イチローの10年連続200本安打、
白鵬の60連勝。
ストイックなアスリートが偉業を成し遂げる。
いずれも、ストイックさを楽しんでいるようにも見える。
知識商人にも、
ストイックさは必須だ。
ストイックとは、「禁欲的・克己的」と、
『広辞苑』にある。
マックス・ウェーバーは、
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、
宗教的倫理や世俗内禁欲が、
資本主義の精神に適合性を持つと説いた。
これは倉本長治や新保民八の主張に通ずる。
初期商業界指導者たち。
倉本は語った。
「論語や聖書には商売のことは書かれていない。
しかしその論語や聖書にこそ、
商売にとって一番大切なことが書かれている」
新保は唱えた。
「正しきによりて、
滅ぶる店あらば、
滅びても良し。
断じて滅びず」
イチロー、白鵬に対して、
大阪特捜検事や尖閣諸島の事件。
問題自体が、ストイックさからかけ離れている。
その意味では、21世紀は、
今一度、それぞれが宗教観を見直すときだと思う。
ストイックさを、仕事に貫く必要がある。。
これはピーター・ドラッカー教授の唱えたintegrityを意味する。
「マネージャーとして、
始めから身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」
めっきり秋らしくなった昨日、今日。
私は、立教大学ビジネスデザイン研究科の講義。
後期は「サービス・マーケティング」。
今回も20数名の院生が履修してくれそうだ。
力が入る。
integrityやstoicismを失わずに、
講義に臨みたいものだ。
ちなみに「ストイックな楽しみ方」はオクシモロンの用語。
二律背反の言葉を意識的に重ねて、
新しい概念を生み出す。
私はこれが、
21世紀の問題解決の軌道だと思っている。
さて昨日は、一日、横浜の商人舎オフィス。
午後、訪問者あり。
まず、㈱いなげや常務取締役の藤本勇さんと、
社長室リーダーの押木正巳さん。
10月の商人舎USA研修会スペシャル編に参加の予定。
そのための質疑応答。
いなげや社長の遠藤正敏さんは、
「商人舎発足の会」の発起人のお一人。
2008年4月17日に開催されたこの会には、
「結城義晴君の独立を励まし商人舎発足を祝う会」という長い正式名称があって、
それを93人の人々が主催してくださった。
遠藤さんは、私と同じ年。
チェーンストアやスーパーマーケット、
小売業や商業の「現代化」の同志だと、
私は思っている。
その遠藤さん直々のご用命で、
藤井さんと押木さんが商人舎のスペシャル編に参加することになった。
「スペシャル編」は経営戦略を学ぶコース。
商業界時代からもう6年もやっている定番のコース。
よろしくお願いします。
integrityとstoicism、
心して解説・教授します。
夕方には、常盤勝美さん来社。
㈱ライフビジネスウェザー常務取締役。
世界最大の民間気象情報企業㈱ウェザーニュースに新卒入社し、
先輩の石川勝俊氏がライフビジネスウェザー社を創立すると、
こちらに移籍。
小売業・サービス業分野で、ウェブサイトを運営し、
「ウェザーマーケティング」や「ウェザーマーチャンダイジング」を、
専門にコンサルティングする。
商業界の各誌に、もう10年以上も欠かすことなく、
毎月原稿を書き続けている。
いわば、流通気象情報の専門家。
もちろん常盤さんは気象予報士の資格者。
まだ39歳と若くて、
私にはその若さが少し、うらやましく感じられた。
integrityとstoicism。
持ち続けて、商業の世界を楽しんでほしいものだ。
それが商業・サービス業の世界に貢献することにつながる。
皆さんも、今週末、
ストイックに秋を楽しんでもらいたい。
仕事にも休暇にも、
「ストイックな楽しみ方」が必要である。
今週も結城義晴の[毎日更新宣言]ご愛読、感謝。
良い週末を。
<結城義晴>