中の第1は熱失神で、
これは、突然の意識の消失をもたらす。
直射日光の下で長時間行動すると発症する。
あるいはまた高温多湿の室内で長時間行動すると起きる。
突然の失神。

第2の熱痙攣
は、突然の不随意性有痛性痙攣と硬直。
これも長時間の直射日光や高温多湿環境のもと、
大量の発汗後に水分だけを補給して、
塩分やミネラルが不足した場合に発生する。
体温は正常だが、発汗は多い。

第3の熱疲労は、症状は様々だが、直腸温は39℃程度まで上昇。
多量の発汗に水分・塩分補給が追いつかず、
脱水症状になったときに発生。

そして第4が熱射病、イコール日射病で、
これは高度の意識障害が生じる。
体温は40℃以上まで上昇、発汗はないが、皮膚は乾燥。
体温調節機能が失われる。

これらの4つの総称が熱中症。
日射病は熱中症のひとつの症状ということになる。
応急措置は共通している。
経口補水塩が一番いい。
つまり味噌汁などで、これは極めて有効。

スポーツドリンクもいい。
冷たいものを大量に飲ませると胃痙攣がおきることがある。

水分と塩分を両方補給すること。

それ以外には、
霧吹きなどで水をかけて気化熱によって冷やす。
もちろん涼しい場所で休ませる。
ひどい場合には、すぐに病院に連れて行く。

しかし予防が何よりも大切。
運動前に出来るだけ多くの水分を取る。
運動中も水分と塩分の補給をこまめに行う。
スポーツドリンクなど塩分と糖分を飲みやすく配合した飲み物も良い。
塩分の補給には味噌汁やスープなど塩気の感じられる飲料が最適。

さて今日は、祝日の「海の日」。

海の日は、毎年、9番目の国民の祝日。

日本では祝日は年間に15回あるが、
そのうちハッピーマンデー制度によって、
月曜日に三連休で設定されている祝日が4回。
成人の日(1月第2月曜)
敬老の日(9月第3月曜)
体育の日(10月第2月曜)
そして7月第3月曜の海の日。

例によって、「祝日法」の趣旨は、
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」となっている。

今朝の朝日新聞一面コラム「天声人語」。
「日本は総延長で世界有数の海岸線を持つ。
米国を凌ぎ、ロシアに迫る長さである」

天声人語は「今年は〈海に詫びる日〉にしたい」という。
「油田開発や海上輸送により、
日本近海でも水と油の不幸な出会いが起こる」から。

真夏日・猛暑日、熱中症、海の日。
しかし注意や反省、
お詫びばかりでは、
本当につまらない。

めいっぱい楽しんで、
心豊かに生きることこそ、
大切にしたい。

そのうえでの注意・反省、お詫びだと思う。
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

これが国民の望むもの。
お客様の願うこと。

一番大切なもの。
それを提供するのが私たちの役目だ。

今日も一日、優しく強く。
今日も一日、元気と勇気。
今日も一日、慌てず急げ。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

[追伸]
今週の私の予定は、
水曜日からのアメリカ出張に尽きる。
コーネル大学RMPジャパンの卒業旅行。

報告を楽しみにしてください。

2010年07月18日(日曜日)

ジジのクールビズ[2010日曜版vol29]

つゆが、
あけました。

空はあくまで、
あおい。
dscn5571-3.jpg

光は、かぎりなく、
まぶしい。

dscn5570-3.jpg

真夏です。

ボクは、つゆあけのまえに、
クールビズにしました。

ちょっと、はずかしい。
dscn5517-3.jpg

全身の毛をカットしてもらって、
なんだか、はずかしい。

でも、まいとしのことですが、
ほんとうにスッキリします。

クールビズのまえは、
こんなかんじでした。
dscn4057-3.jpg

顔は、サンタクロースみたいにひげが、
はえていました。
dscn4054-3.jpg

クールビズは、こんなかんじ。
dscn5565-3.jpg

頭と耳のところも、
ふさふさしていました。
dscn4055-3.jpg

クールビズ・スタイル。
dscn5519-3.jpg

首と足も、ふさふさでした。
dscn5054-3.jpg

クールビズで、スッキリ。
dscn5553-3.jpg

まーるくなってねると、
クッションみたいでした。
dscn0814-w.jpg

いまは、こういったぐあい。
dscn5568-2.jpg

うえからみると、
毛のかたまりだった。
dscn5471-3.jpg

いまは、しまったキンニク質。
dscn5564-3.jpg

どうです?
ジジのクールビズ。
dscn5547-3.jpg

でも、シッポだけは、
オシャレにこだわった。
dscn5559-3.jpg

さきのほうを、
魔女のホウキみたいにしてもらった。
dscn5561-3.jpg

これは気にいっています。

ボクのクールビズとともに、
つゆがあけた。

ボクのクールビズとともに、
真夏がやってきた。

dscn5548-3.jpg

ボクはまいとし、
この時期に、
クールビズにします。

ユウキヨシハルのおとうさんは、それを、
「蛻変(ぜいへん)」といったり、
イノベーションとよんだりしました。

でも、ぼくにとっては、
クールビズ。

おとうさんがネクタイをしなくなったり、
うわぎを着なくなったり、
はんそでシャツをきたりするのとおなじです。
dscn5551-3.jpg

からだのクールビズをすると、
きもちのクールビズまでできます。

ほんとうにふしぎなのですが、
夏になると、ボクはいつも、
このことをかんがえます。

からだとこころのことをおもうのです。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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