「長靴をはいた猫」
あたまのいいネコのおはなし。
ボクも、あたま、
よくなりたい。
夏のつかれがとれたら、
「食欲の秋」がやってきました。
ユウキヨシハルのおとうさん、
うちにいるときは、
晩酌します。
その晩酌に、
ボクも、ときどき、
おつきあい。
チーズをひとかけら、
もらうんです。
チーズは、
ネズミくんだけでなくて、
ボクも、だいすきです。
でも、チーズがすきだというだけでなくて、
テーブルに「手」をのせて、
おとうさんといっしょにたべるのが、
いいんです。
あたまのいいネコに、
なれた気がします。
おとうさん、
めぐすり。
「いかがです?」
まいあさ、まいばんのめぐすり、
わすれてはいけません。
新聞もいいけど、
おとうさんにとっては、
めぐすり、
とても、だいじです。
ボクがめぐすり、
さしてあげましょうか?
あたまのいいネコは、
たちあがって、
おとうさんに、
めぐすりをさしてあげることも、
できるんです。
ボクは長靴、
もっていませんから、
「長靴をはかない猫」ですが。
<『ジジの気分』(未刊)より>