真夏の空は、あくまで青い。
気象庁発表の今年7月の天候の特徴、ふたつ。
①気温が平年より2度以上高かった。
北日本で7月上旬に平年比プラス2.9度を記し、
東日本で同月下旬に同2.1度を記録した。
東京都心では猛暑日が4日間、なんと真夏日が22日間。
②降水量は例年の2倍になった地域が多かった。
北海道で平年の198%、沖縄では219%。
一言でいえば、例年より「高温多湿」。
天候をはじめとする環境が大きく変わると、
商売の結果に格差が出る。
変化に対応しきった者は、
驚くほど高い実績を残す。
逆に、対応しきれなかった者は、
惨憺たる結果を招く。
天候などは、毎日のことだから、
少しずつ少しずつの対処が、
1カ月、四半期、1年で大きな格差となる。
商売とは、そういったものなんですな。
詰まるところ。
アメリカの書店チェーン「バーンズ&ノーブル」Barnes & Nobleが、
売却されるかもしれない。
日経新聞の記事。
2007年度の年商52億6125万ドル(1ドル100円換算で5261億円)、
これでも前年伸び率3.1%だった。
純利益は1億5077万ドル、店舗数793店。
それが2008年には、全米チェーンストア順位65位で、
年商54億1100万ドルに伸びたものの、純利益は1億3580万ドルと9.8%減、
店数はわずか5店舗増の798店。
さらに2009年には年商51億2100万ドルでマイナス5.3%、
純利益7500万ドルでマイナス44.1%、
店舗数は20店減の778店。
この3年間、店数は微減、
売上高は伸ばして、減った。
利益は微減から激減へ。
これでは、売却などの立て直しが必要となる。
一方、アマゾン・ドット・コムは、
2009年度米国チェーンストアランキング19位に躍進。
年商191億6600万ドル(同1兆9166億円)、前年比プラス29.2%。
純利益6億4500万ドル、前年比35.5%増で、
店舗数0。
2008年度年商は、148億3500万ドル、伸び率38.5%、
純利益4億7600万ドルで150.5%増。
店舗数は0。
800店近くのリアル店舗での販売が、
0店のインターネット販売に追い越され、
売上高にして3.64倍となった。
さらに、そのアマゾン・ドット・コムの直近4半期の成績では、
初めて書籍販売冊数をデジタル書籍販売冊数が上回った。
その比率1対1.8。
私の表現だが、
「カミがアミにとって代わられる」
カミとは紙、
アミとは網、すなわちネット。
もちろん紙が絶滅するわけでは、
決してない。
誤解無きよう。
しかし大事なことは、
少しずつの変化が、
だんだん急速、急激になって、
大きな潮流と変わった点。
小さな、少しずつの変化を、
絶対に見過ごしてはならない。
これをウォルマート創業者のサム・ウォルトンは言った。
“Retail is Detail”と。
「小売りの神は細部に宿る」
しかし私が言い換えよう。
「仕事の神は細部に宿る」
さて、昨日、清里から帰ってきました。
宿舎とゼミ室は、長野県清里のキープ自然学校。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の結城ゼミ第二期夏合宿。
立教大学のフィールドスタディ岡田ゼミと映像身体学科長田ゼミが同宿。
若くて元気な学部生たちに交じって、 社会人大学院生の結城ゼミ。
それでも、多大な成果が上がった。
帰りには、清泉寮に寄って…。
名物の「ソフトクリーム」。
長い行列ができていた。
そして最後の写真。
第一期生・第二期生合同のゼミ合宿。
皆さん、ご苦労様でした。
楽しかったし、有難かった。
来年もやりましょう。
今度は20人くらいになります。
「網が紙を乗っ取る」時代、
少しずつの変化を見通す目を持ち続けたい。
商人舎の知識商人も、結城ゼミも。
<結城義晴>