結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年09月18日(土曜日)

菅直人内閣の若返りと「大機小機」の「インフレターゲット論」

第二次菅直人内閣発足。

「脱小沢」だとか「嫌小沢」だとか、
書きたてられているが、
始まったものは戻らない。

精一杯、国民のために、国のために、
尽くしてもらいたいものだ。

岡田克也新幹事長、前外務大臣、57歳。
その後を継いだ前原誠司外務大臣、48歳。

野田佳彦財務大臣、53歳。

さんざんもめた馬淵澄夫国土交通大臣、50歳、
玄葉光一郎国家戦略大臣、46歳、
そして蓮舫行政刷新・公務員制度改革大臣、42歳。

さらに民間から片山善博総務大臣、59歳。

60歳以下の、こういった比較的若い人たちに期待しよう。
私もまだ、この年代の仲間だし。

ところで、新聞各紙の一面トップには、
新内閣閣僚の一覧表が並ぶ。

その学歴をみると、
自民党時代と比べ、
「東大」出身者が驚くほど少なくなった。

18人の閣僚のうち、
東大卒は2人、仙石由人官房長官が東大中退で、
彼を入れても、6分の1。

かつては「東大でなけりゃ大臣にはなれぬ」式の図式があったが、
それが一変した観がある。

今回は、文部科学大臣の高木義明さんが下関工業高校卒、
国家公安委員長の岡崎トミ子さんが福島女子高卒。

これもとてもいい傾向だ。

だたし彼ら全員が、しっかりと仕事しなければならぬ。

さて日経新聞マーケット総合欄の人気コラム「大機小機」。
今日は、「デフレ脱却はすべてを癒す」のタイトル。

「いったん一定程度のインフレになると国民が信じれば、
消費は促進され、地価も回復し投資活動も活発化して、
結果的に財政再建も容易になる」

これは「インフレターゲット論」で、
アメリカのノーベル経済学者ポール・クルーグマンの説

「デフレ脱却とは平たく言えば、
穏やかなインフレを起こすことでもある」

インフレの目標をどのくらいにするかは、諸説あるが、
意図的にインフレを起こす。
それも穏やかなインフレ。

「それへの抵抗感を払拭するには、
政府主導で期待を上回る金融緩和策を推進し、
景気回復を実績で示すほかはない」

「インフレ化では年金生活者などが困るとされるが、
穏やかなら金利や名目国内総生産も上昇して税収が回復し、
結局は全国民が豊かになる」

コラムニストの桃李氏は、
クルーグマンの主張を述べるが、
さて、いかなるものか。

問題の日銀を、
「自らの財務悪化を理由に、
国債購入による大胆な緩和策を渋る」と糾弾し、
「船が沈没しているときに、
救命ボートの浸水を心配して、
それを使うなというに等しい」
と断罪する。

インフレターゲット論には、
菅直人総理も傾いていて、
だからこの強気の発言となったのだろうが、
果たして、若い閣僚が腹を決められるか。

若さに期待しつつも、
「しっかりとした仕事」には、
勇気が不可欠であることを確認したい。

国も経済も動くのか。
動かなければ、変化は起こらない。

動く。
変える。
変わる。

その時が迫っている。

良い週末を。
そして月曜の敬老の日。
良い三日間を。

<結城義晴>

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