日本振興銀行が経営破綻。
金融庁から行政処分を受けて経営再建中だった。
今年6月末時点で、総額1870億円の債務超過となっていたが、
この9月の中間決算で、さらに大幅債務超過の見込み。
そこで東京地裁に民事再生法の適用を申請する。
今朝、金融庁は全業務の停止を命令。
本店と全国約110の支店は開店しなかった。
従って、預金の引き出しもできなくなった。
今後は、金融庁が一時期、政府の管理下に置き、
「受け皿」金融機関を探して、売却によって再建の予定。
しかし、ここへきての金融機関の破たんは、
経済界のマインドの沈下を増進させる。
一方、嬉しいニュースもある。
日本とインドは、
経済連携協定(EPA)に大筋合意。
朝日新聞が一面トップで取り上げた。
EPA合意によって、
両国間の貿易・サービスなどの自由化が進められる。
中国に次ぐ12億人以上の人口を抱えるインド。
しかも中国以上の今後の成長が見込まれるインド。
インドから日本への輸出額の97%の商品、、
日本からインドへの輸出額の90%の物品、
それぞれ10年かけて関税が撤廃される。
昨年度の日本からインドへの輸出は約5913億円、
逆にインドから日本への輸出は約3478億円。
これは今のところ、中国、アメリカとの貿易量の5%前後にすぎない。
しかしインドにおける耐久消費財の普及率は、
1世帯当たり、自動車が2.7%、カラーテレビは31.7%と、
今後の需要拡大のポテンシャリティは大きい。
現在、日本から輸出する家電や自動車部品、鉄鋼製品には
7.5~10%の関税がかけられているが、
これらが10年間で撤廃される。
現在100%の税率がかけられている乗用車の関税だけは、
対象外だというが、
しかし、他の消費財など、
インドが日本のマーケットのひとつとなる公算は大きい。
さらに日本からインドへ、インドから日本への、
人的交流、技術交流も促進される。
この交流が何よりも重要だと思う。
さて私は、昨日、
その国際交流ではないが、
中国・上海を訪れた。
正午に羽田空港国際線ターミナル。
この10月に新ターミナルが誕生する。
従って、最後の旧ターミナルからの出発となる。
「行ってきます」
上海航空のFM0816便。
2時間もすると、東シナ海が見えてくる。
そして2時間半後、茶色の海。
千切れ雲が綿飴のようだが、
中国本土が見えてくる。
ここはヨーロッパまで続くユーラシア大陸の東のはずれ。
上海の郊外には、開発著しい住宅群。
日本では、もう見られない「サバブ」地区。
「サバブとは、単なる都市郊外地区ではない。
新興住宅地のこと」
故渥美俊一先生の説明の仕方。
それが上海には、次々に誕生している。
摩天楼とまでは言わないが、
ダウンタウンが見えてきた。
中国の人口は約13億人。
上海市は、1888万人。
2010年の国際連合の統計では、
都市圏人口では、世界第7位。
第1位東京、
第2位デリー、
第3位サンパウロ、
第4位ムンバイ、
第5位メキシコシティ、
そして第6位ニューヨーク。
もちろん中国第1の都市。
中国全体の面積は960万㎡で日本の25倍。
上海は6341㎡。
現地ガイドによると、
フリーウェイサイドのマンションの価格は、
平均4000万円くらい。
上海のサラリーマンの平均月収が7万円ほどだというが、
「一生かかっても払えない」
「今、上海はバブル真っ只中」
交通渋滞も激しい。
さてホテルに落ち着いて、
ワイタンへ。
租界時代に建てられた西洋建築が並ぶ。
上海浦東発展銀行。
対岸のプードン地区には、超有名なテレビタワー。
そして何よりもすごいのが、
観光の人の波。
エネルギーの塊。
これを見て、感じるだけで、
国際交流を果たした気分になる。
もちろん、中華人民共和国は、
共産党一党独裁の国家。
上海市初代市長・陳毅の銅像。
1949年、上海市を解放した陳毅は、
上海市人民政府を成立させ、市長に就任。
この商才にたけ、エネルギーを溢れさせた、我儘な国民を、
一つにできるのはマルクス・レーニン主義しかないのかとも思ってしまう。
毛沢東や周恩来、そして陳毅らにしか、
できなかったのではないかと感じてしまう。
21世紀のテレビタワーと、
20世紀の陳毅像。
これが今の中国だ。
胸躍る中国だ。(明日につづきます)
<結城義晴>