昨日の東京は21.9℃。
10月中旬の気候となった。
一気に秋が進んだ。
菅直人民主党代表、
党人事、閣僚人事を進める。
いつからだろう。
多分、小泉純一郎時代からだろうが、
「首相に一任」の風が定着した。
それはそれでいいのだろうが、
周辺の連中が、
極めて無責任な態度に見えるから不思議。
そしてだから組織の人気が薄れると、
すぐにトップの首の挿げ替えとなる。
大衆は、
あいつが嫌いだ、
あいつが好きだと言っておきながら、
トップがくるくる変わると、
それが悪いと言い出す。
読売新聞の一面コラム「編集手帳」。
手書き文字のことを書いている。
「手書きの文字から伝わるものは多い。
ぬくもりであったり、人柄であったり、
切迫した息遣いであったり…
肉筆の魅力である。
では、活字の魅力は何だろう」
著述家の高田保著『ブラリひょうたん』からの引用。
「活字というものはありがたい。
書くものを内容本位にする」
「肉筆と違って文面以外から伝わるものがないので、
読む人が内容だけを見つめてくれる」
そして話は政治のこととなる。
「政治家にも
味わいを本領とする『肉筆型』と
内容本位の『活字型』がある。
理念や見識は不明でも、
人物の奥行きや幅を感じさせる人がいる。
奥行きや幅がない代わりに、
理念や見識を明瞭(めいりょう)な言葉で語れる人もいる」
この後で、新幹事長に決まった岡田克也外務大臣を、
「活字型」と決めつける。
すなわち、「奥行きや幅がない」政治家と。
ほんとうに失礼な言い方だが、
これが大新聞の看板コラムである。
新聞が、政治家を軽く見すぎている。
それが世論をつくっているものだから、
世の中みんな政治家軽視となる。
政治家をお笑い芸人レベルに落とし込む。
別にお笑い芸人を低く見るわけではないが、
新聞コラムニストやテレビコメンテーターだけが、
なんだか、ことさらに偉そうだ。
私は毎日、活字でモノを書いて、
コミュニケーションしている。
しかし本来、私は「肉筆派」だ。
だから私のブログには、
活字と写真が欠かせない。
活字という「記号」だけでなく、
「ぬくもりや人柄、息遣い」を、
写真によって表現する。
昨日は、たくさんの人と会った。
朝一番で、商人舎海外特別顧問の浅野秀二さんが来社。
チーフ・ツアーコーディネーターの鈴木敏さんと同道。
10月に実施するアメリカ視察「スペシャル編」の最終打ち合わせのあと、
成功を期して三人で固い握手。
商人舎の海外視察セミナー、
ますます充実していきます。
午後はRMLCの9月度例会。
RMLCとはRetail Manegement Learning Circle。
すなわち商業経営問題研究会。
場所は日本スーパーマーケット協会の会議室。
内容は、8月に実施された千葉・茨城エリア視察の報告と討論。
視察店舗は、以下。
①ベイシア・スーパーセンターちば古市場店(平成21年5月オープン以下同じ)
千葉市緑区古市場
②ヤオコー ユニモちはら台店(平成19年9月)
市原市ちはら台3-4
③せんどう ちはら台店(平成18年12月)
市原市ちはら台南
④マックスバリュ おゆみ野店(平成20年5月)
千葉市緑区おゆみ野(イオンおゆみ野SC内)
⑤せんどう おゆみ野店(平成15年5月)
千葉市緑区おゆみ野中央
⑥ミスターマックスおゆみ野店(同)
⑦タイヨー ビックハウス東金店
東金市押堀字広田
⑧カスミ 押堀店
東金市押堀字広田
⑨ベイシア・スーパーセンター東金店(平成21年11月)
東金市道庭字三斗蒔
⑩メガ・ドンキ ラパーク成東店(長崎屋、平成22年)
千葉県山武市成東
⑪トライアル 小見川店(旧マルエツ、平成22年6月)
千葉県香取市分郷
⑫セイミヤ 多古店(平成20年12月)
千葉県香取郡多古町多古
⑬セイミヤ 鉾田舟木店(平成18年11月)
茨城県鉾田市舟木
⑭ヨークベニマル 水戸浜田店(平成22年7月)
水戸市浜田
⑮マルト SC笠原店
代表世話人の高木和成さんの整理した研修会テーマは五つ。
第一は、ルーラルのSM競合戦略、
第二は、ルーラルのショッピングセンターづくり、
第三は、スーパーマーケットのエブリデーロープライス戦略、
第四は、スーパーセンター業態のドミナント戦略、
第五は、ディスカウント業態の成長戦略
高木さんの問題意識ははとりわけ、
「日本のスーパーセンターは成功するのか」にあった。
これに関しても、各方面からディスカッション。
最後の1時間ほどは、
中国・上海流通業の報告。
ちょうど、上海から、
日中商会㈱常務取締役の謝智慧さんが参加してくれた。
謝さんは、リアリティある現地の情報を提供してくれた。
カルフール、ウォルマート、テスコ、メトロ、
それから久光百貨店(そごう)、ユニクロ。
私は千葉・茨城の日本の競合と、
上海の中国の競合とに、
共通項があることを強調した。
世界最初の業態は、百貨店のボンマルシェ、
「総合便利店」だった。
その後、ヨーロッパではハイパーマーケットが、
「総合便利店」として小売業をリードした。
アメリカではゼネラルマーチャンダイズストアが、
百貨店に代わって、マーケットをリードした。
その後、ディスカウントタイプのスーパーセンターが、
アメリカの消費市場を牽引して、現在に至る。
ヨーロッパでは、現在もハイパーマーケットが顕在。
そして上海では、ウォルマートもカルフールも、テスコも、
ハイパーマーケットを展開している。
上海のウォルマートは、スーパーセンターではない。
ハイパーマーケットである。
ちなみにハイパーマーケットは「業態」。
スーパーマーケットやコンビニと同じ。
ウォルマートのスーパーセンターはその業態が分化した「フォーマット」。
上海では、元に戻って、ハイパーマーケットととなっている。
アメリカ型スーパーセンタースタイルの店づくりとはなっていない。
ここが焦点。
業態が確立され、
競争環境が激化し、進化すると、
フォーマットが明確になる。
マーケットが熟していないときには、
「業態化」が問題となる。
従って、日本の小売りマーケットに、
業態としてのハイパーマーケットをコピーして持ってきても成功はしない。
フォーマットは、マーケットに適合しなければならない。
その夜、所沢で岡谷勇男さんと一献。
岡谷さんは、私が取締役に就任した時、
商業界の広告担当役員だった。
60数年の歴史の中で、
㈱商業界の広告売上高が最高に達したのは、
岡谷取締役、松井康彦部長の時だった。
岡谷さんはファッション畑の専門家、
松井さんは食品畑を得意とした。
その後、二人とも、営業企画統括となって、
広告マーケットに精通した。
その働きぶりは、当時から、凄かった。
昔話に花が咲き、私はしたたか飲んだ。
酔っ払いながら、頭の中に、
「自分は肉筆派だ」という思いのようなものが、
渦巻いていた。
<結城義晴>