結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年08月31日(火曜日)

「今日ノ所作ヲ今日作スコト」と岡田徹詩集「店の表戸を開けよう」

「トロイカ体制」
トロイカとはロシア語でTройкаと綴り、
数字の「3」、あるいは三つ一組のものを意味する。
日本人には、ロシアの三頭立ての馬車やソリとしてなじんでいる。

ロシア革命の後、ソビエト連邦が誕生。
初代人民委員会議議長(首相〉は共産主義革命の立役者レーニン。
スターリンは四代目で、独裁的書記長となった。

独裁者の死後、権力の集中防止のために、
書記長職は廃止され、
三つの職に権限が分散された。
第一書記、最高会議幹部会議長、首相。

要は、「集団指導体制」のこと。
これを「トロイカ体制」と呼んだ。

民主党のトロイカ。

菅直人現首相に鳩山由紀夫前首相、
そしてその前の党代表の小沢一郎前幹事長。

このトロイカ体制が一順ののちに復活し、
14日投開票の民主党代表選挙は、
無投票決着で、「集団指導体制」「挙党体制」に、
「戻る?」ことになりそうだという。

歴史に学ぶならば、
トロイカの前の独裁者はだれだったのか。

ご都合主義のトロイカは、
「走れトロイカ ほがらかに 鈴の音高く♪」と、
歌のようにはならない。

今日の日経新聞巻頭コラム『春秋』はいい。
「無精」に二つあることを書いている。
国文学者の故佐竹昭広さんの『古語雑談』から。

「今日ノ所作ヲ明日作(ナ)スコト」と、
もうひとつ「明日ノ所作ヲ今日作スコト」

前者を「懈怠(けだい)」といい、
後者を「懶惰(らんだ)」という。

両方とも無精。

夏休みの宿題。
8月の終わりや9月の初めにやることは、懈怠、
7月中に片付けてしまうことは、懶惰。

締め切り主義で、
懈怠ばかりの私は、
懶惰のあることを知って、
少し安心。

しかし、大切なのは、
「今日ノ所作ヲ今日作スコト」

これはサム・ウォルトンの「サンダウン・ルール」そのまま。
「日が沈むまでに、今日の仕事を終わらせよう」

ぐるぐる回って、トロイカ体制までの時間空費。
やっと日本銀行・政府揃って「円高デフレ」対策。

ただしどちらも「最小限の『小出し』路線」。
トロイカ体制づくりは、 懈怠。
円高デフレ対策は、懶惰。

人のことばかりは言えないが、
この国の大事のとき、
「今日ノ所作ヲ今日作スコト」は、
徹底しなければならない。

さて、昨日の日経新聞。
インタビュー「領空侵犯」。
カルビー相談役の松尾雅彦さんが持論を展開。
「農村は『第三の道』を目指せ」

これまでの農業対策は「再分配政策」。
他の産業やダム・道路の公共投資で稼いで、
農村に再分配する。

しかし、これは明らかに破たんしている。

一方、市場に委ねる政策も、
コモディティ化現象をきたし、
価格低下を招く。
農業はこれに耐えられない。

だから第三の道を選ぶ。

それは「地域で自給自足する経済」。
イタリアやフランスの農村で成功をみた「美しい村」づくり。
さらにワイン・オリーブオイルを柱にした「スローフード」づくり。

ここには松尾さんのロマンが込められている。

私は、中学生の頃、熱中した武者小路実篤の「新しき村」を思い出した。
しかしこれは、20世紀の中ごろに、
コンセプト倒れとなって、
「白樺派」のロマン主義とともに、
実質的な破たんをみた。

松尾さんのロマンは、21世紀も10年を経過したいま、
ぐるりと回って、実現に向けた歩みを進めるかもしれない。

ここでも、「今日ノ所作ヲ今日作スコト」が必須となる。
「サンダウン・ルール」
が基本となる。

さて昨日は、横浜の商人舎オフィスに来客。
UIゼンセン同盟流通部会副事務局長の木暮弘(ひろむ)さん、
イオングループ労働組合連合会会長の新妻健治さん。

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「第五次流通産業政策」に関する意見交換。
木暮さんは、マイカル出身。
新妻さんは、当然、イオン出身。

新妻さんが中心となって、
この「第五次流通産業政策案」は起案された。
三人して「商業の地位向上」と「知識商人」の話となった。

考えてみると、商売とは、
「今日ノ所作ヲ今日作スコト」

岡田徹詩集にある。

「店の表戸を開けよう」

朝だ。
店の表戸を開けよう。
今日また、何十人、何百人のお客たちに、
いい買い物をさせてあげようよ。
あなたが商人として、いのちをかけて悔いない道が
そこに、大きく開ける。

あなたの今日の仕事は
タッタ一人でもよい
心の中で有難うといって下さる
お客という名の友人をつくることだ。

あなたは生きがいをかけたこの職業に、
大きな誇りと権威とを持とうよ。
モット美しい
モット立派な
人生の生き方が
この仕事のうちにあることを知ろうよ。

「今日ノ所作ヲ明日作(ナ)スコト」
「明日ノ所作ヲ今日作スコト」

そして、
「今日ノ所作ヲ今日作スコト」

「懈怠(けだい)」でも、「懶惰(らんだ)」でもいけない。
難しいけれど、「知識商人」向きの考え方だ。

そしてここには、この言葉がふさわしい。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

<結城義晴>

[追伸]
浅野秀二先生もブログで、「トロイカ体制」に関するコメントを寄せています。
あわせて「浅野秀二のアメリカ寄稿」もぜひ、ご覧ください。

2010年08月30日(月曜日)

流通経営各誌「渥美俊一追悼特集」それぞれの評価

Everybody! Good Monday!
[2010 vol35]

とうとう8月も終わりの週。
今週水曜日から9月。

この暑さはまだまだ、続きそうだけれど。

年初から通算すると、第35週。
1年が52週だから、ちょうど3分の2が終了。

ピーター・ドラッカー先生「フィードバック分析」
自分の「強み」を知る方法。

第一に「記録する」。
何かをすることに決めたら、
何を期待するかを書きとめておく。
箇条書きでよい。
数項目、10項目でもよい。

第2に「照合する」。
6カ月後、9カ月後、1年後に、
期待と実際の結果とを照合する。

1月に「記録」したとしたら、
8月の終わりは、この照合の期日のひとつ。

私自身、正月三が日に、
ことしのフィードバック分析の「記録」をした。
だからそろそろ「照合」の時期。
楽しみだ。

そして第3に、照合の結果、
「自らの強みが明らかになる」

ドラッカー先生は書いている。
「自らについて知りうることの中で、
この強みこそ最も大切」
ドラッカーの人生哲学の中で、
行動レベルでもっとも有益な方法論のひとつが、
このフィードバック分析と「自らの強み」

8月の終わりでもかまわない、
「記録する」から始めて、
来年の春先に「照合」してもよい。

ドラッカー先生、なんと50年間も、
自ら、この「フィードバック分析」を行った。
そして幸せで充実した人生を送った。
「自分の強み」を知った後の「その後の行動」
1.明らかになった強みに集中する
2.強みをさらに伸ばす
3.無知の元凶ともいえる知的傲慢を正す
4.自らの悪癖を改める
5.人への対し方を改める
6.行なっても成果があげられないことは行なわない
7.努力しても並みにしかなれない分野には無駄な時間を使わない

ここまで徹底する。

8月が終わるということは、
この「フィードバック分析」に区切りのタイミングが来るということ。
2月末決算の企業は、上半期、第二四半期が終わる。
「ドラッカーのフィードバック分析」、
個人に限らない。
企業や店にも適用できる。

いや、これは企業で行っていることを、
個人に適用したものとして価値がある。
しかし、企業や店でも「フィードバック分析」」後の行動が
間違っている場合が多い。

自社・自店の強みは何か。
「記録」して、
一定期間おいて、
「照合」して、
「強み」を知る。

まずやること。
1「強みに集中する」
2「強みをさらに伸ばす」

次にやること。
3「傲慢を正す」
4「悪癖を改める」
5「顧客・取引先などへの対し方を改める」

さらにやること。
6「成果が上がらないことはやらない」
7「並みにしかなれない分野に時間を使わない」

さて、9月発売の経営雑誌が次々に送られてくる。
「流通関連」のそれには、
「故渥美俊一特集」が並ぶ。
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『日経トップリーダー』誌は、
自前ルポ構成主義。

同誌の永井学記者が、
数多くのインタビューをして、
それを一本のルポ記事にまとめた。
手間がかかるが、読みやすくて、
媒体や記者の主張が込められる。
私は、このスタイルが好きだ。
もちろん永井記者、私のところにインタビューに来た。
さらに西松屋チェーンの大村禎史社長のコメントなど丁寧に取材して、
いい記事にした。

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タイトルは特別企画「『チェーンストアの父』逝く」 。

この中で最後に『10のダメ』が掲載されている。
(1)夢がなければダメ
(2)努力しなければダメ
(3)努力してもカン所を外してはダメ
(4)転換しなくてはダメ
(5)させる幹部がいなくてはダメ
(6)数字を無視してはダメ
(7)立場を変えなければダメ
(8)会社らしい体制がないとダメ
(9)教育計画が違うとダメ
(10)原理・原則無視の試行錯誤はダメ

渥美先生の「小から大になるための成長法則」と、
「8つの変えるべきこと」が示されている。

『2020Value creator』誌は、
論文&ロングインタビュー主義。

タイトルは追悼特別企画「渥美俊一先生、さようなら」

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冒頭に結城義晴の「化け物級の流通革命」 (私が付けた原題)。
これ、できれば読んでください。

次が「㈱ニトリ似鳥昭雄社長が語る恩師・渥美俊一先生の思い出とその教え」。
8ページに及ぶロングインタビュー。
緒方知行同誌主幹と似鳥さんとの会話。
それから緒方知行の第1回『渥美俊一論』。
これは数回、続く模様。

緒方さんも私も㈱商業界OB。
『月刊マ-チャンダイジング』誌は、
自前原稿主義。

同誌の日野真克主幹、宮崎文隆編集長の自分たちの渥美俊一論、
二人とも世代はぐっと若返るが、㈱商業界のOB。
そして昨年7月の自社シンポジウムでの渥美講演の抄録。
法政大学・矢作敏行教授の短い特別寄稿コラムが挿入されている。

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タイトルは特別企画「巨星堕つ」

『食品商業』誌は、
ビッグネーム依存主義。

岡田卓也イオン名誉相談役、
清水信次ライフコーポレーション会長。
お二人に追悼のコメントをいただいた。
あとは、かつての渥美先生の新人向けのメッセージを「誌上再録」。
㈱商業界倉本初夫主幹の思い出話が付く。

タイトルは、緊急特集「追悼、渥美俊一」

『チェーンストアエイジ』誌は、8月15日発売号のFRONTLINEで、
さらりと「訃報 渥美俊一氏死去」。

この後も特集を組むかもしれないが、
『商業界』『販売革新』などで、
あらためて渥美俊一が語られる。

その内容によって、
そのメディアが何を考え、
何を主張しているかがよくわかる。
主張の中身だけでなく、
主張の強さ・弱さもよくわかる。

私は30年、経営雑誌にかかわっていたから、
このあたりのことがよく理解できる。

今月の商人舎標語、
「現状を否定せよ!」
もちろん渥美俊一先生の主張からいただいたもの。
「自分の強み」を知る。
そのうえで「現状を否定する」

どのように否定し、
どのように「強み」を伸ばすか。

まだまだ、渥美俊一の本質に迫ってはいないかもしれない。
今週は、節目の月の節目の週。
その、スタート。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年08月29日(日曜日)

ジジと花火[2010日曜版vol35]

暑い日がつづきますが、
もう夏はおわりです。

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空をみれば、わかります。

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雲をみれば、わかります。
木々や芝をみれば、わかります。

ユウキヨシハルのおとうさんは、
あそこです。

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ボクは、うちにいます。

夏のおわりの花火。

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したのほうで、花火があがる。

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川のうえ。

ふたつの花火。
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たかいところでも。
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シュル、シュル、シュルー。

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パーン。

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パーン、パーン。
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パラパラパラ。

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ヒュンヒュンヒュン。
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どうです、夏のおわり。
感じられませんか。

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まだまだつづきます。

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これもいい。

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ボクは、花火だいすきです。

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まだまだつづく。
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花火はつづく。
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花火は開く。
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ボクは、あきない。
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たかい花火。

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垂れ下がる。

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そしてまあるくひらく。

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夏のおわりをつげる花火。

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猛暑、酷暑、炎夏。
いろいろいわれましたが、
ボクにはいい夏でした。

ありがとう。
夏に感謝します。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年08月28日(土曜日)

鳩山由紀夫の「愛と心の政治」と結城義晴の「西友社員への手紙」

鳩山由紀夫の言葉づかいには、
いつも勉強させられる。
反面教師として。

昨日、モスクワにて発言。
時事通信の記者が伝えている。

菅直人首相のここ数カ月の政策の評価。
「友愛の政治は十分に見えない」

一方、小沢一郎前幹事長への感想。
「心の政治に力点があるのかなと思っている」

愛と心の政治。
彼が目指すものは、
うーん、まったく、よく解らない。
首相を退いてから、また一段と解読不能になった。
しかし、これが民主党と日本の行く末を左右している。

朝夕は、ずいぶん凌ぎやすくなってきた。
十分に夏の終わりを感じさせてくれます。

商人舎の横を流れる新田間川(あらたまがわ)。

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横浜駅の横を流れて、南の方角へ向かう。

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「愛と心」
感じられませんか、この風景。

さて、パソコンに残っている資料を整理していたら、
面白い原稿が出てきた。

2004年2月に書いた原稿。
私は㈱商業界社長だった。
『販売革新』の巻頭言「Editor’s Voice」に書いたものだ。
確か編集長は矢作勉君だったと思う。

「Editor’s Voice」は、『販売革新』誌の看板コラムで、
昭和38年発刊当初は当時の倉本初夫社長が書き、
その後は歴代編集長が書いた。
今の同誌では、巻頭言を編集責任当事者が書くことはない。
2004年当時は、発刊のときに戻って、
社長の私が書いていた。

記事は、ウォルマートに買収された西友の、
中堅社員から私宛に寄せられた手紙に、
「手紙で答える形式」となっている。

「西友社員への手紙」

前略 お手紙拝見しました。

このたびのアクションプランの件、
あなたのお手紙で詳しく知ることが出来ました。

大変なことが西友の中で起こっている。
その大変さを痛感しました。
ウォルマートのやり方は、
日本人にはどうにも理解できないことかもしれません。
けれどもそのウォルマートに、事実上、
西友が買収されてしまったというのも、覆せないことです。
あなたが、その西友に属していることも。

率直に聞きます。
あなたは今、激しく変わろうとしている西友の社風が好きですか。
今後変わっていくだろう西友の組織文化が。
やがてウォルマートと名前を変える西友での仕事が。

好きなのだとしたら、少しでも好ましいと思えるのなら、
しがみついてでも残って頑張ってください。
応援します。

仲間の何人かは、去ってゆくかもしれません。
でも、あなた自身がどうかをまず考えてみてください。

もし、嫌だなと思うのなら、これから生きる道はいくらでもあります。
こちらの場合にも私は応援します。

こんな時にダーウインを持ち出すのは、何だか気が引けますが、
彼は『種の起源』の中でこう書いています。
有名な言葉です。
「最も強い者が生き残ったのではない。
最も賢いものが生き残ったのでもない。
最も環境に順応したものが生き残ったのだ」

これを、企業社会に移し変えると、
会社や店の生き残りだけではなく、
むしろ組織の中で働く人間そのものに当てはめられるのです。
すなわちあなたが、新しい西友の環境に順応できるか否か。
それこそが、あなたにとって一番大事なことだと思います。

食うためにそんなことは言っていられない、という人は、
いやでも順応しなければならない。
理不尽なやり方だ、というのなら、労働組合の仕事となる。

しかしあなたに、新しい環境を拒否する気持ちがあるのなら、
西友を去るのもやむなし、ということになります。

私は、全国の流通業の経営者たちに公言しています。
「今こそ人材採用のチャンスですよ」と。
「西友を退職する人たちの中には、
優秀で、意欲あふれる人材がたくさんいますよ」と。

私は、一人ひとりの人間は、実は、強いのだと信じています。
あなたも。
だから、必ず、環境に適応することが出来ます。
むしろ組織こそ、環境順応が難しい。

あなたが西友に残るとしたら、ウォルマート資本の西友そのものを、
この日本の消費マーケットに、
環境適応させることの先頭に立つくらいの意志を持ってほしい。

ダーウインは、こう続けます。
「生存競争は、最も近い種の間で、最も激しい。
同じ餌をめぐって闘うからだ。
ここでは、ごく小さな違いが生存のための決定的要素となる」

ウォルマートと西友は、
この微差の生存競争を拒否しようと考えています。
経費率が圧倒的に低い差異性のある流通企業をつくろうとしています。
その経費構造が日本のマーケットに環境適応するか否かは、
それこそ歴史が証明することになります。

あなたは、この差異性のある企業づくりに、意欲を感じられるのか。
結局は、この点に集約されるのだと思います。
なぜなら、他の企業群は、ウォルマートの側から見たら、
「ごく小さな違いを生存のための決定的要素」と考えている者ばかりだからです。
もしかしたらあなたも、ごく小さな違いにこだわっているのかもしれない。

しかし、どんなことをいっても、外の人間に実感はありません。
当事者の問題だからです。
残るも、去るも、あなたが決めることです。
後悔しない意思決定をしてください。

あなたはどんな環境に、どう順応するのか。
あなたが決めることです。
あなた自身の意思を、私は何よりも尊重します。
そして応援しつづけるつもりです。
早々              ㈱商業界社長 結城義晴

この最初の手紙を寄こしてくれた社員は今、
どうしているのだろう。

私のウォルマートと西友の認識、
6年経過した今、
的確だったと言い切れるだろうか。
そして、私の「西友社員への手紙」には、
「愛と心」がこもっていただろうか。

当時を思い出しながら、そんなことを考えた。

この「西友社員への手紙」には、続編がある。
3カ月後の「Editor’s Voice」に掲載されたもの。
タイトルは「リー・スコット(ウォルマートCEO)への手紙」

これも、読み返してみると、
結構、面白い(来週につづくが・・・) 。

今週も商人舎ホームページと結城義晴の[毎日更新宣言]をご愛読くださって、
心から感謝します。
ありがとうございました。

良い週末を過ごしてください。

< 結城義晴>

2010年08月27日(金曜日)

小沢一郎「顔を出さないメディア戦略」とイオン3社合併で2兆5000億円総合スーパー登場

dscn6773-3.jpg「線路は続くよ、どこまでも♪」

「菅直人vs小沢一郎、一騎打ち」。

9月1日告示、14日投開票の民主党代表選挙。

朝日、読売、日経こぞって、
「一騎討ち」の見出しで共同歩調。

「仙谷由人官房長官とタッグを組む菅首相」か。
「小沢&鳩山とトロイカ体制を堅持する菅首相」か。

結局、菅直人は、前者を選択。
そこで、一騎打ちに。

朝日・読売・日経のトロイカにスポイルされた観のある毎日新聞は、
論説副委員長の与良正男がつぶやく。
「『小沢報道』やめてみたら」と。

「最近、私は政治記者失格ではないかと思う時がある。
9月の民主党代表選にまるで興味がわかないからだ。
いよいよ小沢一郎前幹事長が出馬か、というような話に接するたびに、
『何年、同じことを繰り返しているのだろう』と、
逆にうんざりしてしまう」

「例えば先週、
長野県軽井沢町にある鳩山由紀夫前首相の別荘で開かれた懇親会。
その数日前から小沢さんの側近たちから一斉に流されたのは、
『小沢さんは代表選に政治生命をかける』というような話だった。
いつもの『小沢さんの意向をそんたくすると……』というヤツ。
でも、新聞やテレビは次第に『小沢氏、出馬を検討』と
報じざるを得ない状況になっていく」

「前景気をあおって、懇親会に小沢さんが登場。滞在時間、わずか50分。
『お互いに力を合わせて』などとあいさつするだけだった」

「大挙して軽井沢に押し寄せた報道陣が
『代表選に出るんですか』と聞いても、もちろん無言」

「結果、『小沢さんは何を考えているか分からないから怖い』
といった話が増幅していく」

「この国は相変わらず
小沢さんが牛耳っているという神話作りに貢献しているのだと思う。
さぞや小沢さんも喜んでいることだろう」

「私は自分の考えをきちんと説明しようとしないという一点をもってして、
この時代の首相には不向きだと思うが、
小沢さんの『メディアに顔を出さないメディア戦略』に、
私たちはまんまとはまっているのではなかろうか」

毎日新聞の与良正男論説副委員長。
マスメディアの現状を自己批判も含めながら、
小沢一郎の戦略を通して、正直に語っている。

『メディアに顔を出さないメディア戦略』
めったやたらとテレビで顔を売る政治家ばかりの今、
小沢一郎は逆手をとった戦略の持ち主。

商売やビジネスでは、これは大事なこと。
だからだろうか、経営者には「小沢乗り」が意外に多い。
「一度、小沢にやらせてみろ」

一方、総務省発表の全国消費者物価指数
7月は総合指数(2005年を100とした指数)が99.0。
前年同月比マイナス1.1%。
総合指数は価格変動の大きい生鮮食品を除くもの。
17カ月連続減少で、1993年3月以来の低い水準。
円高・株安の基調のもと、
「デフレ長期化」を懸念するマインドが消費物価に現出した。

政局・政争よりも、本来は、
こちらの方策のほうが優先される。

ただし、では自民党か、
あるいは公明党か、みんなの党か、共産党かと迫られたら、
選択肢はない。

そこで「一騎討ち」となってしまう。
マスメディアもそれはわかっている。
だから悩ましい。

まさに、オクシモロンの問題。

さて、 日経新聞一面トップに、
「イオン、主力スーパー合併」

私は「総合スーパー」の業態衰退論を言い続けているが、
イオンがその「総合スーパー事業を再編する方針」を固めた。
これまた日経のスクープ。

合併するのはイオン傘下の3社。
イオンリテール㈱(千葉市、資本金500億円)、
㈱マイカル(大阪市、200億円)、
イオンマルシェ㈱(千葉市、1億円)で、
いずれも持ち株会社イオ ンの100%子会社。

合併の期日は、2011年2月期中というから、
来年の3月が目途となる。

イオンリテールは、総合スーパー「ジャスコ」を展開するイオンの主力部隊。
マイカルは、2001年に会社更生法の適用を受け、2005年に更生手続きを終了し、
現在イオンの傘下で、「サティ」「ビブレ」を展開。
イオンマルシェは2005年、カルフール撤退後の店舗をイオンが引き受けた会社。

イオンリテール㈱が、㈱マイカル、イオンマルシェ㈱を、
吸収合併する形をとるが、これは、当然の策。
結果、店舗数345、年商2兆5000億円の総合スーパーチェーンが登場する。

店舗ブランド(すなわちバナー)は、
ジャスコでもなく、サティ・ビブレでもなく、
「イオン」に統一される。

商品面では規模のメリットを引き出し、
仕入れや物流の一本化が図られる。
同時に、管理部門など全体的な合理化でコスト削減が企図される。
その結果、500億円規模の統合効果が引き出され、
営業利益率が3~4%までに引き上げられる。
すなわち最大で、営業利益1000億円をはじき出す会社。
「総合スーパー業態衰退論」へのイオンなりの「解」が、
現状の「2兆5000億円のパワーの一体化と効率化」である。
何の変哲もない政策だが、
これしかないし、これが正解である。

分かりきった政策、
何の変哲もない戦略、
しかしそれを断行する能力。

executionこそ今、必要とされている。
国にも、企業にも。

dscn6773-3.jpg「線路は続くよ、どこまでも♪」なのだから。

ただしこの日経のスクープ、
イオン広報は、
「決まった事実はない」と回答している。

<結城義晴>

[追伸]
本日の「林廣美の今週のお惣菜」。
真夏に美味しいそうめんのお供に
「野菜のかき揚げ エビ入りかき揚げ」。
売れる秘策はこちらで確認しよう。

2010年08月26日(木曜日)

7月のスーパーマーケット販売統計1.0%増、外食は2.5%増、理由は「猛暑需要」

小沢一郎、民主党代表選に出馬。
経営者には、「小沢にやらせてみろ」という声が多い。
マスコミに踊らされた庶民は、「小沢なんて」とつぶやく。

今、必要なのは、どんなリーダーなのか。
誰が未来の日本のグランドデザインを描き、
その礎を作ることができるのか。

最適任者は見当たらないとしても、
条件をそろえている人間は誰か。

国民がひとり一人、
自分で考えてみる必要がありそうだ。

一方、米軍戦闘部隊がイラクから撤退した。
日経新聞の社説で取り上げられた。

7年5カ月。

米兵の死者は4400人。
イラク民間人約10万人が犠牲になった。

イラク戦争のときには米軍15万人が派兵された。
しかしその前の湾岸戦争のときに、
クウェートに派遣された米軍は50万人だった。

一方、アフガニスタンには、米軍が増派された。

塩野七生さんが書いている。
「戦争は外科手術に似ている。
ゆえに手術の技能が優れていることが先決するが、
手術後のケアの重要性も勝るとも劣らない」

塩野さんは、紀元前のローマにおける、
ガリア戦記の後のユリウス・カエサルのアフターケアを示している。
太平洋戦争後の東京裁判なども視野に入れている。

イラクをみると、
手術の技能もアフターケアの施策も、
歴史に学ぶべきだというのだろう。

さて、昨25日、
8月のスーパーマーケット販売統計調査
が発表された。
記者会見場所は日本橋にある日本スーパーマーケット協会会議室。
この統計は、3団体協力によって、はじめて公けとなった。
日本スーパーマーケット協会(JSA、川野幸夫会長)
社団法人日本セルフ・サービス協会(JSSA、横山清会長)
オール日本スーパーマーケット協会(AJS、荒井伸也会長)

販売統計発表4回目の今回も、
新聞・雑誌の報道記者30名以上が集まった。

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3協会協力の調査なので、持ち回りでプレゼンテーションが行われる。
今月は、オール日本スーパーマーケット協会の担当。
司会は、AJS企画教育部統括マネジャーの中村伸一郎さん。

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プレゼンテーターは、AJS専務理事の松本光雄さん。

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配布された資料にもとづき、
スーパーマーケット264社の7月の販売動向が報告された。

総売上高は7737億6567万円(昨年同月比101.0%)。
前年比プラスの1.0%。

理由は、「猛暑特需」。

食品合計は6584億9586万円(101.6%)、
非食品合計1152億円6982万円(99.0%)。

食品の内訳は
生鮮三部門合計が2367億円7010万円(100.9%)。
そのうち青果は942億8963万円(103.5%)、
水産は698億7400万円(98.9%)、
畜産は726億0647万円(99.6%)。
惣菜が696億3467万円(103.5%)、
一般食品・その他が3520億9110万円(101.8%)。

非食品が若干ダウンしたが、
食品は酷暑・猛暑・炎夏効果で売上げ好調。

「既存店売上げ合計は、
5月よりも6月、6月よりも7月と、
月推移は好調」

エリア別で前年同月比をみると
北海道・東北45社で101.9%、
関東67社で100.2%、
東海・北陸63社で101.3%、
関西36社で100.8%、
中国・四国37社で101.9%、
そして九州・沖縄16社では101.5%。

「関東、関西エリアがほぼ横ばいながら、
全エリアで前年をクリア」。

客数は微増、客単価は微減。
買い上げ数量は横ばいでも、
低価格販売の影響が残っている。

一品単価の下落は下げ止まりつつあるが、
まだまだ苦しんでいる」

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松本専務理事は、前職が松坂屋ストア代表取締役社長。
こういった協会の専務理事として、適任のキャリアを持つ。
だから説明が、極めて実務的。

「青果は猛暑で相場高。
スイカ、メロン、サラダ野菜がよかったが、
バナナは不振、梨、桃などの生産が悪く、天候の功罪があった」

「同様に、鮮魚はうなぎ、カツオは好調だが、
スルメイカ、アジ、秋刀魚など大衆魚が不漁」

「調理メン、涼味ソバ、アイスクリーム、
飲料、めんつゆなど夏物商材は2けた増。
参議院選前はだめだったがその後は猛暑効果で食品は好調」

松本専務とともに、実務分析を披露してくれたのが、
AJS副会長の田尻一さん。
サミット㈱代表取締役社長。

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「7月は全社ベースで昨対102%。
関東、関西の大都市圏は売り場面積が増加している。
平成20年と21年比較では関東圏は105.7%増、
しかし1店あたりは微減のいわば、オーバーストア化が進んでいる」

「サミットはポイントカードをもつ顧客が72.4%を占めている。
そのID-POSの実績推移データを紹介すると、
全売上げの79.15%はこのホルダーによるもの。
平均来店頻度は月間7.02回、
平均買上げ額1807円に対しホルダー顧客は1985円。
昨対でも101.1%と堅調である。
課題は、既存ホルダーに加え、
ホルダー以外の28%弱の不動票ともいえるお客を
どう買い物行動に結び付けることができるか」

「沖縄家庭料理フェアを10年ほど続けているが、
今年は115.5%の売上げで、ヒット企画に育っている。
『情緒的な価値』をどのようにお客様に訴求していくか、
価格だけではない施策が大事」

「円高で輸入モノが下がっても、異常気象で穀物相場が上がっている。
円高と相場高で相殺されるのではないか」

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このスーパーマーケットの販売統計調査の記者会見。
単なる数字や全体の情勢報告に終わらせず、
現場に基づき、実務に即した内容になっている。

だから現役トップが出てきて、解説をする。
一般マスコミも、どんどん記事に取り上げてほしいものだと思う。

昨日は、日本フードサービス協会からも、
7月の外食売上高が発表された。

前年同月比プラスの2.5%。
6カ月ぶりの前年クリア。
理由は「猛暑特需」

ソフトドリンクが売れた。
アルコールが売れた。
外出先の途中に外食店で過ごした。

だからとりわけファストフードは、
前年比6.5%もプラスになった。

これで業態別の7月販売データが出揃った。
既存店ベースの前年同月比。
百貨店マイナス1.4%、
総合スーパーマイナス1.2%。

食品スーパーマーケットはプラス1.0%、
コンビニ、プラス0.5%、
フードサービス、プラス2.5%。

7月の「猛暑・酷暑・炎夏」需要。
素直に取り込んだ業態・業界が回復基調、
「猛暑特需」を客数増に結びつけられない業態・業界には、
手術が必要。

戦争に限らず、緊急時の経営は手術に似ている。
「技能が優れていることが先決するが、
手術後のケアの重要性も勝るとも劣らない」

<結城義晴>

[お知らせ①]
本日、五十嵐ゆう子のWeb小説「Thank you 命をありがとう」の
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いよいよ、佳境にさしかかってきました。
こちらから是非お読みください。

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リンクご希望のかたはinfo@shoninsha.co.jpまで
メールください。
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<事務局>

2010年08月25日(水曜日)

「双方違う事実の比較作業に慣れてくると、 それらの合間に真相が見えてくる」[塩野七生]

気象庁の発表。
この真夏日の暑さ、
まだ2週間は続く。

しかし、朝夕は、ずいぶん涼しくなった。
昼間の暑さはどうしようもないが。

考えてみると、
店舗で働いている人は、
この暑さを感じることがない。

昼間に外歩きをする仕事よりも、
その面では幸せだ。
そんなことも考えてみるとよい。
他者のことを思ってみるのもよい。
昨日は円高が進み、1ドル83円台。
なんと15年ぶり。
しかし今朝は84円からスタート。

同時に日経平均株価も9000円を割った。
これは1年4カ月ぶり。
今朝は8904円から始まった。

ニューヨーク株も1万ドルを割り込んで、
日本株の一人負けと思いきや、二人負け。

日本経済、三流から五流に落ち込み、
先行き見えず。

なんとか我らの力で、
日本らしい社会、日本らしい経済、日本らしい文化を築きたい。
明日のために。

今は我慢の時。

日本のテレビ・新聞・雑誌はこぞって、
「小沢一郎民主党代表出馬か」と騒ぎつつ、
そんなこと言ってる場合じゃないだろう、と揶揄する。
マッチポンプ。

しかしそのマッチポンプに政治家も踊らされている。
世論は、マスメディアが誘導し、
劇場型社会を演出し、
そのこと自体が、
「じっくり考える」
「よく考える」
「客観的に考える」
といった姿勢を、日本社会から奪っている。

塩野七生さんが『日本人へ、国家と歴史編』(文春文庫)に書いている。
「双方で違う言い分を聴いて比較する作業に慣れてくると、
それらの合間に自然に浮かび上がってくる真相も、
見えてくるようになるから面白い」

私たちは今、
「双方で違う言い分を比較する作業」に慣れなくてはいけない。
だから対立する見解や対比的な意見に、
日常的に多数、触れなければいけない。

「何事も、
ひとつの手段、ひとつの方法に、
ゆだねたいという誘惑は、
これを退けねばならない」

だから外国のメディアにも時々、目を通す必要はある。
外国を訪れて、その国の人々の日本観を感じ取るのも重要なことだ。

塩野さんのようにイタリアに在住し、
ヨーロッパの観点から日本をみていると、
アメリカからだけの日本観には異次元の「真相」が見えてくる。

昨日は、10月に控えたヨーロッパ視察の詳細づくり。
イギリスとフランスの状況を調べた。
主にロンドンとパリの周辺、郊外の競争状況。
面白いことになっている。

例えば、米国ウォルマート傘下のアズダ。
既に25店舗のアズダ・ウォルマート・スーパーセンターをオープンさせ、
出店が、だんだんロンドン市街に迫ってきている。
カルフールも、ハイパーマーケットを、
パリの中心街近くのブーローニュの森のそばにつくった。

世界の大都市周辺で、
人口と商業施設の「都市集中化」が進んでいる。

明らかな共通トレンドは、
飽和化と都市化。

その面で、江戸時代から世界をリードしている日本は、
独自のセオリーを導き出し、
理論面で世界を先導することができる。

そんなことを考えた。

双方違う事実を比較する作業に慣れてくると、
それらの合間に浮かび上がってくる真相が見えてくる

塩野さんの言うとおりだ。

さて昨日は、東京・日本橋あたり。

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鍵を握る日本銀行。
「政府・日銀の無策」とひとからげに断定されている。

その向かいの三井本館。

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由緒ある建造物。

神田駅前の社団法人日本セルフ・サービス協会。
9月1日から、協会名を変更する。

社団法人新日本スーパーマーケット協会

その協会が50周年記念事業として始めたのが、
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン

昨日はその事務局会議。
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写真左から、FMIジャパン事務局長の中間徳子さん。
今年7月のコーネル大学食品産業プログラムのサマースクール卒業生。
真ん中が、日本セルフ・サービス協会営業本部長・村尾芳久さん。
そして右が、コーネル・ジャパン事務局の太田美和子さん。

中間さんが、講師担当、太田さんが、受講生担当。
第三期のカリキュラムの最終検討。
講義内容の充実のためのアイデア討論。
10月の公開開講講座の企画調整。
レポートのこと、合宿のこと、
アンケートのこと、などなど。

第三期も充実した内容になります。
㈱カスミ会長の小濵裕正さんがご指摘くださったように、
業界初の多角的多面的構造的カリキュラム。

日本のスーパーマーケットと食品産業のための「産業内大学」。
10月から、いよいよ第三期がスタートします。
限定35名募集中。
既に20数名の申し込みあり。

お早めにお申し込みください。

よろしく。

<結城義晴>

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