[商人舎エコバッグ研究会からのお知らせ]
米国Bed Bath & Beyondのエコバッグ。
new! にアップしました。
日本チェーンストア協会発表の7月販売統計。
20カ月連続マイナス。
既存店前年同月比はマイナス1.2%。
食料品はマイナス0.5%。
これは18カ月連続。
猛暑・酷暑・炎夏の7月に、
なぜ、売上げが減じたのか。
結局、去年も暑かったのか、
食品を集客装置と考えて、
安売り大会に邁進したからか、
それとも総合スーパーのライフサイクル衰退段階が、
猛暑・酷暑・炎夏をも味方につけることができなかったからか。
日経新聞は一面のど真ん中に囲み記事で、
「食品・日用品値下がり加速」を訴えた。
これは日経POSデータによる7月の60品目価格調査。
52品目が前年に比べて価格下落した。
「消費回復が鈍る中で猛暑特需の商品を逆に特売し、
円高還元セールも広がる」
日経の記事はこう報告する。
「猛暑特需」を利益に結びつけることができない。
「猛暑特需商品群の特売」で客数を増やしても、
その他の商品に買いたいものがない。
衣料品はマイナス0.8%。
これは2カ月ぶりの減少。
住居関連はマイナス2.7%。
百貨店は7月が始まるとともに、
バーゲンをスタートさせた。
百貨店の衣料品や住関連品が安売りされると、
総合スーパーの非食品の価値が相対的に下がる。
これは、アメリカで百貨店のメーシーがディスカウントセールに入ると、
GMSと呼ばれる総合非食品業態のシアーズやJCペニーが落ち込む構図そのままだ。
朝日新聞では経済面のトップに、
「総合スーパーの衣料品改革」が取り上げられている。
イオンが、アパレルの新プライベートブランドを発表したから。
ネーミングは「トップバリュコレクション」(TVC)。
ジャスコの巨艦店舗津田沼店から始めて、
全国ジャスコの衣料品売場に新しいショップを展開する。
しかしこれは、
どのマーケットを、どう狙うのか、
どうポジショニングするのかが明確でなければ、
うまくはいかない。
セグメンテーション
⇒ターゲティング
⇒ポジショニング。
マーケティングのセオリー。
とりわけ、日本の成熟マーケットでは、
アパレル・ファッションの場合、
ポジショニングが重要。
ユニクロという店舗・フォーマット自体が、
しまむらやハニーズという店舗・フォーマット自体が、
強烈なポジショニングを形成していて、
従って、ユニクロの売れ筋を真似て商品をつくることができても、
それがそのままイトーヨーカ堂やジャスコの売れ筋とはならない。
食品分野における「売れ筋」とは、
訳が違うのだ。
かつて、ユニクロがフリースで大ブレイクした。
イオンやダイエーがそのマーチャンダイジングを真似た。
少し価格を安くして。
しかしそれはユニクロほどのインパクトを、
マーケットに与えることはなかった。
フォーマット自体のポジショニングが、
ユニクロとは異なっていたからである。
総合スーパーという業態は、
ライフサイクルの衰退期に突入している。
アメリカのシアーズやペニーといったGMSも同様。
そんなときの衣料品改革。
フォーマットの改革がなくて、
商品の改革はあり得ない。
このことをいかに考え、
いかに問題解決するか。
だから「猛暑特需」を、
集客手段にしかできず、
全体の底上げに使えない。
ただし、「トップバリュコレクション」は、
ショップ展開をベースにおいている。
流通ニュースが、
荻原久示トップバリュコレクション社長のコメントを伝えている。
「社内にデザイン室、部流部門、販売部門を設置、
200坪程度のシミュレーション売場も設けた」
200坪のショップのポジショニングを構築する作戦。
これは良し。
「30歳前後から55歳前後までのファミリーカジュアルを担う」
これが具体的にどう構築されているかが一番の問題。
「従来、季節商品は一括納品のイメージが強かったが、
今回は初回で70%の商品を投入、
次回に残り30%の商品を投入できる体制を整えた。
従来の商品開発体制では、
商品供給までに3~4カ月かかっていたものが、
今回は30日~60日前後に短縮でき、
売り減らし型の販売から、
売り足し型の販売へ転換できた」。
これはそのマーチャンダイジングの方法論。
総合スーパーの売上げ統計が発表されたその日に、
「トップバリュコレクション」のお披露目。
イオンが組織改革をベースとして、
根本的な破壊的イノベーションを図ろうとしていることは、
読み取れる。
それがフォーマットのイノベーションを成し遂げたら、
これは本物と言えるかもしれない。
<結城義晴>