小沢一郎、民主党代表選に出馬。
経営者には、「小沢にやらせてみろ」という声が多い。
マスコミに踊らされた庶民は、「小沢なんて」とつぶやく。
今、必要なのは、どんなリーダーなのか。
誰が未来の日本のグランドデザインを描き、
その礎を作ることができるのか。
最適任者は見当たらないとしても、
条件をそろえている人間は誰か。
国民がひとり一人、
自分で考えてみる必要がありそうだ。
一方、米軍戦闘部隊がイラクから撤退した。
日経新聞の社説で取り上げられた。
7年5カ月。
米兵の死者は4400人。
イラク民間人約10万人が犠牲になった。
イラク戦争のときには米軍15万人が派兵された。
しかしその前の湾岸戦争のときに、
クウェートに派遣された米軍は50万人だった。
一方、アフガニスタンには、米軍が増派された。
塩野七生さんが書いている。
「戦争は外科手術に似ている。
ゆえに手術の技能が優れていることが先決するが、
手術後のケアの重要性も勝るとも劣らない」
塩野さんは、紀元前のローマにおける、
ガリア戦記の後のユリウス・カエサルのアフターケアを示している。
太平洋戦争後の東京裁判なども視野に入れている。
イラクをみると、
手術の技能もアフターケアの施策も、
歴史に学ぶべきだというのだろう。
さて、昨25日、
8月のスーパーマーケット販売統計調査が発表された。
記者会見場所は日本橋にある日本スーパーマーケット協会会議室。
この統計は、3団体協力によって、はじめて公けとなった。
日本スーパーマーケット協会(JSA、川野幸夫会長)
社団法人日本セルフ・サービス協会(JSSA、横山清会長)
オール日本スーパーマーケット協会(AJS、荒井伸也会長)
販売統計発表4回目の今回も、
新聞・雑誌の報道記者30名以上が集まった。
3協会協力の調査なので、持ち回りでプレゼンテーションが行われる。
今月は、オール日本スーパーマーケット協会の担当。
司会は、AJS企画教育部統括マネジャーの中村伸一郎さん。
プレゼンテーターは、AJS専務理事の松本光雄さん。
配布された資料にもとづき、
スーパーマーケット264社の7月の販売動向が報告された。
総売上高は7737億6567万円(昨年同月比101.0%)。
前年比プラスの1.0%。
理由は、「猛暑特需」。
食品合計は6584億9586万円(101.6%)、
非食品合計1152億円6982万円(99.0%)。
食品の内訳は
生鮮三部門合計が2367億円7010万円(100.9%)。
そのうち青果は942億8963万円(103.5%)、
水産は698億7400万円(98.9%)、
畜産は726億0647万円(99.6%)。
惣菜が696億3467万円(103.5%)、
一般食品・その他が3520億9110万円(101.8%)。
非食品が若干ダウンしたが、
食品は酷暑・猛暑・炎夏効果で売上げ好調。
「既存店売上げ合計は、
5月よりも6月、6月よりも7月と、
月推移は好調」
エリア別で前年同月比をみると
北海道・東北45社で101.9%、
関東67社で100.2%、
東海・北陸63社で101.3%、
関西36社で100.8%、
中国・四国37社で101.9%、
そして九州・沖縄16社では101.5%。
「関東、関西エリアがほぼ横ばいながら、
全エリアで前年をクリア」。
「客数は微増、客単価は微減。
買い上げ数量は横ばいでも、
低価格販売の影響が残っている。
一品単価の下落は下げ止まりつつあるが、
まだまだ苦しんでいる」
松本専務理事は、前職が松坂屋ストア代表取締役社長。
こういった協会の専務理事として、適任のキャリアを持つ。
だから説明が、極めて実務的。
「青果は猛暑で相場高。
スイカ、メロン、サラダ野菜がよかったが、
バナナは不振、梨、桃などの生産が悪く、天候の功罪があった」
「同様に、鮮魚はうなぎ、カツオは好調だが、
スルメイカ、アジ、秋刀魚など大衆魚が不漁」
「調理メン、涼味ソバ、アイスクリーム、
飲料、めんつゆなど夏物商材は2けた増。
参議院選前はだめだったがその後は猛暑効果で食品は好調」
松本専務とともに、実務分析を披露してくれたのが、
AJS副会長の田尻一さん。
サミット㈱代表取締役社長。
「7月は全社ベースで昨対102%。
関東、関西の大都市圏は売り場面積が増加している。
平成20年と21年比較では関東圏は105.7%増、
しかし1店あたりは微減のいわば、オーバーストア化が進んでいる」
「サミットはポイントカードをもつ顧客が72.4%を占めている。
そのID-POSの実績推移データを紹介すると、
全売上げの79.15%はこのホルダーによるもの。
平均来店頻度は月間7.02回、
平均買上げ額1807円に対しホルダー顧客は1985円。
昨対でも101.1%と堅調である。
課題は、既存ホルダーに加え、
ホルダー以外の28%弱の不動票ともいえるお客を
どう買い物行動に結び付けることができるか」
「沖縄家庭料理フェアを10年ほど続けているが、
今年は115.5%の売上げで、ヒット企画に育っている。
『情緒的な価値』をどのようにお客様に訴求していくか、
価格だけではない施策が大事」
「円高で輸入モノが下がっても、異常気象で穀物相場が上がっている。
円高と相場高で相殺されるのではないか」
このスーパーマーケットの販売統計調査の記者会見。
単なる数字や全体の情勢報告に終わらせず、
現場に基づき、実務に即した内容になっている。
だから現役トップが出てきて、解説をする。
一般マスコミも、どんどん記事に取り上げてほしいものだと思う。
昨日は、日本フードサービス協会からも、
7月の外食売上高が発表された。
前年同月比プラスの2.5%。
6カ月ぶりの前年クリア。
理由は「猛暑特需」
ソフトドリンクが売れた。
アルコールが売れた。
外出先の途中に外食店で過ごした。
だからとりわけファストフードは、
前年比6.5%もプラスになった。
これで業態別の7月販売データが出揃った。
既存店ベースの前年同月比。
百貨店マイナス1.4%、
総合スーパーマイナス1.2%。
食品スーパーマーケットはプラス1.0%、
コンビニ、プラス0.5%、
フードサービス、プラス2.5%。
7月の「猛暑・酷暑・炎夏」需要。
素直に取り込んだ業態・業界が回復基調、
「猛暑特需」を客数増に結びつけられない業態・業界には、
手術が必要。
戦争に限らず、緊急時の経営は手術に似ている。
「技能が優れていることが先決するが、
手術後のケアの重要性も勝るとも劣らない」
<結城義晴>
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<事務局>